*今回の小説を始める前に
いろいろあって悩んだけど
最後まで、書くと決めたことを お許しください*
ボクチンとごりっぺの因縁の対決が終わった
どんな卑怯な手を使おうが勝つ!
これこそ主人公の由縁・・・
なわけもなく
後味のわるい感を残しながらも、ボクチンは、まあ 勝ったのだ
そうだ・・・仲間たちは!?
いそいで振り向き見る
部長は消耗が激しいようで、タマネギさんに肩を支えられながら
スタンドの力を発し続けている
ミコシさん、なんさんは、ほとんどのキノコ人間を倒し
残りのキノコ人間を追い立てていた
ボクチンは皆に向けて、右手を高く掲げあげ
「勝ったよーーーーーーー!!」と叫ぶ
部長が、すこしほほ笑んだのが見えた
あとは・・・
ニジさんを止め、『機械』を破壊するのだ
ボクチンが仲間たちから、視線を戻そうとした時
ドサリっ!という音がした
そこには、髪を振り乱し 機械のコンソールを叩き続けていた彼女の姿はなかった
ニジさんも力を使い果たしたかのように、コンソールのイスからステージの床に倒れこんでいたのだ
「カナさーーーーーーーーん!!」
ニジさんが倒れ 機械が停止したことを知った部長が、一人駆けよってくる
ああ・・・これで・・・
やっとニジさんは部長のもとへ、戻れるんだ・・・
物語は・・・ハッピーエンドで終わるんだなあ・・・
・・・と
普通は思うのだろう
が、ボクチンはなぜか、このステージを見てから 払拭できない違和感を
理由は分からないが、大きくなっていく不安を募らせていた
部長が、倒れこんだニジさんに近づくほどに
だんだんと
なにかが・・・たりない?
ボクチンは、その違和感を押しこめるべきでは、なかった
ボクチンのすぐ横を駆け抜けようとする
部長を引きとめるべきだったのだ
次の瞬間 目にとびこんできた光景を
どれほど後悔してもしきれなかった
崩れ落ちたニジさんを抱き上げた
部長の背中から
ギラリと輝く5本の刃が
するどく尖った細長い刃が
部長の体を貫いて
背中から突き出ていたのだ
ボクチンは、この刃を覚えていた
バー「なんと」の襲撃で、ボクチンめがけて突きだされた
クッキーの爪の刃だったのだ
ゆっくりと部長の体から、刃を引き抜いたクッキーは
立ち上がり
カツラをとり 投げ捨て
無造作に 部長を床に転がすと
倒れていたごりっぺを抱え上げ
ステージ下まで歩きだした
「ぶ、部長ーーーーーーーっ!!!」
ステージに横たわった部長の体から
血が
流れだす血が止まらず
部長の白衣は、見る見る真っ赤にかわり
ステージの上に血だまりが、ゆっくりと広がっていった
つづく