小学生にお勧めのサッカー練習法/モチベーションの法則・基礎編(3) | ドングリクンパパのブログ

(2)からの続き

 

 

そしてここから更にパパは子供達のモチベーションを高める作戦を様々導入して行くのだが、その話の前に。ここで子供達がやりたい!やりたい!と言って選択した試合、すなわちミニゲームについて考察してみよう。要するにパパの練習は基本的にほとんどミニゲームなのだ。

 

恐らく日本トップレベルでミニゲームの多い練習だった。子供達に言ったようにミニゲーム→練習ちょろ→ミニゲーム→練習ちょろ→ミニゲーム→練習ちょろ→最後に大きな試合という感じでミニゲームと練習ちょろのミルフィーユだった(笑)。まあもちろん様々条件付きのゲームも含めてだけどね。あと1対1や鬼ごっこも沢山やったよね。

 

パパのやった事は恐ろしく単純な事だ。子供達のやりたい事をやる、それだけ。でもたったこれだけの事で公式1)の右手「×モチベーション」を爆発的に上げる事が出来る。たったそれだけでサッカー上達度は恐ろしく爆上がりするのだ。全然違うから。ちなみにこれ、サッカーに限らないからね。これを意識出来ているかいないかであらゆることの子供の伸びが変わるからね。

 

まあそもそもパパはサッカーの素人じゃんねえ?もちろん今は情報が山のように(当時も多少は)あるから勉強する事は出来る。パパもメチャクチャ色々勉強したよ。それでも素人がコーチやるならへたに公式の左手にこだわるより、徹底して公式の右手、すなわち子供達のモチベーションにこだわる方が遥かに効果高いとパパは思うわけさ。

 

でもここまで読んでも恐らく「そんなんで上手くなるわけないじゃん」と思っている人も沢山いるだろうね。「子供達がゲームをやりたいと言いました、だからミニゲームをしました。以上」そんなんだったらコーチ要らねえよ、それはコーチじゃねえ、そんなもんで上手くなるわけがねえ、そう感じる人も多いかもしれない。

 

果たしてそうだろうか?もう一度前回の記事を読んでもらいたい。パパが受け持った子達はミニゲームばかりやって全員ちゃんと上手くなって大活躍した。上手い子は更に上手くなり、いわゆるBの子達はAの子達に迫るくらい上手くなった。スクールに別で通っていた子はほとんどおらず、少年団の活動は週2~3日程度で、自主練をする子もほとんどいなかったにも関わらずね。

 

もちろんそれは偶然で、たまたまポテンシャルの高い子が揃っていただけかもしれないが、少なくとも個人のポテンシャルを妨げる事はなかったと言える。

 

ミニゲームやってるだけで上手くなるわけがない、、、そう思っている人は実際のところミニゲームばかりやらせた事がないのだ。ミニゲームばかりやったら実際どうなるのか、一度も体験した事がない。でもパパは少なくとも3年、10人以上の子供達に大量のミニゲームをやらせてみた経験がある。そしてミニゲームこそ最強トレーニングだと強く実感しているのだ。

 

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練習崩壊している子供達の練習を引き継いで、一番最初にパパが「試合やろう」と言った際に子供達は「え!?」「今!?」「今からもう試合やるの!?」と口々に聞いてきた。つまりそれだけ最初から試合をするということが珍しかったんだね。珍しいというか多分一度もなかったんだと思う。

 

そこには恐らく日本人の気質も関係しているよね。遊んでいても上手くなるわけがない、厳しい練習を乗り越えてこそ上手くなる、試合は一生懸命練習した者へのご褒美、どうしてもそういう発想になりがちだ。夏休みが世界トップレベルで短い上に膨大な宿題が出るような国にっぽんでは「遊ぶ事=良くない事」という意識が常にどこかにあるんだよね。

 

でも実際は「遊び」こそ子供のポテンシャルを最大限に高める最も大事なものだ。日本でも最近になって非認知能力などが注目され始め、今改めて遊びの大切さが再認識されている。そしてそもそもサッカーは遊びだよね?PLAYだよね?技術なんか何もなくても、生まれて初めてボール触る子でもサッカーを楽しむ事は出来る。ボールとゴール、そして一緒にやる仲間がいれば良いだけ。

 

*何かで上を目指す為にサッカーはあるのか?

*自分と向き合い、競技レベルを向上させる為にサッカーはあるのか?

 

違うよね。サッカーはプレーヤーがサッカーというゲームを楽しむ為にある。その原点を忘れてはいけないと思うんだよ。全てはそこから始まる。子供達はサッカーを楽しむ為にそこに来ている。だったらサッカーをしようじゃないか。思う存分ミニゲームを楽しもうぜ?それがパパの基本的な発想だよね。

 

我々大人は「子供達が上手くなっているかいないか」よりもまず「子供達が楽しんでいるのかどうか」を大事にするべきではないだろうか?サッカーという活動を通して子供達は幸せなのか?もし彼らが幸せであるならば、必ずサッカーも上手くなる。太古の昔から言われている通りさ、好きこそものの上手なれ、これ楽しむものに如かずだからね。

 

そうしてサッカーが大好きになった子供達はそのまま大人になっても生涯サッカーを続ける可能性が高くなり、それが日本サッカー全体の裾野を広げ、結果として頂点も高くなるわけだね。

 

ここでパパがまず書いた事は「上手くなるならない」を脇に置いてでも、ミニゲームを沢山やって子供達にサッカーそのものを存分に楽しんでもらおうという話である。ただ、実際のところは「上手くなるならない」を脇に置く必要はまったくない。何故なら小学生にとってはミニゲームこそが最も上手くなる練習だからだ。

 

では改めてミニゲームを公式に当てはめてみよう。

 

■技術・戦術ポイント

*技術5点/5点満点中

*戦術5点/5点満点中

合計10点/10点満点中

 

実戦は最も技術が身につく。例えば南米などに行った日本人が必ず言う言葉は「練習ではみんなヘタクソなのに試合になると激変して怪物化する」というもの。単純な話だよね、日本人は練習をしてきた時間が長く、南米人は試合をしてきた時間が長い。だから日本人は練習における技術が高く、南米人は試合における技術が高いのだ(ただし本当に上に行く選手は練習も試合も上手い)。

 

ミニゲームは少人数なのでボールタッチ数も多く、球際の発生率も高い。敵味方がいる中でのドリブル、敵味方がいる中でのパス、敵味方がいる中でのシュート、あらゆる実戦的な技術練習がそこには詰まっている。技術点は文句なく5点満点だ。

 

戦術面でもトレーニング効果は高い。3対3になればオフザボールの動きもかなり実戦的になる。3人目の動き、2対1の作り方、1対2でパスコース消しながらのアプローチ、味方と連動したプレッシング、マークを外す動きなどなど、サッカーで求められるものはほとんどのものを含んでいる。戦術点も間違いなく5点満点だ。

 

■フィジカル・ポイント

*コーディネーション・アジリティ能力5点/5点満点中

*体力・筋力4点/5点満点中

合計9点/10点満点中

 

ミニゲームでは間違いなくアジリティ・コーディネーション能力も高められる。サッカーというのは基本相手の逆を取り続けるスポーツだ。右に行くと見せかけて瞬時に左に動く、行くと見せかけて瞬時に止まる、止まると見せかけて瞬時に動く、その繰り返しだ。相手もそれに必死についていく。

 

それを足でボールを保持しながらも行うわけで、これほどコーディネーションやアジリティをまんべんなく鍛えられるものはなかなかないよ。当然5点満点だ。体力面は言わずもがな、フットサルに参加したことのある親御さんなら分かるはずだ。それが体力的にどれくらいキツイかということをね。

 

子供達はミニゲームに夢中になっているうちにごく自然に体力がついていく。ただ上半身へのアプローチはあまりないので一応4点としておこう。

 

■モチベーション・ポイント

10点/10点満点

 

解説不要。いつだって子供達が最もやりたい事だからね。さてさて、ここまでの数値を公式に当てはめると?

 

★((技術戦術10点)+(フィジカル9点))×モチベーション10点=上達速度190点

 

200満点中の190点だ。これ以上のトレーニングは存在しないレベルで素晴らしい練習だよね。特に小学校年代はミニゲームだけでもかなり上げられると思う。大量のミニゲームである程度サッカーが出来るようになってから専門的なトレーニングをしていく、そんな形も良いと思うんだよね。

 

つまり「ミニゲームばっかり数年→トレーニング開始」の順序だ。日本では一般的にはあり得ないよね。ところが世界にはその順序が当たり前のサッカー強豪国が沢山あるのだ。

 

続く