◆華やぐ「会話美人」は何処へ… | 児玉千恵子アーカイヴ

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わが国に「既製服のフィッター」を誕生させたパイオニアとして知られ
VMD改善実地指導で売れるCS空間を創る「売場の庭師」とも呼ばれている
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 その昔、百貨店は、人、モノ、空間、文化催事などあらゆる面で華やいでいた。
 核家族化、少子化社会といった時代の移り変わりへの対応が背景にあるとはいえ、商品は効率重視で百花繚乱とは言えないから、選択肢が狭くなったのではないか。

 また「華のデパートガール」と言われた頃のように、「パッ」と花が咲いたような、お客さまを退屈させない「会話美人」や、「☆☆小町」と言われるスタッフが少なくなってきているようだ。

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 ユーザーの一人として百貨店は、いつも「文化とハートの香り」がして、「ときめきのアロマ」が漂っていて欲しいと願っている。
 坪効率が悪い商品でも「文化とアロマ」があれば並べておくことでマグネット力を発揮してくれるから、他の売り場へと流れたお客さまでも、別の商品を購入していただける可能性だってある。

 家族全員で来店されても、各々の欲しい物が揃っていれば時間のムダも省けよう。
 一方、パーソンに関しては、商品の専門知識については長けているが、お客さまにとっては、どうでも良いような事まで説明をしたり、反対に本当に知りたがっていることに答えられないスタッフに出くわすことも多い。
 例えば、ニット類の売り場。手に取られたセーターの編み地について、柄のデザイン名称(アーガイル・ノルディック・アランセーター)を知りたがっているお客さまに、「こちらは、平編みやパール編み…うんぬん」という類のトークをしても、的のはずれた応対になってしまう。
 また、紺のジャケットを試着されたお客さまに、「ベーシックな紺がお似合いですね!」では「感情表現」が乏しく説得力に欠ける。
 「なぜ、どういう理由で、自分に映えるのか?」をきちんと伝達してもらうことで、顧客心理は「確信から購買決定へ」と傾くことになる。
 素材を例にあげるなら、お客さまは、繊維組織(平織・綾織・朱子織)よりも、手にされた商品の物性・特性(手触りや、ハリ・コシ・落ち感)とか、クリーニングや洗濯の仕方、お手入れや保管の仕方に興味を示してくださるケースが多い。
 近頃、プロ集団であるはずの現場スタッフが、暮らしに根ざした応対ができないことも増えている。
 都内にある百貨店の家庭用品売り場でのエピソードだが、昨秋「ハロウィンパーティ」向けのVMD演出用に、黄・橙・黒色の麻ナプキンを購入した。

 居合わせた二、三人のスタッフに、「ハロウィンには、なぜ、この三色が多用されるのか分かる?」と問いかけたところ、他のメンバーからも「シラー」とした冷たい視線を浴びせられた。
 閉店間際で、人影が少なかったので、Gケースの上で、おもむろにナプキンのたたみ方を三パターンほど披露したところ、皆の瞳が尊敬の眼差しに変わった。
 この類の事例には事欠かないが、小物やアクセサリーを扱い、率先してスタイリング提案をしているにもかかわらず、欧米の老舗ブランド(例えばエルメスなど他)の多くが、スカーフの縁回りを、表側に巻き込んであることを知らないスタッフが多い。
 いずれにせよ、信頼していただけるための、スキル向上の引き出しは沢山あるから、優先順位の見極めも検討課題と言えよう。

〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
「ストアーズレポート」連載記事より

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