すでにお伝えしておりますように、願望を現実化する力には大きな個人差があり、そういう能力を表す概念、その個人差を説明する理論が存在しなかったので、A Iを駆使して研究した結果、一連の脳機能のネットワークの存在に行きつき、MQ(Manifestation Quotient)という新しい概念を作り、その機能の高さと障害を特定するための診断フォームを開発しました。
MQ(Manifestation Quotient)は、「願望実現力」 または 「現実化力」 を表す英語表現であり、2文字目がQ となるように作成された略語です。IQ、EQ、それに最近話題のAQ(Adversity Quotient)・逆境指数とは、部分的には重なることがあっても基本的に独立した因子であることも分かりました。
そしてすでに無料診断フォームをご利用いただき、一部無料カウンセリングを通じて聞き取り調査も行った結果、浮かび上がってきたことがあります。
それは、多くの人に共通して、批判への恐れ、失敗に対する恐れ、孤立することへの恐れの3つが大きな抑圧要因になっていることです。
今現在限られたデータの範囲では、1・励まされて育ったグループがスコアが高い傾向があり、2・放任されて育ったグループは高い人と低い人の両極端に分かれ、3・否定されて育った人は少数の例外を除き、全般的にスコアが低い傾向があり、最もスコアが低かったのは、過干渉されて育ったグループ、となりました。
しかし、明らかに生まれつきの個人差というものがあります。同じ親、仮定環境で育てられてもきょうだい間で全く違う場合が多いからです。
上記のうち、1・励まされて育ったグループでスコアが高いのは普通に考えて納得がゆく結果ですが、2・の放任は、親が単に忙しかった場合、親が子供に関心がなかった場合、親のポリシーであえてそうしていたが遠巻きには見守られてはいた場合では全く意味が違ってきますし、親以外に頼れる相手がいた場合とそうでない場合でも違ってきます。
3・の否定されて育ったケースでも、親の考えがネガティブだった場合、意地悪だった場合、厳しくて要求が高かった場合などで全く意味が違ってきます。
ただ4・過干渉に関しては、日本だけではなくアメリカでも増えていて問題になっているようで、ジュリー・リスコット・ヘイムス という著者が、「大人の育て方 ——子どもの自立心を育む方法」という著書の中でその弊害の大きさについて述べています。過干渉で過保護な親をヘリコプター・ペアレントと呼ぶそうです。
そういうわけで統計化は難しいと思いますが、間違いなく言えるのは、育てられ方によって、ただ、潜在意識に「思い込み」ができるというだけでなく脳の発達に明らかな違いが生じるということです。
親によって性格も価値観も千差万別ではあるのですが、少なくとも日本人の親たちの場合、自覚の有無に関わらず、共通性の高い教育方針が潜んでいたようにも思います。これは教師たちにも共通しているのではないでしょうか?
それは、「お行儀よく、規律正しく、我慢強く」「できるだけ100点満点に近づける」という方針です。
これを読んでどう感じますか? 当たり前で正しいことだと感じますか?
「できるだけ100点満点に近づける」ということは、あらかじめ正解が決まった問題をできるだけ間違えないで解くということです。失敗や誤りを避けるということでもあります。
あらかじめ正解が決まっていない問題に対して、考え抜いて自分なりの答えを出す力とは異なります。
おそらく、ずっと古いルーツを辿ると、村社会において、人目を気にしてルールを守り、個を抑えて全体に従う、突飛なことをしでかして失敗や批判を招き、村八分にされるようなことは絶対タブーというような考え方があったのではないかと思います。
それが戦後、産業社会の発展とともに、ピラミッド構造の底辺でルーチンワークをを支える規律正しく我慢強い労働力を大量生産する必要性が生まれ、産業資本主義に組み込まれていったのではないでしょうか?
それは、質の高い均質な労働力として、日本製品の品質の高さを支え、国際競争力となって日本の産業発展を支えたと考えられます。
しかし、質の高い均質な労働力の多くはロボットに置き換えられ、特にバブル崩壊以降は、斬新なものを生み出しイノベーションを推進する力、または、似たようなものを安く生産する力が世界を席巻するようになりました。
これが、日本経済が停滞に向かった隠れた要因だった可能性があります。
では日本人の特質として、マニュアル的な正確さはあっても創造性が低いのでしょうか?
そんなことはありません。古くは、鉄砲と天麩羅がわかりやすいのですが、外来のものを元に、独自に進化、洗練させるということにおいて他に類例がないのです。だから食文化においてもアニメにおいても今でも日本は世界に多大な影響をもたらし続けているのです。
ロボットに続きAIがルーチン化された労働を置き換えつつある今、日本人の思考の基盤も大きく変わる必要が生じていると思われます。「お行儀よく、規律正しく、我慢強く」「できるだけ100点満点に近づける」に代わるのは「チャレンジして、アイデアを育てて、粘り強く」「新しい可能性を探す」という思考なのではないでしょうか?
「我慢強く」と「粘り強く」というのは一見似ていますが大きく違います。「我慢強く」とは欲求を抑え込むことです。それに対して「粘り強く」とは、意欲を持続させることです。脳の使い方が異なるのです。
幸い、脳、神経系というのは幾つになっても成長し、変化することができます。
そしてMQ(Manifestation Quotient)という新しい観点に基づいて、潜在意識を書き換え、脳を育て直すという取り組みはもう始まっています。
あなたも、自分の人生の新しい可能性にチャレンジしませんか?