(2) からの続き
ところが日本ではどうだろう?育成年代の監督の解任?ほぼ聞いたことがない。移籍も非常にハードルが高い。いろんな人の尽力で小学校年代はここ10年でかなり移籍しやすくなってきているが、中学年代で移籍はまだかなり難しい。
高校年代に至っては部活がメインなので、移籍したいなら学校ごと変わる必要がある。それはほぼ現実的ではなく、監督ともめたら退部 → サッカーをやめることになるのだ。ちなみに監督ともめて学校までやめてしまい通信教育にした子も知っている。
こうした状況下、もちろん海外のような「移籍シーズン」は日本にない。むしろ移籍しないのが当たり前。こうした環境では監督やコーチの「スタメン任命権」による権力があまりにも絶大になり過ぎてしまうんだよね。だから仮に何かが起きてこれはおかしいと思っても誰も監督に言えない。親も言えない、自分の子供が干されるからね。
市場原理が働かない独裁王国的な環境で、スタメン任命権と言う絶対的な権力を持っている。そうした権力をベースに大人が子供の人権を平然と(もしくは自分では気がつかずに)踏みにじっている、それが補欠問題の核心だとパパは考えている。
そもそもサッカーをしている全ての子供達に「基本的試合出場権」のようなものがあるべきではないだろうか?下記は「子供の権利条約」と、それを元にユニセフで作られた「子供の権利とスポーツの原則」からの抜粋だ。
■子供の権利条約 第31条
*締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。
*締約国は、児童が文化的及び芸術的な生活に十分に参加する権利を尊重しかつ促進するものとし、文化的及び芸術的な活動並びにレクリエーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。
■ユニセフ 子供の権利とスポーツの原則
*子どもを差別しない
子どもやその保護者の性別、民族、出生、性的志向または自認、言語、宗教、文化、政治的意見その他の意見、国民的または社会的出身、障がい、経済的地位その他の地位「その他いかなる理由によっても、子どもを差別しない」。
競技に参加して優劣が決まるのは差別ではないが、競技力を理由に「競技に参加させない」というのは差別になる。教育でも15歳までは義務教育があり、公立の小中学校が全国に配備され、子供は誰でも通うことが出来るし、親(大人)には全ての子供達を学校に通わせる義務がある。
学力による選抜(入試)によって私立の学校に通うことも可能だが、そこに入ることができなくても公立の学校でしっかり学ぶことが出来る。同じようにスポーツの現場でも、まず全ての子供が試合に出場できるようにするべきだ。パパは子供の人権の観点からそう考えている。
そして人権の問題と言うのは(1)競技力問題や(2)物理的問題より優先されなければならない。まず子供の人権を最優先に尊重するべき。それが基本的なパパの考えだ。
ただし、、、そうは言っても子供の人権なんて何か確固たるものがハッキリ存在するわけじゃないんだよね。かつては世界中の炭鉱で貧しい家庭の子供達が石炭を掘っていた時代があった。そこから少しずつ、より良い社会に変えていくために人類は知恵を絞ってきたのだ。
社会に出たら弱肉強食なのだから補欠があるのが当たり前だ、と言う人がいるが、社会にもセーフティネットはあるし、なるべく失業者を出さないようにする為にワークシェアリング等の対策は世界中で行われている。ワークシェアリングはまさに試合出場を分かち合うこととまったく同じ発想だ。
そして「社会に出たら競争社会でも子供には徹底して教育の機会均等を」というのが世界の主流だよね?ただ、それでも今すぐ全ての子供達に基本的試合出場権を、と言っても受け入れがたい人が多いのは間違いないだろう。
人権の解釈も時代によって少しずつ変化していくものだ。補欠問題は人権問題なのか?試合出場時間をどこまで保証すれば人権を尊重したと言えるのか?それは年代によって変えていくべきものなのか?あらゆる側面から議論を尽くさなくてはならないだろう。
でもそこに向かっていくべきだ。パパはそう考えている。
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パパは例えば「育成年代はベンチ入りメンバーの7割を選手達の投票によって決める」など監督の権限を分割する仕組みを取り入れると良いのではと思うんだよね。選手投票用のアプリとかあっても良いよね。そこが間違いなく人権問題の最大のネックになっているからね。
そうした仕組みであればブロ友さんの息子さん達が直面したような監督の横暴な行動をかなり防げるし、選手達の発言力も上がり自主性も高まる。選手達や親達の納得感も出て、日本全体でサッカーに対するモチベーションが大きく上がるのではないだろうか?
また移籍を出来る限りしやすくすることも非常に大切だと思う。海外のように移籍シーズンを取り入れられると市場原理が働くようになり、ごく自然に子供の人権が尊重される方向に向かうと思われる。サッカー協会にはぜひそのあたりを考えてほしい。
同時に子供の人権について日本中でしっかり議論を積み重ねて行く。日本中でサッカーを心から思う存分楽しめる子が増え、生涯サッカーを続ける人が増え、サッカーの裾野が広がり、当然頂点の競技力も上がる。
そんなふうになるといいよね。
続く
(次回最終回!補欠問題がないスペインの具体的な取り組みなど!)
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ちなみにパパのブログでは反対意見コメントも大歓迎!ブロガーさんによってそのスタンスは違うし、もちろん様々で良いと思うけど、パパのブログでは疑問や間違いの指摘、反対意見も常にウェルカム!ジャンジャンご意見ください!
過去厳しいご意見を読んで反省し、ブログ記事を訂正したことは何度もある。とてもありがたいことだと思う。意見の違う方と沢山のコメントやりとりをして最後に爽やかにご挨拶して終わったこともあるよね。もちろん最後まで相入れないことも沢山あるけどね。
特に今回は「ベンチ入りメンバーの7割を選手投票で決めるなんてどう?」というのに賛否ご意見あると嬉しっす。この意見の難点を見極めたいんだよね。他にも「補欠があっても良い!」という人の意見も聞いてみたいね。
ただしいきなり上から目線であんた何様?みたいな人にはハゲオヤジ、目から血が出るんでお気を付けいただきたい。そういうの頭皮にもよろしくないんでね(笑)。