〇あらすじ

川越で印刷業を営む竹下宗吉(緒形拳)は、妻(岩下志摩)のお梅がいながら、鳥料理屋の女・菊代(小川真由美)を囲い、三人の隠し子をもうける。しかし商売が傾き、援助を断たれた菊代は子どもたちを連れて宗吉の家に押しかけた末、子どもを置き去りにして姿を消す。お梅は憎悪を募らせ、家庭は地獄と化す。

末子の庄二は衰弱の末、不審な死を遂げる。宗吉は妻の関与を疑いながらも口にできず、夫婦は共犯的な罪悪感の中で歪んだ結びつきを強めていく。その後、宗吉は子どもたちを次々に「処分」しようとし、良子を置き去りにし、利一を断崖から突き落とす。

奇跡的に助かった利一は警察に保護されるが、父の犯行を頑なに否定し、身元も語らない。やがて証拠から事件性が明らかになり、宗吉は逮捕される。警察署での親子対面の場で、利一は父を激しく拒絶し、宗吉は崩れ落ちる。家族という名のもとに行われた非情な罪と、人間の弱さと残酷さが浮き彫りにされる物語である。

1978年製作/110分/日本

 

最後に親父をかばうシーン(´;ω;`)ウゥゥ↓

 

〇感想

『鬼畜』は、極限状況に追い込まれた人間が、社会的立場や保身のためにどこまで非道になれるのかを描いた作品。宗吉は、父でありながら子どもを守る責任を放棄し、事態を「なかったこと」にするために、我が子を排除しようとする。その行為は衝動的な狂気ではなく、日常の延長線上で選択された冷酷な判断として描かれる。

岩下志麻さんと小川真由美さんを両天秤にかけるとは、羨ましすぎる!!

しかし、子どもを三人も作った以上、その責任はあまりにも重い。


一方、子どもたちは親に捨てられ、💀されかけてもなお、親をかばい、父を「父」と呼ぶことすら拒むことで守ろうとする。特に利一の沈黙は、親子関係の歪みと、無条件の愛情が裏切られた悲劇を象徴している。親は鬼畜へと変貌し、子どもは人間性を最後まで手放さない。

本作が突きつけるのは、鬼畜性とは特別な悪人の資質ではなく、家庭や社会の中で容易に生まれうるという厳しい現実である。そして「親子」という最も保護されるべき関係が崩壊したとき、人間の倫理はどこまで堕ちうるのかを、静かに、しかし残酷に問いかけている。

 

〇鑑賞ポイント👍

本作の大きな見どころは、超美人の岩下志麻さん(本妻)と小川真由美さん(妾)による、息詰まる対決。
タイプの異なる二人の女性は、強さと弱さを宗吉(緒形拳)の前で巧みに出したり引っ込めたりする。そのたびに宗吉は右往左往し、完全に翻弄されていく。もっとも、元凶はすべて宗吉なのだが、情けなく揺れ動く姿は、同じ男として見ていて胸が痛くなるほど惨め。。。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

岩下志麻さんと小川真由美さんが見せる、あの冷え切った表情と突き放すような態度は強烈で、当時これを観たときには、思わず女性不信に陥りかけたほどである。(´;ω;`)ウゥゥ

首からタオルもまた美しい~岩下志摩さん、子供をだっこしている緒形拳さんww

奥に見えるのは、東京タワーで置き去りにされる娘ちゃん。(´;ω;`)ウゥゥ

 

岩下志麻さんは綺麗すぎる分、表情が冷たくなった瞬間の迫力が凄まじく、

思わず身がすくむほど怖い。(能面?雪女?貞子?)

 

救いは当時21歳くらいの〝優しい婦警さん〟大竹しのぶさん。

おお!癒される~、観音さんや~(^^♪ なんまんだー、なんまんだ~

以上

 

正直、鑑賞前からこうなることはだいたい分かっていた。
選択肢には映画『アバター』もあったが、

あのキャラクターデザインがどうしても無理で、観る気にならない。
一作目だけは話題に乗っかって観たが、それで十分だ。

次に候補に挙がったのが映画『楓』。
スピッツの名曲のイメージに乗っかって、
内容以上に感動した気になってしまいそうで、正直ちょっと警戒している。

そして消去法。
ほぼ「他に観るものがない」という理由で、映画『新解釈・幕末伝』を選ぶことになった。
この時点で、結末はだいたい想像がついていた。。。

 

 

〇あらすじ

今から150年前、日本の未来を変えるため、のちに幕末のヒーローと呼ばれる男・坂本龍馬と西郷隆盛が立ち上がった。

革命的な出来事が繰り返される激動の時代を経て、物語はやがて260年続いた江戸幕府の終焉と、新しい<ニッポンの夜明け>へとつながっていく!

そこには、誰も想像し得なかった、<戦い)と<友情>の物語があった。

2025年製作/118分/G/日本

 

〇感想
この映画、完全に「監督のクセ」を楽しめるかどうかで評価が分かれる。
脚本も演出も、良くも悪くも福田雄一節全開。
ノリはもう、映画というより昔のテレビのドリフターズとか、かくし芸大会の長尺コント。
短いコントを細切れで観るならまだいいが、
これを映画として約2時間ぶっ通しで観るのは、なかなかしんどい。
ギャグは基本ワンアイデア勝負で、「はい次」「はい次」とテンポよく切り替わるなら成立するものが、映画尺になると間延びして、笑う前に疲れる。
 

しかも題材は、よりにもよって幕末。
人気も知名度もある時代を使っている割に、脚本はかなりチープで、歴史ものとしての厚みや説得力はほぼない。

ただ救いなのはキャスト。
主演のムロツヨシが相変わらず個性強すぎなんですが、そこを佐藤二朗、山田孝之、渡部篤郎といった面々がうまく薄めてくれて、「一人だけうるさい地獄」にならずに済んでいます。
この周辺キャストがいなかったら、途中で止めてた可能性は高い。

 

この二人が癒しになったのが救い???


そして問題の、監督がドヤ顔で語っている38ページにも及ぶ「薩長同盟」のシーン。
これが実質30分近く続くが……正直、冗談抜きで観るに堪えない。
笑いも展開も停滞していて、完全に自己満足ゾーン。

 

〇評価とまとめ

評価はC+
結論としては、劇場でお金と時間を使って観る作品ではない。
自宅でサブスク、しかも「ながら見」くらいがちょうどいい。
福田雄一監督の作風が大好きな人以外には、
あまり強くはおすすめできない一本。

 

※ちなみに現在(2025.12.19 18:11時点で映画.comの評価が1.8)

以上
 

観るつもりはなかったが、他人とは思えないフォルムのマ・ドンソク。それが理由で鑑賞した。

 

「悪魔祓い株式会社」は、悪魔祓いというオカルト要素とアクションを融合させたエンターテインメント作品として制作された映画である。主演にマ・ドンソクを据え、その圧倒的な肉体と存在感を前面に押し出した作風は、一見すると爽快な娯楽作を想起させる。しかし、本作はその期待に十分応えられているかという点で、評価が分かれる内容となっている。

 

 

あらすじ

表向きは普通の企業として活動する「悪魔祓い株式会社」は、裏では悪魔や悪霊に悩まされる依頼人を救う専門集団である。屈強な肉体を持つ主人公を中心に、個性豊かなメンバーたちが怪異事件に立ち向かっていく。悪魔との対決を通じて、彼らの過去や信念が徐々に明らかになっていく構成だが、物語自体は比較的シンプルで、アクション主導で進行する。

 

感想

率直に言って、主演のマ・ドンソクが暴れすぎており、全く面白さを感じられなかった。彼特有のパワフルなアクションは確かに見応えがあるものの、本作では演出や脚本とのバランスが取れておらず、単調なゴリ押しの展開に終始している印象が強い。

物語の緊張感や悪魔祓いという題材本来の不気味さ、スリルが薄れ、結果としてアクションの連続が冗長に感じられてしまった。

まとめと評価

「悪魔祓い株式会社」は、素材や設定には一定の魅力があるものの、主演俳優のキャラクター性に過度に依存した結果、作品全体の完成度を損なってしまった映画である。アクション映画としても、オカルト作品としても中途半端な印象は否めない。
評価:C

以上

映画『エディントンへようこそ』感想

 

映画をサクッと解説。YouTubeチャンネルの「サクっとシネマ」はここ↓

 

 

『エディントンへようこそ』は、コロナ禍でロックダウンされたアメリカの小さな町を舞台に、社会の分断と人間の不安が暴走していく様子を描いたスリラー作品。

物語の発端は、保安官と市長の些細な対立。しかしその火種は、SNSによる炎上、陰謀論の拡散、政治的対立と結びつき、やがて町全体、さらには全米規模の騒動へと膨れ上がっていく。
この過程が非常にリアルで、2020年前後のアメリカ社会を思い起こさせる。

本作が恐ろしいのは、明確な悪役が存在しない点。
登場人物たちは皆、それぞれ「正しい」と信じて行動している。
しかし、恐怖や不信、孤立が重なることで、対話は失われ、意見の違いは「敵意」へと変わっていく。

BLM*や陰謀論といった現代的な題材も登場するが、映画はそれらを肯定も否定もしない。
描かれているのは運動そのものではなく、言葉や象徴がSNSによって消費され、人々の感情を煽る“構造”そのものであった。

アリ・アスター監督らしく、不快さや居心地の悪さをあえて残した演出も多い。
観終わった後にスッキリする映画ではないが、その分、現代社会への問いが強く突き刺さる。

『エディントンへようこそ』は、アメリカの話でありながら、情報過多の時代を生きる日本の姿を映す鏡のような作品だった。

 

※「BLM」ブラック・ライヴズ・マターの略。いまだアメリカに根付く、黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える、強いスローガンを持った社会運動の総称。

〇評価とまとめ
評価は B。
とはいえ、日本ではあまり馴染みのない集団暴動や深刻な人種差別といった描写については、やや実感しづらい部分もありました。
そのため本作は、アメリカ社会の背景や当時の実情を、ある程度予習したうえで観ると、より深く理解できる作品だと感じます。

以上

〇映画『タンポポ』あらすじ

雨の夜、タンクローリー運転手のゴローとガンは、さびれたラーメン店「来々軒」に立ち寄り、店主タンポポと出会う。店の味に課題を感じたタンポポは、二人に弟子入りを願い出て修行を開始する。ゴローらは特訓の一環として、食通の「センセイ」や、偶然救助した富豪の老人とその運転手ショーヘイを紹介し、タンポポの味づくりを支援する。さらに、かつてトラブルになったピスケンも決闘を経て協力者となり、店の改装を引き受ける。

 

脚本、監督は「お葬式」の伊丹十三、出演は山﨑努、宮本信子、役所広司、渡辺謙、安岡力也、

加藤嘉、桜金造、大滝秀治、黒田福美、橋爪功、大犮柳太朗、岡田茉莉子

1985年製作/115分/日本

〇感想

1980年代半ば、日本が経済的に豊かになったことで「より美味しく、より健康的な食」を求める

風潮が強まり、グルメブームが形成された。
その流れを後押ししたのは各種メディアであり、1983年にはグルメ漫画『美味しんぼ』が連載開始して大ヒット。

1985年には伊丹十三監督の映画『タンポポ』が公開され、多様な料理を描いた作品として国内外で評価を受けた。さらに1993年にはテレビ番組『料理の鉄人』が放送開始され、著名料理人による

対決形式で人気を博した。
こうした漫画・映画・テレビの連続的なヒットが、日本のグルメブームを本格的に生み出した。

 

その中でも80年代グルメブームに拍車をかけたのが映画『タンポポ』。先日、久しぶりに鑑賞した。

やっぱり面白い、安定した面白さ。あれだけ鬼リピしている映画ではあるが、いまさら気が付く事が多くあった。以下

 

「タンポポとゴローの焼肉デート」

とにかく主人公・タンポポ(宮本信子)が可愛い。

ラーメン修行が一区切りついたタンポポが、焼肉屋で達成感と安心感からゴロー(山崎努)に甘えたい気持ちを素直に表したシーン。ゴローはその気持ちを受け止め、ねぎらいの言葉で応えている。

この時のタンポポが可愛い。

 

タンポポ「ねえ、あたしよくやってる?」
ゴロー「よくやってるよ」
タンポポ「えらい?」
ゴロー「えらい、えらい」

 

 

「餅を掃除機で吸いだす」

老人(大滝秀治)蕎麦屋で、これまで愛人に禁じられていた天婦羅そば、鴨南蛮、お汁粉のすべてを注文する。

ところが、お汁粉の餅を喉に詰まらせてしまい、居合わせたタンポポたちに助けられる。

礼として彼らを自宅に招き、スッポン料理でもてなしたうえで、ショーヘイ(桜金造)をラーメン開発の仲間に迎え入れる。

 

老人役の大滝秀治が餅を喉に詰まらせ、掃除機で吸い取られるという、いかにもコント風の展開が実に可笑しい。
公開当時、大滝秀治はおよそ63歳で、私は20歳前後。映画に登場する人物のほとんどが自分より年上だった。それから約40年が経ち、気づけば映画の中の登場人物たちの年齢に追いついた。あらためて見ると、皆どの人物も魅力的だとしみじみ感じる。

 

 

「理想の朝ごはん」
ゴローはピスケン(安岡力也)との決闘で負傷し、そのままタンポポの自宅に泊まる。翌朝、彼はタンポポから朝食をふるまわれる。その献立は、
・炊きたての白いご飯
・きゅうりのぬか漬け
・焼き魚
・しっかり練った納豆
・豆腐の味噌汁
といった、昔ながらの質朴な和朝食である。
当時は“朝牛”や“朝マック”が主流だったが、今振り返るとこうした食事こそ理想的で、毎朝でも食べたいと思える。

以上

京都駅前をフラフラ~(^^♪

新幹線に乗るまで少し時間ができたので、久しぶりに京都駅前を散策してきました。
今回紹介するのは、京都駅八条口から徒歩約8分のところにある2軒のお店です。


◆ Meat Shop 辻一

気づけば、いつの間にかコロッケ屋さんができていました。
小学生の頃、学校帰りに肉屋のコロッケ(たしか25円?)を買い食いしていたのを思い出します。

今回はコロッケ(1個100円)を購入。
店員さんによると、油はラードとほかの油をブレンドしたものを使用し、コロッケはすべて自家製とのこと。
注文を受けてから揚げてくれるので、5分ほど待ちます。

ひと口食べると――
「うーん、サクサク! 甘めの具が美味い!」
昔ながらの優しい味わいでした。

コロッケ以外にも、トンカツ・ビフカツ・ミンチカツ・牛串・チューリップなど

メニューはいろいろ。

 


◆ カタパン屋(亀井商店)

続いて、辻一のすぐ隣にある「カタパン屋(亀井商店)」さん。
こちらも京都駅八条口から徒歩約8分の場所です。

今回見つけた3種類の商品はこちら:

  • まるぱん 180円/柔らかく、パンケーキのような食感

  • さんかく 180円/中が半生でしっとり

  • かたぱん 190円/とにかくハード! 歯が欠けそう!

今回は「まるぱん」を購入。
食べてみると、甘いせんべいのような味わいで、

まるでせんべいが乾燥する前のような不思議なお菓子でした。

   

シンプルな店内。


◆ 最後に

どちらのお店も、昔から地元で愛されている雰囲気が漂う“地元密着型”のお店でした。
ちょっとした空き時間の散策にぴったりのエリアです(^^♪

 

夜は東寺のライトアップへ・・・。

 

バスから南座を見る。

以上

本作は太平洋戦争時、ペリリュー戦の史実を忠実に下敷きにし、登場人物や個別の物語は創作したアニメ作品です。

本作の鑑賞前に知っておくと、物語がぐっと深く理解できる「予備知識」も解説します。
 

 

〇映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』あらすじ 
1944年(S19年)の太平洋戦争末期。
南国の美しい ペリリュー島で激戦が始まろうとしていた。
主人公・田丸均(21) は漫画家志望の日本兵、
戦死した仲間の最期を「美談」として遺族へ伝える役目である
功績係を任されていた。

アメリカ軍の猛攻と軍事力、日本軍は飢え・渇き・病気によっては追い詰められてゆく、
田丸も “いつ死ぬか分からない”極限状態へ落ちていく。

現実の死の惨状と、功績係としての“綺麗な物語を書く任務”の板挟みに苦しむ田丸。
そんな中、同期の 吉敷佳助(よしき けいすけ)だけが、心の支えとなっていた。
2人は互いに励まし合いながら、戦争の狂気と理不尽の中で必死に生き抜こうとする――。

主人公・田丸役を俳優の板垣李光人、その同期・吉敷役を中村倫也が担当。
2025年製作/106分/PG12/日本

 

映画をサクッと解説するサクッとシネマはここ↓

 

〇解説
過去から史実に基づいた日本もからむ戦争映画はいろいろと製作された。
そのほとんどが有名な「ミッドウェー海戦」「沖縄戦」「真珠湾攻撃」などが題材でした。
本作はあまり知られていない「ペリリュー島の戦い」を題材にしています。
ストーリー自体はフィクションですが、戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティで描いています。
史実の空気感や兵士たちの心理が強く反映されているため、戦闘の背景を知ることが非常に大切です。本作の予備知識としてペリリュー島の戦いの背景を説明します。

■時代背景:大東亜共栄圏
日本は明治から急速に近代化し、アジアの大国としての地位を確立しました。
日本政府がアジア諸国と協力して提唱した大東亜共栄圏構想は、欧米列強の植民地支配からアジアを「解放」し、日本を中心とした共存共栄の経済圏を築くとする主張で、1931年の満洲事変から満洲(現在の「中国東北地方」(モンゴル、ロシア、北朝鮮なども一部はいっている)・東南アジア、インド、オセアニアまでを含む広域構想へと発展した。
1889年の大日本帝国憲法の制定以降、軍事大国としての台頭が進んだが、最終的には、1945年の第二次世界大戦での敗北により、大日本帝国は正式に終焉を迎えました。
本作の時代背景としては、1944年頃の戦闘を描いているので、第二次世界大戦の終わりの時代です。終戦間際です。

■ 舞台:ペリリュー島とは?
パラオ諸島の小さな石灰岩の島(全長約10kmほど)。 
島の大部分がジャングルと険しい石灰岩地形(アンガウル石灰岩)で、洞窟が多く天然の要塞となっており日本軍は地の利を生かした戦闘を繰り広げる。

更に、島内には日本軍にとって重要な4の文字が印象的な「飛行場」があり、
アメリカ軍はこれを無力化するために侵攻した。これが戦いの目的。
米軍はフィリピン奪還のためにも、このフィリピンに近い飛行場が欲しかった。
“ペリリュー島の美しい自然”と“異様な戦場”の落差を対比させています。

■なぜ「最悪の戦場」と呼ばれた理由
● 日本軍の新たな戦術「持久戦戦術」を採用
日本軍守備隊は従来の「海岸で撃退する戦術」を捨て、
頑丈な洞窟陣地に籠り、最後の一兵まで抵抗する今までにない
“徹底持久戦”を採用しました。

そのためアメリカ軍は島内部を一歩一歩を慎重に進まなければならず、
油断すると隠れた場所から攻撃を受け、「長くて4日間」の短期攻略の予定が2か月以上の泥沼戦となりました。計画が遅延した。
その為、アメリカ海兵隊にとっても最大級の犠牲が出た。
* 上陸初日から機関銃や迫撃砲による激烈な砲火にさらされ、多数の死傷者が発生。
* 海兵隊の中では「もっとも無意味で悲惨な戦い」として語られることもある。
劇中でも台詞であった「終わりが見えない地獄感」を史実の背景から読み取れる。


〇解説と感想
■島の“美しさ”と戦場の“地獄”の対比
ペリリュー島は太平洋でも有数の美しい島ですが、
その青い海、明るい空、鮮やかなジャングルの中を疲弊し、
恐怖に満ちた表情で進む日本兵たちが描かれています。
そして実際の戦いは 太平洋戦線でも最悪レベルの流血戦 でした。
この「自然の美」と「戦場の地獄」のギャップが本作では史実の“残酷な矛盾”を象徴的に実写ではなく、柔らかな曲線のアニメで描いています。

■史実に基づく洞窟陣地に籠る兵士たちの息苦しさ・閉塞感
本作アニメで感じたことは
・洞窟の暗闇での生活の描写で湿気、酸欠、悪臭を感じ、
その洞窟の出入り口を容赦なく狙う米軍の砲火の恐怖。
日本軍はペリリューで海岸決戦を捨て、洞窟・トンネルを利用した持久戦(防御戦術) を採用しました。そのため兵士は、日光が届かない、酸素不足、避難も自由にできない、砲撃の衝撃で常に揺れる、といった極限環境に置かれており、作品はこの史実を忠実に反映しています。

■主人公・田丸の「絵を描きたい」という衝動
・恐怖の中でもスケッチをしようとする主人公・田丸。
彼は日々スケッチをしますが、島の美しさと、戦火にいける恐怖を同時に見てしまう視点が画家としての才能であり、ジレンマを感じた。
ペリリューには実際に 従軍画家(トム・リーなど) が参加しており、「地獄の中でも見たままを描こうとする姿勢」が記録に残っています。
また、多くの日本兵が画家、大工、学生、会社員など、召集前には“普通の生活”をしていました。
田丸の描写は、普通の人が軍人になる前の「人としての自分」を失わないようにもがく姿そのものです。

■米軍の圧倒的火力による島の破壊
島全体を揺らす艦砲、ジャングルが焼けて灰になる、地形そのものが変わっていく描写
ペリリューは艦砲射撃、ナパーム弾、連日の空爆により、島の地形が変わるほど破壊されました。
しかし日本軍は洞窟に籠っていたため、アメリカ軍は「火力だけでは崩せない新しい防御戦術」として驚異的に見えたのです。アニメではこの「火力と地形のせめぎ合い」を強調しています。

■物語後半の“長期化する戦闘”
「戦いの終わりが来ない」感覚、そして日々(戦闘、病気など)消えていく仲間たち、
食料、武器の補給が途絶える恐怖、どんどん精神的に追い詰められる兵士たち。

ペリリュー戦は当初、米軍は「数日で終わる。長くて4日」と予測していました。
しかし実際には 2か月以上の泥沼戦 になり、
日本軍も「生きて帰れないことを理解した上での戦い」でした。
本作はこの「長期化する絶望」 を、人物の心情として非常に丁寧に描いています。

■ “ゲルニカ”というタイトルとのつながり
「ゲルニカ」とはピカソの反戦絵画。
美しい島=“楽園” が、戦争で“ゲルニカ”のような地獄に変わる
という象徴を原作のテーマとして重ねています。

焼けたヤシの木、崩れた洞窟、白骨化した遺体、美しい海が血に染まりそこに浮かぶ死体など
これらの表現の多くが、“楽園が壊されていく過程”としてゲルニカ的イメージに繋がっています。
※絵画「ゲルニカ」
ドイツ空軍のコンドル軍団によってビスカヤ県のゲルニカが受けた都市無差別爆撃(ゲルニカ爆撃)を主題としている。20世紀を象徴する絵画であるとされ、その準備と製作に関してもっとも完全に記録されている絵画であるとされることもある。
発表当初の評価は高くなかったが、やがて反戦や抵抗のシンボルとなる。


〇評価とまとめ:『楽園のゲルニカ』は“史実の心の部分”を描いた作品
B+

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』は、戦史そのものではなく、戦場で揺れ動く「兵士の心」 を中心に描いた作品です。その多くのシーンは史実の、島の地形、洞窟戦術、長期化した消耗戦、美と地獄の混在しています。
あまり語られてこなかった「ペリリュー島の戦い」を、アニメーションという多くの人が受け取りやすい表現方法で描いたのは、本作ならではの強みです。重く残酷になりがちなテーマも、アニメ化することで“伝えるべき想いを確実に届ける作品”に仕上がっています。

以上
 

 

■『鬼平犯科帳 兇剣』最新情報 ― 放送・配信・劇場先行上映

「鬼平犯科帳」シリーズを手がける日本映画放送株式会社は、松本幸四郎主演の最新作 第7弾『鬼平犯科帳 兇剣』 を、2026年1月10日(土) に時代劇専門チャンネルで放送・配信すると発表した。

今回は 全世界同時配信 も行われる。

メインビジュアルでは、松本幸四郎演じる長谷川平蔵と、親友・岸井左馬之助(山口馬木也)が刀を携えて並び立つ姿が描かれ、「この二人、死角なし。」のキャッチコピーが印象的。


左馬之助を演じる山口馬木也は、あの映画『侍タイムスリッパ―』でも存在感を放った実力派。シリーズ第1弾『本所・桜屋敷』以来の再登場となり、平蔵との再タッグにも注目が集まる。

ゲストとして、内藤剛志(京都西町奉行所与力・浦部彦太郎役)、渡辺いっけい(大盗賊・高津の玄丹役)らも出演する。

本放送に先駆け、12月にはTOHOシネマズ3館(日比谷・二条・なんば)で特別先行版の上映が行われ、劇場限定映像も追加されている。
また、12月9日(火)にはTOHOシネマズ日比谷で松本幸四郎による舞台挨拶も実施される予定だ。

 

■特別先行版『鬼平犯科帳 兇剣』
日程:2025年12月5日(金)~12月18日(木)
会場:TOHOシネマズ 日比谷・TOHOシネマズ 二条・TOHOシネマズ なんば
料金:一般1,800円 大学・専門1,500円 高校生以下1,000円 シニア1,300円 障がい者1,000円
※一部追加料金がかかる座席がある場合がございます
 
■【舞台挨拶】
日程:2025年12月9日(火)15時上映開始
登壇者:松本幸四郎(予定)
会場:TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12
料金:2,000円 プレミアムボックスシート 3,000円
イープラスにて11月18日(火)18時より販売開始
 ※詳細はTOHOシネマズHPまたは「鬼平犯科帳」公式サイト・公式Xをご確認ください。

最近では、大河ドラマ「べらぼう」で、歌舞伎俳優・中村隼人が演じる“鬼平”こと長谷川平蔵役にも注目が集まっている。まさに今、鬼平人気は再熱必至といえる。

 

前作の映画『鬼平犯科帳/血闘』の「サクッとシネマ」解説動画はここ↓

 

以上

何か貰えるハガキを手に、YouTubeで使うワイアレスマイクを買いに大阪資本の上新電機へ。

で、ハガキを店員に渡したら、

これを貰った。同じ大阪の企業であるサクラクレパスと上新電機のコラボ商品。

ひざ掛けに使える。

 

無事に目的のワイアレスマイクを購入したら、

ちょうど昼。

なので、餃子の王将で昼ごはん。

 

現在、毎年恒例の「お客様キャンペーン」開催中!(12月14日まで)

本日、そのスタンプが35個たまったので2026年度の餃子クラブカード(毎回5%引き)の取得更新と、スープジャーセットを貰いました。

 

会計のとき、少し前に3日間限定で配っていた250円割引券をたくさんもらっていたので、

それを使用。
合計金額からまず250円引き、さらに2025年度の餃子クラブカードで追加の5%引き!
太っ腹すぎるやろ!さすが庶民の味方・王将!
来年も餃子を食べまくる(〃艸〃)ムフッ

以上

 

 

 

上映館数が極端に少なく(北海道から沖縄までの全国33館)、

サブスク待ちでいいか!って思っていましたが、

思い切って京都の映画館まで足を運びました。

よかったー、無理して観にいった甲斐がありました!

メチャクチャくちゃ良かったです!最近のホラーの中ではベスト級!

 

予告編は「ネタバレ現金」としていますが、ネタバレ・レビューです。ww

 

💀注意!本作は映倫によるR18指定映画です。18歳未満は鑑賞不可です。

〇あらすじ

コメディアン、脚本家、監督、俳優として多彩に活躍し、監督作『バーバリアン』(2022)で高い評価を得たザック・クレッガーが、監督・脚本・音楽を務めたホラー作品。

 

静かな郊外の町で、水曜日の深夜2時17分、17人の子どもたちが一斉にベッドを抜け出し、暗闇へ走り去って姿を消す。行方不明になったのは、同じ学校のある教室の生徒たちだけだった。なぜ彼らは同じ時刻に、理由もなく集団で失踪したのか。

 

疑いが集中する担任教師ガンディは、自身の潔白を証明するため残された手がかりを追う。しかし、失踪事件をきっかけに町では不可解な現象が連鎖し、住民たちは次第に狂気へと沈んでいく。

 

物語は複数キャラクターの視点から語られ、モキュメンタリー風の演出が不気味さを強調。アメリカ公開後は、観客による考察がSNSで爆発的に広がり、スマッシュヒットとなった。出演はジョシュ・ブローリン、ジュリア・ガーナー。

2025年製作/128分/R18+/アメリカ

 

サクッと映画を紹介するYouTube「サクッとシネマ」の解説はここ↓

 

〇感想

いまハリウッドに欠けている要素が詰まっている映画でした。

それはオリジナリティです。

このホラーは今までありそうで無かった描写と独自の物語の展開が秀逸です。

突如として一つのクラスから17人の子供が消えた。それも一人の子供を残して・・・。

ナゼ一人だけ残った?

子供はどこに?

なぜ夜中の2時17分に消えた?色々なことが頭の中に巡ります。

そして同時にチープなエンディングは止めて!という不安も横切る。

 

しかし、複雑怪奇な物語をR18(子供は観たらダメ!)のゴアシーンを織り交ぜながら徐々に伏線を全て回収し観客の満足度を上げている。

よくある〝何度か観てくれたら謎が解ける〟とか〝続きはパート2へ〟なんての興行収入を上げようとする陳腐なことはしない。

一回こっきり、一期一会な気合の入った覚悟が気に入った!

 

以下ネタバレ(レベル1)

登場人物が一癖も二癖も三癖もある強者ぞろい。

ストーリーに沿って紹介する。

17人の消えた子供を巡って、親たちは学校に対して

「いったい、どんな教育をしたんだ!」

「うちの子をどこに隠した!」と女教師のジャスティン(酒乱)と校長・マーカスにつめよる。

 

女教師・ジャスティン     校長のマーカス

 

その親の一人であるアーチャーは、執拗に女教師のジャスティンを監視し子供の居場所を突き止めようとする。そして女教師の車にペンキでウィッチ(魔女)と書く始末。

親代表のアーチャー

 

そんな中、警官・ポールは女教師・ジャスティンと不倫中で、偶然薬中兼、浮浪者が犯罪を犯そうとするところに出くわす。しかし逮捕時の過剰な暴力のため口止めし釈放する。

警官のポール

 

しかし、薬中兼、浮浪者のジェームズは、釈放後すぐに、勇逸行方不明にならず残った

生徒のアレックスの家へ侵入する。

そこでジェームズが見たモノは!?

浮浪者兼、薬中のジェームズ

 

ネタバレ・レベル2

それは、硬直した両親と、地下室で催眠状態の行方不明の17人の子供たちだった!

次から次へと先が読めないストーリーと、個性的なキャラクターによる群像劇!

更に映倫から成人映画に指定されるほどの残虐シーンが恐怖のどん底へ観る者を陥れる。

なぜ17人のこどもたちは、アレックス自宅の地下で昏睡状態なのか?

さらに両親までも・・・・?

 

それは、アレックスの伯母を名乗る謎の人物グラディス。

グラディスは、病気治療を理由に家へ住み込むが、徐々にアレックス一家を支配していく。

また謎の儀式を繰り返すほど若返っていくように見え、不気味な存在感を放つ。

アーチャーとジャスティンは、アレックスの家へ向かうと、家には塩の結界と武器化された人間たちが潜んでいた。

そして映画は誰も想像しなかった驚愕のラストを向かえる!

 

唯一、行方不明にならなかったアレックス少年と、魔女のグラディス。

 

ネタバレ・レベル3(最終ネタバレ)

監視役のアレックス少年が逆に謎の儀式を行ったことで、地下室の17人の子供たちがターゲットをグラディスとし追跡する。

そして、17人のウエポンズ(武器)となった子供達は、グラディスに追いつき。

全員で噛みつき、引きちぎり、見る影もなくバラバラにしたのであった。

グラディスが死んだことにより、グラディスの呪いを掛けられた人々は徐々に正気に戻った。

そして、この事件は大人の判断で隠蔽され世間に知られることはなかった。。。

  

センスが光るポスターたち。

 

〇評価とまとめ

A-

最近、いや過去から観た映画の中で上位に食い込む面白さでした。

ハラハラ、ドキドキの謎解きの要素が強いホラー映画。

音楽の使い方も映画を盛り上げるので、是非、高音質、爆音で鑑賞していただくため映画館での鑑賞をおすすめします。

以上