名古屋高校サッカー部さんの取り組み(3)フィジカルデータベースF&V | ドングリクンパパのブログ

パパは昔ながらの「気合い!」とか「根性!」とかいう言葉も大好きだ。なんだかんだ最後の最後はやっぱそういう部分だよな。

 

でも同時に科学的アプローチも大事だよなあと思う。そりゃそうだよね。上に行けばいくほど勝負を分ける差はごぐわずかなモノとなる。科学的に根拠を持ってアプローチすることで日々そのわずかな差を生みだしていく。その1人1人のわずかな差がチームになると大きな成長となって跳ね返ってくる。

 

名古屋高校さんでは何をどんなふうに取り入れているのか?見て参考にさせて頂こう。

 

■F&Vフィジカルデータサービス

 

名古屋高校サッカー部さんではF&Vというサービスを利用して毎年2回フィジカル測定をしているそうだ。

 

 

測定値はデータベース化され、アプリによって各選手が自分のデータを見られるだけではなく、チームメイトや平均値との比較もできる。でもこのサービスがユニークなのはここからだ。データの比較が出来るのはチーム内に留まらない。このサービスに参加している全てのチームのデータと比較が出来るのだそうだ。全国順位的なものも出るらしい。

 

参加しているチームも錚々たる顔ぶれ。流通経済大学、中央大学、東洋大学、静岡学園、大津高校、履正社高校などなど。しかもなんとその数値はスカウトにも利用される。実際名古屋高校の選手で全国1位のフィジカル記録を出した子に超名門大学から練習参加のオファーが来たそうだ。

 

スカウトする側にとってもフィジカルデータが数値で見られるのは便利だし、コーチ陣はあらゆる角度から分析が出来る。でも最も効果が高いのは「選手のモチベーションアップ」だろうね。だって間違いなく面白いじゃん。そりゃ意識も高まるよな。これはほんと面白い。でもいいところに目を付けたよね~F&Vさん。これ、先にやったもん勝ちだもんな(笑)。なんていうか「参加してないチームが乗り遅れる感」があるよね。

 

今高校サッカーも大型化の波が押し寄せてきてるしね。岡山学芸館も去年から本格化したフィジカル改革が実って全国優勝した。1日5食×週2日がっつりフィジカルトレーニングで体重バ~ンと増やしたことで「上手いだけでなく怖さを出すことが出来た」と。それが全国制覇に繋がった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6070ab8821be430867ecf77a80c8f7320ee34057?page=1

https://news.yahoo.co.jp/articles/4489122e3a5e21ba4a27d2ec4fafafb4fa4814e6

 

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サッカー選手のフィジカル進化、アスリート化は世界的な潮流だし正しい流れだと思う。ただ、、、またいつもの話になっちゃうけど、晩熟君はまた完全に置いてきぼりだな。晩熟君の場合高校生では器具を使ったウエートトレーニングは出来ない。まだ骨端線が固まってないから怪我に繋がってしまう。

 

テストステロンの分泌も十分じゃないので自重で必死にフィジカルトレーニングをしてもまだ大して筋肉がつかない。何度か書いているけど興国高校の内野監督は「身体がおっさん化しないとフィジカルトレーニングやってもムダになるからやらせない」と言っているよね。

 

でも実際のところ全国に大型化の波が押し寄せてる。青森山田はバーベル90キロ持ちあげてる!岡山学芸館は平均体重○キロ増やして全国優勝!そんな感じで高校年代も「早くに身体がおっさん化してガツガツウエートやれる早熟君の大会」みたいになりつつあるね。で、結局そこで目立つ子が関東レベルの大学に行くわけで。

 

海外はクラブチームで育つので毎年移籍のチャンスがあるが、日本の場合高卒でプロになれなかった場合大学でプレーするしかない。そして一度入学したら基本的に移籍が出来ない。更にプロになれる確率のある大学リーグは恐ろしく限られる。プロ目指す上で最低ラインである関東3部ですらとんでもなく狭き門だという話はつい最近書いた。

 

 

高3でフィジカルがまだ出来てない晩熟君は一体どうすりゃいいんだろうねえ?2年程度の晩熟君でも大学3年生辺りになればかなりイイ感じになってくるはずだ。でもその際にどんなに活躍しても所属している大学が県1~2部とかならプロになる可能性は100%ない。移籍のない日本においては高3の時点で可能性が途切れてしまうのだ。

 

ま、晩熟話はこのくらいにしとこうね、愚痴みたいになるから(笑)。それはそれでまた今度ゆっくり愚痴るとして(笑)晩熟君のケアをどうするかはともかく、フィジカルデータを全国レベルでデータベース化する、スカウトもそれを見るというのは日本全体にとって間違いなくプラスの試みだと思う。

 

例えば、、、被爆の心配のないエコーによる骨年齢測定の精度が上がって全国に普及し、このフィジカルデータベースに骨年齢(生物学的年齢)と、そこから推測される予測最終フィジカルデータも記載されるようになり、スカウトも骨年齢を含めてデータを読むのが当たり前になる、、、

 

そんな未来が来るといいよね。