香川県土庄町「沖之島」 | ドルフィン企画~瀬戸内海クルーズのご案内~

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ここでは、主に瀬戸内海の隠れた観光素材を情報発信してゆきたいと思っています。

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瀬戸内の情景を表すイメージソングの全体王者として君臨してる「瀬戸の花嫁」
その後いくつかの歌謡曲がこの世に出まわろうとも残念ながら「瀬戸の花嫁」を凌ぐ瀬戸内イメージソングは誕生していない…

そのパワーソングのモデルとなっていると言われている島が、小豆島の属島である「沖之島」だ。
ちなみにWikipediaによると「沖之島モデル説」はあくまで説の1つにしかすぎず、尾道から今治へかつて存在した瀬戸内海汽船が運航していた鉄道連絡船航路(通称西廻り航路または津島線)の水中翼船から眺めた情景ともいわれているそうだが、これでは私が生まれ育った付近の情景になってしまうので面白味が無い…(笑)

沖之島モデル説の有力な理由は、なんとも旅情をそそる渡し舟が運航されている事だと私は勝手に思っている…
瀬戸内海の生まれ育った島からさらに小さな島へ嫁いでいく花嫁の舞台として、この小さな渡し舟がイメージにピッタリなのだ。

しかも、この「小さな渡し舟」は沖之島にとって重要な役割を果たしている代替の無い生活航路である。
瀬戸内海に有人離島が150程度あると言われているが、定期航路の就航していない有人島と観光地として実質無人島になっている島を除けば、松山市内で運航している「三津の渡し」と同等サイズの船が就航している離島定期航路は他には無い。
つまり「瀬戸の花嫁」の舞台設定のイメージに合う定期航路が他には存在しないのだ。
(恐らく歌詞中での嫁ぎ場面では実家や近所の人の漁船を使用したのだと勝手に推測するが…)

そんな沖之島へのアプローチは「渡船乗り場の近くに駐車場が無い」というハードルの高さから車を使って港へ行くことができないので、港近くのホテルに泊まってから翌日歩いて渡船のりばへ向かった。(帰りは数少ない路線バスを利用)
味のある看板が道路端に無ければ、民家に挟まれた狭い路地の先にある港にはたどり着けないひっそりとした「渡船のりば」
狭い漁港内を結んでいるので、対岸の沖之島まではあっという間に着いてしまった。

渡し舟の船長さんに「島内散策は長くても1時間程度」とアドバイスを受けたがまさにその通りだった。
典型的な漁村集落が小豆島へ向けて主に展開しており、車社会ではないので路地も狭い。
集落を抜けるとサンポート高松(高松港周辺)まで見渡せる眺めの良い場所に手作り感満載の公園が整備されていた。
その公園の先にも少し民家があり、山へ向けては墓地が広がっている。
あまり標高の高い山が無い島なので、北西季節風の当たらない場所を選んで集落が形成されていったようだ。

瀬戸内海の島嶼部共通問題である過疎高齢化がこの島でももれなく進行しているようだが、驚いたことにまだこの島には子どもがいるようで小豆島の学校へ通っている痕跡が見受けられた。
そんなこともあってか、目下この沖之島には小豆島との架橋工事が進行中で、完成すれば恐らく瀬戸内海における最後の離島架橋になるのではないか?と勝手に思っている。
その架橋工事現場も中之島側の渡船乗り場から一望できるが、工事現場は全て漁港内で終結しており、今まで橋が架かっていなかったことが不思議に思えるほど小豆島との距離は近い。
聞くと子どもは1人だけで、その子も小学校を卒業したので小学生のいない島になったそうだ。
橋が架かる頃には中学生もいない島になってしまいそうだ…

小豆島側の渡船乗り場では、地元で栽培している唐辛子をガチャガチャで販売していた。
辛さの中にもコクがあってやみつきになる味わい深い唐辛子だった。