願望実現力の違いは脳の使い方にあった | 人間の潜在的能力の解放・鈴木清和

人間の潜在的能力の解放・鈴木清和

超深層心理レベルから人生のステージアップをサポートします。カウンセラー、セラピスト歴は28年です。

 

人間の心には夢や願望を実現する力があると言われます。

 

世の中には、「引き寄せの法則」はじめ願望の実現に関連した著書が満ち溢れています。

 

それらの中には、現実的な内容のものもあれば超自然的な力を示唆するもの、近年では、それを「量子力学」で説明しようとするものもあります。

 

総じて、夢や願望を実現する力のことを「願望実現力」という言葉でくくります。

 

すると明らかに「願望実現力」には大きな個人差があることは明白です。

 

その違いについてもまた、自己肯定感の違いだとか、いろいろな説明がありますがどうも釈然としませんでした。そこで私は、脳のどういう器官のどういう機能が願望実現に関係しているかという観点で研究してきました。

 

特に注目したのは、f-MRIという装置を使って、脳のどこが活性化しているのかと、その人がどういう現実を体験しているのかを関連づけた研究です。

 

もちろん願望実現には様々な脳内器官、機能が複雑に関係していますが、その中で、指揮者のような働きをしている器官がわかりましたが、多分その名前は、聞いたことがないと思います。

 

それは、内側側頭前皮質という器官で、略称では、mPFCと書きます。

 

紛らわしいのですが、内側前頭前野、略称でMPFCとは別物です。ですが、これもまた重要な器官で、お互いに連携して学習、記憶、意思決定、感情調節、自己報酬など、様々な高次機能に関与しています。特に目標を設定しそれに向けて感情面を含めて自己をコントロールする上で重要です。

 

研究によると、自分が興味のある分野の仕事をしている人は、そうでない人に比べて、mPFCの活性度が高い傾向があります。

 

一方、指示やマニュアルに従い、好きでもない仕事を我慢してこなしている人は、mPFCの活性度が低い傾向があります。

 

また、逆境的小児期体験、いわゆるトラウマの影響を強く受けている人はmPFCの体積自体が小さく、活性度が低い傾向があることがわかりました。

 

これはある意味、残酷な気がします。

 

幸福な人間はますます幸福になり、不幸な人間はますます不幸になるということが脳の研究からも示されているようなものだからです。

 

しかし一方で、人間には生まれつき能力や才能に大きな差異があって脳の作り自体が違うというよりも、脳のどの機能を使っているのかが違うのだという理解ができます。

 

スマホにもパソコンにもものすごくいろいろな機能がありますが、私も含めて限られた機能しか使っていないと思います。

しかし、ある時、今まで使っていなかった機能を使ったり、無料で使えるサービスを使ってみたらものすごく便利だったので、使うようになったという体験をすることがあります。

 

今、私はCHAT-GPTとかGeminiといったAIにハマっていますが、これらを使うのに難しい知識は必要ありません。

 

普通に人間に話しかけるように質問したり、指示をすれば作動します。

 

人間の脳も同じようなもので、言葉を使って作動させることができるのです。

だから、ふだん口にする言葉、心の中で使う言葉が重要なのです。

 

そして、mPFCを活性化する言葉を数多くピックアップしました。

 

例えば、チャレンジ、アイデアを育てる、賛同を募る、自己肯定などの言葉は、mPFCを刺激すると考えられます。

 

ところが、こういう言葉に対して、むしろ不安や恐怖、抵抗感が出てくる場合があります。

 

それは、扁桃体が活性化して恐怖や不安、嫌悪感などを発生させてmPFCの活性化を阻止してしまうからと考えられるのです。

それはスキーマとか禁止令がそうさせているのです。

 

私は2022年の時点で、生きづらさの原因になるスキーマだけでなく、限界を越えようとした時に作動してブロックになるスキーマの存在を認識し、リミット・ブレイク・ワークというコンセプトを開発しました。

 

この時はモチベーションを司る脳の中の線条体という器官の働きに注目したのですが、今度はmPFCの働きに注目して、願望実現力を高めるプログラムとして、リミット・ブレイク・ワークⅡを開発し、導入する計画です。

 

質問フォームの回答から、その人が内側側頭前皮質を活性化するために、より多く生活に取り入れる事柄をアドバイスしたり、不快な感情、反応を引き起こすスキーマや禁止令、メタ認知信念といったものを探り出して、それを解消する、個人セッションと脳活性化コーチングをパッケージにしたプログラムの開発に繋げることを考えています。

 

ACTの応用、意味付けネットワークの特定と解消、そしてリミット・ブレイク・ワークⅡの導入、リバティ心理学・精神科学は進化を続けて

います。