竜の字君の記事の件(後編)彼の反論を読んで追記あり | ドングリクンパパのブログ

前編からの続き

 

下記、僕が問題だと感じて前回取り上げた、竜の字君のブログからの抜粋です。想定しているのは業界権力者、彼に性的関係を無理やりに迫られて、立場上断れなくて関係を持った女性です。その女性は「性」と「チャンス」を天秤にかけてチャンスを選んだんだから、それも合意と見なすべきだと彼は書いています。

 

 

「断ったら、夢が終わると思うと怖くて」

と言う人も居ますが、

だったとしても、それで受け入れたなら

僕は、それも「合意」だと思います!

 

自分が勝手にチャンスと性を天秤に乗せて

チャンスを選んだ訳で、それは、実は嫌でも

自分の決断であり合意だと思います。

 

そもそも、人に依存して、夢を叶えて貰おう

と言う考えでいるから、付け込まれるのです

その意志の弱さ、そこにも責任はあります!

 

 

この意見は上記ストーリーの代議士と同じ意見です。権力者に脅されて性的関係を迫られても、もし断る事ができなかったのならそれは合意と見なすべきだと。これは正しい意見でしょうか?僕はそうは思いません。

 

もしそれが正しいのなら、代議士のセリフも正しい事になります。エイズの話も大げさではありません。そうした関係を迫られて断れず、後にそれを激しく後悔しPTSDを発症、重い鬱となって自殺した女性もいます。

 

例えば権力者においしい話をネタに関係を迫られた場合、それを断ったらそのおいしい話がなくなるだけという状況はほぼ100%ありません。その状況では「断ったら現状が脅かされるかも/その後パワハラを受けるかも/職を失うかも」という状況を想像しない人はいないのです。

 

記事の末尾に紹介している事実を元にした映画の中にも沢山の被害女性が登場しますが、彼女達も強要された際に断れば職を失って業界から抹殺される恐怖にさらされています。それらは「夢が終わると思うと怖くて」という状況にピタリ当てはまります。これを合意とするのは犯罪を肯定するようなものです。

 

「チャンスを得ようと権力者を自ら誘った」これは間違いなくチャンスと性を天秤にかけた事になるでしょう。でも権力者から誘われた場合、天秤にかかるのは「チャンス」ではなくもっとずっと重いものです。人生を壊されるかもという恐怖です。つまり権力者に誘われた状況を設定しているのに、「チャンスと性を天秤にかけた」と言ってしまう事がそもそも間違いだと思うのです。

 

するとこれを「合意」としてしまう事は、人生を壊されるかもしれないという恐怖から応じてしまった女性達に対して「お前ら天秤にかけてチャンス取ったんだろ?合意じゃん!」と言っているようなものです。加害者側を勇気づけ、被害にあった女性を達のセカンドレイプしてしまう、あってはならない言葉だと思うのです。

 

ここでひとつ考えほしいのは、なぜ僕が今回ストーリーの主人公であるAさんを男性にしたのか?という点です。前回の既に削除した記事をアップした後、驚いた事に僕が問題としている彼の記事に、逆にイイねが沢山付いたのです。彼の記事の平均的なイイねの数を大幅に上回っています。そして僕の記事が出てから付いたイイねは全て男性によるものでした。

 

世の中の多くの男性にはこれが正しいと思えているのです。どこが間違ってるんだ?と。でももう一度ぜひストーリーをお読み頂きたいのです。Aさんのお父さんに代議士が言い放った言葉は正しいでしょうか?ここで既に削除した記事に頂いたコメントをひとつご紹介します。

 

「違法行為を容認するような発言だと思います。刑法が昨年改正されて、強制性交罪から不同意性交罪になり、具体例として「経済的・社会的地位の利用」が挙げられています。発言の前提としている状況は、これに当てはまる可能性があるのではないかと思います」/eekokさんのコメントより

 

まったくもっておっしゃる通りです。彼の記事の内容はまさに犯罪そのものです。つまりこうした犯罪を助長してしまうものです。ただし竜の字君にはそうしたことを助長しようというような意識はないと思います。もちろんです。

 

彼の意図は女性の自己責任を問うものですが、そこには例えばストーリーで取り上げたAさんのような弱者の立場を顧みる視線が全くありません。そして彼の意図ではないにしても、この意見が広まれば権力者の腐った行為を増殖させる事は間違いありません。そしてそれは紛れもなく犯罪行為なのです。

 

そんな犯罪が蔓延する世界を私達は望んでいるのでしょうか?今回の記事の背景は昨年の不同意性交罪の成立です。多くの男性はこの法律によって男性が一方的に不利になるのではと感じているようです。でも法律の中身をちゃんとご覧になりましたか?今回の法改正で新たに追加されたのは下記の通りです。

 

② 精神的、身体的な障害を生じさせること

③ アルコールや薬物を摂取させること

④ 眠っているなど、意識がはっきりしていない状態であること

⑤ 拒絶するいとまを与えないこと

⑥ 恐怖、驚愕させること

⑦ 虐待による心理的反応があること

⑧ 経済的、社会的関係の地位に基づく影響力で受ける不利益を憂慮していること

 

上記による性的な強要が違法となったのです。でも良くお読みください。どれも本当に当たり前のことではないですか?むしろこれが今まで違法とならなかった事が信じられないくらいの当たり前の内容です。

 

多くの男性がネット上に書いているのは「行為の後で、実は同意してなかったと言われたら終わりじゃん」という心配です。その通り、そういう心配はやはりあるのです。女性が悪意を持って男性をハメに来る可能性もあるのです。でもよ~く考えてみてください。それは男性でも出来る事です。男性でも後から「性的合意はなかった」と言えるのです。つまりフェアなのです。

 

そして後から合意がなかったとして問題を起こす人が増える可能性はありますが、上記によって性的強要をされる人は劇的に減ります。その方が遥かに健全な世の中ではないでしょうか?これまで一方的に女性が不利益を被ってきたのです。山のような女性達が泣き寝入りしているのです。それでも上記の内容による性的強要を合法とする社会に戻したいと考えますか?それは子供達の未来に相応しい社会でしょうか?

 

そして上記の通り法律が改正されても、竜の字君が書いたように、もしくはストーリーの代議士のように「天秤にかけて選んだんだから合意だろ?自業自得だろ?」と多くの人が考えていたら社会はいつまでも変わらず、権力者による卑劣な行為は減らないでしょう。

 

僕は子供達の為にもそういう社会にしてはいけないと思います。これが僕が言いたかった事です。皆さんはどう思われますか?反対意見でも構いませんのでぜひご意見を頂きたいと思います。

 

最後に竜の字君にメッセージを送ります。君は今、これを読んでもピクリとも心がうごかないかもしれません。僕はそれを前提で書いています。でもこうしてコメントをくれた方々のように「それは間違っているよ」と思っている人が沢山いる事を覚えていてほしい。いつか理解できる日が来ると思います。

 

ちなみに君の息子さんの動画は見ています。素人の僕に言われてもなんにも嬉しくないだろうけど、息子さんは間違いなく上手くなっていると思います。息子さんの未来の為にもいつか上記を理解しほしいです。以上です。

 

*下記はMee Too運動のきっかけを作ったニューヨークタイムズ紙の記者ミーガン・トゥーイーとジョディ・カンターらによる性暴力報道を描いた「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」という映画です。

 

嫌がらせ、脅し、隠ぺい、あらゆる妨害に立ち向かい、恐怖や不安と戦いながらついに記事出版にこぎつけます。ああ、こうした人達の真の勇気と努力によって世界が少しずつ変わっていくんだなという事を強く実感して深く感動しました。その立場の女性の気持ちがイマイチ分からないんだよな~という男性にぜひ見てほしいです。アマゾンプライムなら無料で見られます。

 

 

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追記(彼の反論を読んで)もう十分に礼儀は尽くしたのでここから先はいつものパパ節に戻しま~す。

いくつか書いてくれてるね。まあもうちょろっとだけにしとこ。なんか稚拙すぎてがっかりしちゃったし。まずはこちら。

 

 

「権力者に迫られたけど、夢が終わると思うと怖くて断れなかったなら、それも同意だと思います!」という彼の明らかに犯罪状況を肯定してしまうお言葉は実は「女の子の為の優しさ」なんだそうでございます(笑)。そう言って脅しておかないとホテルの部屋に飲みに行っちゃう女子が増えるからだって。

 

いやはや、これはさすがに幼稚過ぎ、君らしくないぞ?「権力を背景にした性的強要は犯罪です」と沢山の人が知ることで加害者側をけん制できるだろ?その方が断然大切だろ?でも君の話は加害者を勇気づけちゃうぞ?女子だけが君のブログを読むのか?

 

それと「権力を背景にした性的強要は犯罪」となったから「これで安心安心、ガンガンホテルにも飲み行っちゃうわ~」なんて女子が増える、、、ことはありません(笑)。捕まる奴が増えてニュースも増えるからね、みんなますます警戒するよね。いや~、さすがにこの反論はどうよ?

 

で、これ。

 

 

話の続きなのかな?「なんでみんな僕の優しさが分からないのですか!?皆さんお勉強が足りないのです!!」だそうです。もう、大変なおこちゃまですねえ(笑)こりゃ奥様も大変そう。なんか色々持ち上げてあげたのに、これじゃあ梯子を外された気分だぞ?もう少しまともな反論欲しかったな~。

 

名無しの権兵衛さんのコメントの方が断然鋭かったね。ぜひコメントと僕の返信をぜひ読んで頂きたいと思います。恐らく彼のくだんの記事にイイネを押した男性陣もここで引っ掛かっているのだと思います。

 

いや~もうこれっきりにしよ。もう自分のやれる事は十分やった。うんうん、良く頑張った俺(笑)さあ、もう次回は楽しいブログ書くぞ~。