プロとアマチュアの差:プロになった選手となれなかった選手の違い(4) | ドングリクンパパのブログ

前回(3)はコチラ。今回は(4)(5)と続けてアップします。

https://ameblo.jp/dongurikunpapa/entry-12541203774.html

 

ではそれぞれ少し細かく見てみよう。まず年齢から。日本では4月生まれのプロスポーツ選手が多い。海外でも学年の区切りの頭の月に多い。早くに生まれている方が(平均すると)早熟になり、遅く生まれた方が(平均すると)晩熟になるわけで、早熟晩熟問題はこの筑波大のレポートにもその傾向がハッキリ出ているね。

 

ユース→プロ 年齢 17.4歳(昇格)17.1歳(非昇格)

ジュニアユース→ユース 年齢 14.4歳(昇格)14.2歳(非昇格)

 

わずか数カ月でも早く育った方が有利なのだ。つまり平均より2年成長が遅れています、なんて子はもうお話にならないのだ。高校年代なってもまだ年齢(月齢)の影響を受ける。2年以上の晩熟君は大学経由などの道を考えなくてはならない。でもうちはお金ないから別の道を考えないといけないかもね。

 

 

次に身長。これは以前パパの身長シリーズでも詳しく書いた通り。やはり明確に身長が高い方が有利だね。それぞれの差はわずかでも、選ぶ度に大きい方を選ぶので最終的なプロのベンチ入りメンバーの平均は日本人男性のそれを大きく上回る。

 

ジュニアユース → ユース 身長 168、2cm(昇格)166、9(非昇格)

ユース → トップチーム(プロ) 身長 175、3cm(昇格)174、6(非昇格)

ベンチ入り(プロ) ベンチ外(プロ)身長 178.9cm(昇格)176.8(非昇格) 

 

しかしここ最近アタッカーに関しては170cm前後の選手がやけに目立っている。ただし彼らにはほぼ100%同じ共通点がある。それは異常に速いということ。日本人で言えばU17で注目されている若月大和君がまさにそんな感じだし、バルサBに入った安部選手も実は相当足が速いらしい。でも今回やっと!代表に呼ばれた古橋選手(やっぱり170cm)が今一番速いんじゃないかな?

 

 

体重と体脂肪率は一旦置いておいて、次に短距離走。このデータを見れば分かるよね。結局10mでも30mでも50mでも同じなのだ。昇格組は非昇格組よりすべて速い。

 

10mスプリント 1秒81(昇格) 1秒89(非昇格)(ジュニアユース → ユース)

10mスプリント 1秒8(昇格) 1秒82(非昇格)(ユース → プロ)

10mスプリント 1秒75(入り) 1秒8(外)(ベンチ外 ベンチ入り)

 

30mスプリント 4秒36(昇格) 4秒51(非昇格)(ジュニアユース → ユース)

30mスプリント 4秒26(昇格) 4秒34(非昇格)(ユース → プロ)

30mスプリント 4秒16(入り) 4秒26(外)(ベンチ外 ベンチ入り)

 

50mスプリント 6秒76(昇格) 7秒12(非昇格)(ジュニアユース → ユース)

50mスプリント 6秒63(昇格) 6秒76(非昇格)(ユース → プロ)

50mスプリント 6秒46(入り) 6秒65(外)(ベンチ外 ベンチ入り)

 

つまり基本的には10mが速い選手は50mも速い。例外は恐らく身長がかなり低めの選手だよね。身長が低い場合、ストライドが短いので距離が長くなればなるほど不利になる。つまり50mが遅くても5mは異常に速いという選手がいるということ。メッシや中島翔哉がまさしく当てはまるね。

 

そういう低身長なのに加速がスーパーという例外的な選手を除き、ほとんどの選手の場合結局50m走の速い選手が10mでも速い。恐らく5mでも変わらない。つまり5mの速さが大事であるサッカーでは50m走のタイムも必然的に非常に重要なのだ。当たり前のようでいて、案外当たり前に捉えられていないような気がする。

 

5mなんて計測する機会ないし、短すぎてタイム正確に出ないしね。でも50mなら全国平均や標準偏差なども公表されているし、計測の機会も多い。目標にするべき指標である。現在カウンターサッカーが進化、高速化している中で単純に50m近くをダッシュする重要性も増しているので50m走の重要性は更に高まっている。

 

ユースから昇格出来なかった選手の50m走タイムの平均が6秒76、昇格組の平均タイムが6秒63、その差はわずか0.13秒である。でもその差が昇格組と非昇格組を分ける。そしてプロのベンチ入りメンバーの平均が6秒46、ユースの非昇格組との差は0.3秒。実に分かり易いね、少しでも速い方が昇格し、少しでも速い方が試合に出るのだ。

 

つまり50m走のタイムを上げることに全力を注ぐこと、これは当たり前にとても大切であり、そこがプロになれるなれないの鍵を握ると言っても過言ではない。そしてそのスピードトレーニングの核になるとパパが考えているのが今回のブログのテーマである「体重管理」となる。

 

全てのトレーニングは同じ、無理して短期間に何かを成し遂げようとすれば必ず怪我のリスクが高まる。少しずつ×長い年月の取り組みが必要になる。毎日、少しずつ、コツコツ積み上げて、最終的なポテンシャルを0.3秒引き上げるのだ。

 

続く