自作小説 「機械」 決戦・ 急 その12 | どうも、ドクロ家DEATH!

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小説「機械」


最終話「今 二人が空にむける機械は」 


前篇








にじさんは、哀しい瞳で言った

「受け入れてくれたなら・・・なにも苦しむことはないのに・・・」

そして、その体に埋め込まれた「機械」を止めた









なんさん、ミコシさん、たまねぎさんは それぞれが持つ

常人を超越した力で、自身のキノコ化に抗っていた

その苦しみは、想像を絶するであろう

機械が止まった今でも、三人は横たわり頭を押さえ もがき苦しんでいた









にじさんは、ゆっくりと歩き始めた

ステージの階段を上り、ボクチンと部長の横をとおりすぎる









こんな・・・

こんな小さな女性が

たった一人の女性に

一万人の人間が、人知を超えた究極の力を持つ超人のような 三人が

なすすべもなく、その姿を醜いキノコ人間へと変えられようとしているのだ









ボクチンは、部長を運び ステージ前の客席に座らせ

そして にじさんと向かい合った









(小説「機械」プロローグより)

まさか、またこうして会うことなるとは、あの時は思いもしなかった









にじさんは、さらに深い悲しみの色をたたえた瞳で

ボクチンに向け 語った









「これでもう、だれにも止められない ・・・」

「あの人の・・・」

「哀しい あの人の思いを私が・・・私がとげてあげるの・・・」









ボクチンは、ごりっぺとの戦いで死力をつくしきり

立っているのもやっとだったが

それでも、向かっていくしかなかった


「こんなことをして、キミを愛した部長にまで手をかけて」

「何になるって言うんですか?」









にじさんの目に涙が浮かんだ










「あなたには分かりません」

「雨露さんは、私を止めてくれなかった」



「私の苦しみを救ってくれた『あの人』のために」

「私は、すべてを捧げたのです」




どうも、ドクロ家DEATH!









「でも!そのせいでキミは、あらたな苦しみに耐えなければ

ならなくなったじゃないですか?」










「私自身でも、おされられない この・・・あふれる感情」

「それもまた、今 こうして機械を動かす為に必要・・・」

「これもすべて、彼のために」

「かわいそうな彼のために 役に立ってあげられるの」












どうも、ドクロ家DEATH!


「私は 今・・・幸せなの」











にじさんは表情を一転させた

「雨露さんは私を止められなかった」

「止めてくれなかった」

「そのせいで・・・私は」









にじさんの中で、あらゆる種類の感情が乱れ舞う

「あなた・・・ ドクロさん、あなたの愛する人を手にかけてしまった」

にじさんの瞳から大粒の涙がこぼれおちた









「やはり・・・にじさん キミがアナをキノコ人間に・・・」









「ごめんなさい・・・ゆるせなかったの」

「気持ちが止められなかった」


「私には、もういないのに・・・」

「『彼』は もう、いないのに」


「あんなに仲良く 幸せそうに暮らしているアナタたちを見て」

「抑えられなかった・・・」









にじさんの瞳の色から

深く優しい青の色が抜け落ち



黒に変わった









「でも、安心してください ドクロさん」

「あなたも、雨露さんも みんな みんな」

「すぐに」

「アナさんと同じ」

「苦しみのない、安らかな世界に送り届けてあげます」










にじさんは、そういうと

両手を大きくひらき、目をつぶり

自身から嵐のようにうみだされる、すべての感情を解放した










それに呼応して、彼女の胸で回り始めた「機械」は

どんどん、そのスピードをあげ

にじさんの発した感情の渦を吸収し始めた










この「機械」がエネルギーの増幅を終わり


あらゆる負の感情の塊「マガツヒ」を放出したとき









ボクチンたちは・・・全滅するのだ











「や・・・やめろ!  にじさん」


「やめろーーーーーーーーーーーーっ!!」












つづく