自作小説 「機械」 エピローグ その1 「虹」 | どうも、ドクロ家DEATH!

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ


世間は、もう七月を迎えたというのに、ぐずぐずと 雨は降ったりやんだりを繰り返した

「天使を呼ぶ機械」をめぐる、出来事から一週間がたとうとしていた

オレは、アナを連れだって M王病院に来ていた












アナは、お見舞いのリンゴを器用にくるくると、皮をつなげたまま剥いていた

そ~~~っと リンゴをつまもうとして、手を叩かれた

「ニジさんのでしょ!!」

オレ達は、ニジさんの病室で、彼女のお世話をしていた











幸いなことに、彼女は、その体の崩壊をまぬがれた

キズは快方に向かい

胸に埋め込まれた「機械」は、とりのぞかれた


ただ

彼女の記憶と感情は、心のずっと奥の方へ 沈みこんだ

彼女の心は、深いねむりを求めたのだ












「さて・・と」

「午後から、検査があるって言ってたから 私は一度家に帰って晩御飯をつくっとくよ」

「なに食べたい?」




オレは即答した「カツカレー・チーズたっぷりトッピング!!」





「ええ~~?またぁ~~~?」

アナは、あきれながら

「ダイエットとか考えないの~?」





「けが人なの!オレは!!」

「なおすのには、カロリーがいるの!!」とつっぱった





「まあ、そんじゃあ 買い物もしなくちゃ・・・・」

「あ、そだ!」

「帰る前に、にじさんの体を拭いといてあげよ」

「検査だし」





「ん!! オレ手伝う!!」




バキっ!!




「痛い!!」




「あんた、先に帰んな!! エロがっぱ!」

アナのツッコミは、オレがスタンドを身につけてから、強くなっていく一方だ











「じゃあ・・・オレは、ちょっと寄り道してから帰るよ」

病室を出ようと ドアに手をかけた時




「くすっ」




と、小さな笑い声がきこえた




ふりかえると

ベッドに寝ている にじさんの口元が

すこしだけ

ほほ笑んでいるように見えた














オレは

病室のドアをしめ、廊下の窓から 外を見た

M王町の空に

大きな

美しい

虹がでていた












オレは思った

にじさん・・・は 帰ってくる・・・













夏が

夏が、はじまろうとしていた







エピローグ その2につづく