小学生にお勧めのサッカー練習法/モチベーションの法則・基礎編(4) | ドングリクンパパのブログ

(3)からの続き

 

 

大量のミニゲームである程度サッカーが出来るようになってから専門的なトレーニングをしていく、パパはそんな形も良いと思うんだよね。つまり「ミニゲームばっかり数年→トレーニング」の順序だ。でも日本では一般的にはあり得ない。ところが世界にはその順序が当たり前のサッカー強豪国が沢山あるのだ。

 

こんなブログを読んでいるマニアックな方々(笑)はご存知の方も多いだろう。ブラジルが最も代表的な例だね。ブラジルだけでなく南米はほとんどそうだろう。そう、彼らはまずストリートサッカーから始めるのだ。

 

誰に教わるわけでもない、みんなで揃って練習なんて全くしない、ひたすらストリートでミニゲーム。ブラジルではそこでサッカーが大好きになってメチャクチャ上手くなって、もしかしたらプロになれるかも、と思った(もしくは認められた)子だけがサッカーの練習をするようになると言う。下記の記事が興味深い。

 

 

 

「ブラジルでは100%に近い男の子がサッカーをして、当然のようにプロ選手になることを夢に見ます。しかし、彼らのうち95%は練習をしたことがありません。すなわち、95%のサッカー少年は、厳しいトレーニングをしません。残りの5%も14歳ごろまでは練習や厳しいトレーニングをしません」

 

「このブラジルの事例からわかることは、14歳ごろまでは練習をしなくても、プロサッカー選手になれるということです。むしろ、14歳ごろまで練習をしないでサッカーを「遊ぶ」ことが、自由な発想を身につけさせ、世界で活躍できるプロ選手を育てることに繋がっていると言えるかもしれません」

 

(上記記事は下記の本からの抜粋)

 

 

これはもしかすると情報が古いかもしれないし、14歳まで練習しないというのは極端のような気もするけど、ある程度上記のような状況がサッカー王国のベースになってきたのは間違いない事だろうと思う。似たような事はセルジオ越後さんも言ってたしね。

 

下記は同じマリーニョさんとアルゼンチンでプロになりその後現地で指導も経験した日本人の亘 崇詞さんという方との対談(ボカジュニアーズでも指導歴あり)。これも興味深い。

 

 

「アルゼンチンに行って違うなと思ったのは日本ほどサッカーを細かく教えないんですね。目的とか大体のテーマをコーチが言いますけど、方法は選手に任せます。事細かく『ここにボールを止めなさい』とか『シュートコースの切り方はこうだ』とかまでを教えたりはしないですね」

 

「僕がボカのスタッフ時代に練習に混じったとき、迷惑をかけないようにワンタッチかツータッチで簡単にやったんです。そしたらリケルメが怒ってきたんですよ。『ポルケ ノーテ フガース!』って。『フガール』ってのは『遊ぶ』という意味。『なんで遊ばないの?』って。怒られたってのがすごく衝撃で。『お前がやっているのはプレイじゃない』というニュアンスのことを言われました」

 

「向こうではサッカーに限らずスポーツってのは遊びです。私たちが小さいときからサッカーはひとつの遊びで、よい時間を過ごすためにあるもの。競技じゃないんです。かけっこや鬼ごっこと一緒」

 

 

↑お前がやってるのはプレーじゃない!とリケルメが言った時の「プレー」は「遊ぶ」という意味の文字通りPLAYなんだね。、、、っていうかリケルメに怒られた事があるってなんかカッコイイ(笑)。

 

でも最近南米も変わってきているらしいね。ブラジルでもかなりスクールが増えているそうだ。遊べるストリートが減ってしまったからね。下記のレポートがその辺りについて非常に詳しい。ブラジルのプロ選手保証協会などに対するインタビューをベースにしているので非常にリアリティがある。

file:///C:/Users/User/Downloads/2-001-009.pdf

 

ここにかなり衝撃的な話が書いてある。現在ブラジルを代表するような選手達は多くが郊外のストリートサッカー文化が残る地域から生まれていて、クラブチーム出身者はほとんどいないというのだ。

 

「しかし、近年のブラジルの経済 発展により、特に都市部ではサッカーをして遊ぶこと のできる場所が少なくなってしまい、そのことにより、 遊びではなく、クラブやサッカースクールに子どもた ちを通わせて、サッカーを子どもに習わせる親が増え ている。

 

このことが理由で現 在のブラジルサッカーが以前のように「天才(的な選 手)」を生まなくなったのだという。彼は、良いサッカー 選手は生まれつきの才能がなくてはならず、それは学 んで(教えられて)得られるものではないと考えている。

 

 実際、クラブ育ちの選手がブラジルを代表するような 選手になった例はほとんどなく、現在のブラジルサッ カーを牽引している選手の多くは、郊外出身で、遊び の中でサッカーをしてきた選手なのだという。したがっ て、ブラジルの国土が広く、郊外には遊びとしてサッ カーを行う環境が今のところまだ数多く残っているこ とが、ブラジルサッカーの高い競技レベルを維持する ことができている要因になっているのだという」

 

 

ね?そろそろミニゲームたっぷりやらせてくなってきたかな?(笑)でもねえ、いつだってどんな時代だって常に変化していくからね。そして正解は常にひとつじゃない。今後ブラジルでも小さい頃から教え込む文化の中からもきっとスーパーな選手が生まれたりもするだろう。

 

ヨーロッパでは南米より早くにストリートサッカーが途絶えてきてしまっている。そしてヨーロッパでもそれを嘆く声は多いが(あのグアルディオラ先生も嘆いていらっしゃいましたねえ)、それでも相変わらず良い選手を生み続けているよね。

 

ただひとつだけはっきりしている事がある。どんな時代になろうとも、世界のどこへ行ったとしても、もし子供達に一番好きな練習メニューは何かと聞いたら?

 

試合!試合!試合!

 

間違いなくそう答えるだろう。つまり、ミニゲームは永遠のスーパーメニューーであり続けるってことさ。練習はサッカーではない。試合こそがサッカーだ。パパみたいに素人がパパコーチやる事になりました、みたいな時には、その事を覚えておいても良いと思うんだよね。

 

改めて書いておこう。サッカーが上手くなるならないより、子供達がサッカーを心から楽しんでいるかどうか?そこを第一に考えるべきだと思う。子供達がサッカーを通じて幸せであるならば競技力は必ず向上する。ブラジルやアルゼンチンのようにね。

 

そして子供達の幸せを第一に考えるのであれば、よしひろパパさんが常々書いている「ベンチ問題」は日本の大きな課題であり、必ず解決しなければならないものだ。そこをきちんと解決しないとワールドカップで優勝なんて夢のまた夢、、、

 

パパは心からそう思うね。

 

----------------------------------------------

 

さてさて今回の話を読んで、もしかするとパパの書いたモチベーションの法則について下記のように感じた方がいるかもしれないね。

 

「子供がやりたい事をやらせる?そりゃそうすればモチベーション上がって当然でしょ?でも子育てで難しいのは子供がやりたくない事をやらなくてはならない時にどうモチベーションを保つか、じゃないの?」

 

もしそう感じた人がいるならば、それはその通りだ。でもちょっと待ってほしいんだよな。その前に、まず「子供がやりたい事をやる」というのはそれほど簡単な事だろうか?誰でも出来ている事だろうか?

 

*その子は本当に心の底から自分がやりたい事をやれていますか?

*その子は本当に心の底からやりたい事が何か、自分で知っていますか?

*その子が心からやりたい事に辿りつく為に必ず必要な○○を十分に与えていますか?

 

次回はパパが考える、その○○について詳しく書いてみたいと思う。結局そこに辿りついてないと真に燃えるようなモチベーションなんて湧きあがって来ないのでは、、、パパはそう思うんだよね。

 

(ではではまた来週!)