自作小説 「機械」 決戦・ 急 その11 | どうも、ドクロ家DEATH!

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きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ


罠・・・だったのだ・・・






ボクチンは部長を抱き上げる

「部長!! 部長っ!!」







ステージに広がる血の赤とは、逆に

部長の顔色は、真っ青になっていく

部長は、よわよわしい声で

「ド・・・ドクロさん」

「ごりっぺさんに・・・勝ったね・・・」








「部長! 今 そんな・・・

ボクチンは、花道の方をふりむき 必死の思いで仲間たちの姿をさがした

だが

その三人も様子が、おかしい

なにか・・・

もだえ苦しんでいる・・・ような?

いや、まちがいなく苦しんでいる!









ミコシさんの式神「御死子」は、その姿を消し

分身していた なんさんは、一人に戻っている

タマネギさんは、ホウキを取り落とし

全員が頭を押さえ 苦しんでいる









これ・・・この苦しみ方は・・・









『機械』?

機械から発っする波動をうけた人たちと・・・同じだ!


なぜだ・・・

機械は今

制御する人を失い、作動していないのに・・・









その答えは、すぐ分かった

ニジさんのフリをし、部長を騙し 刺したクッキー

クッキーが、ステージを降りていった先に

ステージ最前列の座席の前に









クッキーのとなりに

いつのまにか もう一人 女が立っていた










その女は、すらりと伸びた白い指を三人の方へ かかげあげている

よく見ると、女の胸の部分が、異様な形状で盛り上がり

蠢いていた








ボクチンの腕の中で、部長が言った

「カナ・・・さん  そこに・・・居たのか」









それは、ニジさんだった

クッキーとは逆に 真白なドレスをに身をつつんでいる










ニジさんは隣にいるクッキーに

「ありがとう・・・もう、大丈夫」

「ごりっぺさんの治療を、お願いします」

と、頭を下げた


クッキーは、その言葉を待っていたとばかりに うなずき

ごりっぺの巨体を抱えたまま、駆けだした









ニジさんは、ゆっくりとこちらを向き

哀しそうな瞳で部長を見て、言った











「すべては・・・罠」


「この機械は・・・ニセモノ」


「このステージも」


「武道館に集まってもらった 『あの人』のファンの皆さんも」


「すべて 雨露さん・・・あなただけを倒すために用意した」


「罠・・・なのです」











ニジさんは


「本物の『機械』は、此処にあります」


と言うと 自分の胸元に視線を移し


ドレスの胸元のボタンをゆっくりと・・・はずし


大きく開いた











そこには、ステージにある ニセ「機械」の中心部にあったのと同じ形状の


三つの円柱が、青白く光りながらくるくると回っていた



どうも、ドクロ家DEATH!










小型だが、これこそ本物の『天使を呼ぶ機械』・・・が











ニジさんの胸に

真白い肌に










直接「埋め込まれ」ていたのだ













ボクチンは、ゴクリと息をのむ

「そ・・・そんな・・・」









やはり、ボクチンは、あっていたのだ

「機械」は、持ち運べるほど小型化されていたのだ









今、部長が倒れ

誰も防御することも 抗うこともできない

悲しみや憎悪 怒りや寂しさ あらゆる感情を伴ったエネルギーの波動が


ニジさんの胸の「機械」から ボクチンの仲間に向けて発せられていたのだ









部長が倒れ

仲間たちが、波動にさらされ キノコ人間として変態を始めた今

もはや チーム「なんと」には・・・

ボクチンには・・・










ニジさんを









『機械』を止めるすべは・・・・残されていないのであった











つづく





次回

物語はクライマックス

「天使・降臨」を乞う ご期待