子供のモチベーションの核心「余白と野原の冒険遊び」編(2) | ドングリクンパパのブログ

(1)からの続き

 

 

 

朝練でも例えば休憩中にボウズがふざけて何かやり始めたとする。パパはそれが「面白いな」と思ったら、すぐにそれを練習にしてしまう。フェンスの上を綱渡りみたいに歩く、どこかをよじ登る、どこかに飛び移る、どれも身体操作能力を高める素晴らしい練習になる。何かふざけてやり始める、、、それこそが野原の冒険の始まりだからね。

 

「ジャングルジムのてっぺんまで手を使わずにボールを運ぶ」というのをボウズがやり始めて、他の子にもやらせて超盛り上がった事もあった(メチャクチャいろんな工夫が必要なのだ!)。揺れるブランコの間をドリブルですり抜けるのもボウズが始めた。揺れ方を色々変えて難易度を上げたりして面白かったなあ。

 

それを俺がチャレンジしてブランコにごつごつ当たっちゃったりしてそれを子供達がゲラゲラ笑ってる、そんなのがパパの理想の練習なんだよね。サッカーは遊び、練習だってメチャクチャ楽しい遊びだという事を子供達に心から感じてもらうんだ。

 

だからパパのチーム練習は凄まじく騒がしい。他にも盛り上がる仕掛けを沢山しているので、頻繁に子供達が雄たけびを上げる事になる。でも雄たけびを上げるくらい熱中してるんだよね。あまりにも騒ぐので近隣から苦情が来たらどうしようとそれだけが不安だった(笑)。

 

でも他の学年はし~んとしてとっても静かだからパパの学年だけ悪目立ちしちゃう。他の学年が一生懸命練習っぽい事してる時にパパ達は四つん這いでサッカーしたりしてギャーギャー盛り上がっている。時折途中から来てくれた技術コーチ、、パパが大好きでとても信頼している彼でさえ「さすがにこれは、、、」と苦言を呈していたくらいだ。でもパパは「まあまあ」と笑って方針を変えなかった。

 

パパのやっている練習をみるとどうしても子供達がふざけ過ぎているように見えてしまうんだね。だって野原の冒険遊びだからな。日本では騒いだり笑ったりしてたら「集中できてない」とか「サッカーに対して真剣じゃない」とか思われるんだ。

 

でもよ~く観察すれば分かる。子供達は練習に対して投げやりになってふざけてるんじゃない、夢中になって楽しくてハイになってるんだよね。だからプレーそのものはとても激しいのだ。ゾーンに近づいてるんだよ。上手くならないわけがない。パパはそう思うんだな。

 

ちなみにパパはボウズが明らかにゾーンに入ったな、というのをパパのチーム練習中に何度か見たが、大概全体がもの凄く盛り上がっていてわ~わ~うるさくて、なおかつプレーが全体に激しい時だった。テンションが上がりまくって入っちゃう、そんな感じだったね。

 

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コーチがオーガナイズしたものをはみ出す行為を認める。これが「精神的余白」の基本と言っても良いのかもしれない。子供のありのままの姿を尊重し、その中から湧き上がるものを大切にする。メニュー有りき、ではなく、子供有りきで考える。

 

逆に言えば試合中コーチが大声で怒鳴り散らして指示を出しまくる、これが最も子供達の精神的余白を奪うものだよな。子供がやりたい事を自由にやれる余白を残しておく。「やらなければいけない」より「やりたい!」を優先出来る環境とも言える。

 

大人が「サッカー」と書いたプラカードを掲げて「ここに来なさい!」などとやっても子供はすぐにぷい~っとどこかへ逃げ出してしまう。サッカーはどこにあるかな?みんなで競争して探してみよう!と言えば子供は夢中でサッカーを探し始める。そういうことだよね。

 

「やってはいけない」「やらなくてはいけない」ばかりに囲まれると子供達は精神的余白を失って身動きが取れなくなっていく。トータル・モチベーションがダウンしてしまう。なるべく子供自身に行動の選択権を与えることだよね。前回書いたようにパパが子供達に「今日、なんの練習したい?」と頻繁に聞くのもまさにそう。

 

野原の冒険遊びでは子供達自身が主人公だ。大人はそれを邪魔してはいけない。大人がヒーローになって子供達を従わせてはいけない。野原の冒険では子供達1人1人がヒーローだ。サッカーという遊びの中で1人1人がヒーローとなる、目指すのはそこなのだ。

 

だったらメニューを決めるのはヒーローじゃなきゃね。そしてパパはヒーローの従者だよね。そうしてサッカーという物語の中で子供達自身が主人公であれば、やがて物語が進んで困難が訪れても子供達は自らの力で戦う事が出来る。何故ならヒーローだからね。

 

サッカーが本当に自分事になっているか?親やコーチにやらされているものではないか?精神的余白の中で、自ら選び取ったものであるならば、そこで子供達は必ず力を発揮できる。パパはそう思うんだな。

 

続く