自作小説 「機械」 決戦・ 急 その9 | どうも、ドクロ家DEATH!

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ



「だが断る」









ボクチンは、ごりっぺに向かって にこやかに言った









「・・・・」


一瞬、ごりっぺは唖然とするが

すぐに言葉の意味を理解しおわり











「バカがァァァァァァっ!!」


ごりっぺは、憤怒により鬼のような形相で、ボクチンめがけてつっこんできた

右腕を振りかぶり、地を這うほどの大きなスイングで、凄まじい勢いのアッパーをはなった










ボクチンは姿勢を低くし

両手を内側に向け、顔の前でそろえて組んだ後

体中の筋肉に、あらんばかりの力をこめる

ボクチンが尊敬してやまない「超人」


『キン肉マン』の鉄壁のガード方法

「肉のカーテン」だっ!



どうも、ドクロ家DEATH!









ゴオオオオオオオッ!!

ごりっぺのコブシがうなりをあげる!










くる!!











「ウオオオオオオオオッ!!」

ボクチンは雄たけびをあげながら、ごりっぺのパンチを受ける!











ガゴォォォオオオン!!

にぶい音がホールに響く











次の瞬間











この物語 何度目か、もう分からないぐらいだが

ボクチンは・・・・飛んでいた

ごりっぺのパンチは人知をこえた威力を発揮し












M王武道館メインホールのステージ天井にぶら下がった 大きな大きな照明に

ボクチンを体ごと ぶちあてた











ガチャアアアアアアン!!

とぎれそうになる意識の中で、ボクチンはつぶやく

「やばい・・・死ぬ・・・」











落下しながら

衝撃に備え、体にのこりわずかしかない 力をこめる












ドグチャア!!

ボクチンはステージの床にたたきつけられる

われながら、グロい音が響いた











それにしても、なぜボクチンは、これだけのダメージをくらって生きていられるんだろう?

なぜ、こうして意識があるんだろう?

さきほどの ごりっぺの疑問がボクチンにうつったようだ










そんなことを考えながら、よろよろとふらつきふらつき、立ち上がり ごりっぺのほうを向く












ごりっぺは、まるで 

「ハエタタキで叩いたのに、まだ這いずりまわっていやがる・・・ゴキブリがっ!」

というような表情でボクチンを見下す

そして

冷たい口調で言う

「部長の修行・・・見せてもらいましたよ」

「ゼータさんから連絡を受けていたので・・・」

「ひどいものですね・・・時代錯誤もはなはだしい・・・」

「あんなくだらない修行で・・・私を倒せるとでも思ったのか?」











ごりっぺは不快さを隠そうともせず、はきすてるように言う

「畑をたがやして?」

「ジャングルをはいずりまわって?」

「なんのつもりですか あれは?」









ううう・・・たしかに・・・

たまねぎさんの修行は、うけた本人のボクチンでさえ

それによって、なにが身に着いたか わからなかったので

くやしいが、ごりっぺに言い返せない










「警戒してコソコソ見ていた自分がバカでしたよ」

「途中で場所をかえたようだが、バカらしくてそれ以上は、ついて行くきがしませんでしたね」











ごりっぺの言葉をボクチンは、頭の中で何度も反芻した

ごりっぺは・・・

あの修行を見ていた

けど・・・

ラストの島でおこった出来事は

見て

いない・・・










これは・・・

ボクチンは頭の中で、起死回生のプランを

猛烈な勢いでシミュレートし始めた









・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・












これは・・・もしかしたら・・・・いける!?

ボクチンは一つの賭けにうってでた











ボクチンは

ゴリッペに向けてありったけのニラミとドスをきかせ

言葉をはなった












「ごりっぺよう・・・」

「人間のスゴさってのはなぁ・・・」











「どうにもできない 絶対勝てないような相手でも」

「それでも立ち向かっていく、勇気の素晴らしさ なのよっ」














「かなわないって思っても」

「それでも 自分の力で、向き合っていくんよ」

「誰かに、ポンって強くしてもらって それで勝ったからって」

「・・・何になる?」










ボクチンは、一切 目をそらさずごりっぺに向け、言葉をはなちつづける

「あの修行を見ていたと、言ったが」

「どうしてバカにできるんだ・・・?」



「一つ一つが ごりっぺ・・・オメーを倒すために」

「丁寧に積み上げた・・・ボクチンの力になっているんよ」



「なんで途中で帰った?」



「最後の修行こそ、ボクチンが自分の力で、チミを倒すために」

「死を乗り越えて、手に入れた究極の技」



「チミは・・・見ておくべきだったんだ・・・」












ごりっぺは、ボクチンの言葉の一つ一つに動揺をしながらも答える

「哀しい虚勢ですね・・・」

「いまだ キャラを崩さぬ姿勢は賞賛しますが・・・」

「やはり、あなたはハッタリばかりだ!」












ボクチンは、つぶっていた目をゆっくりとあけ

「ごりっぺよ・・・今から」

「今から、見せてやる・・・」











ボクチンは

口の中にたまった血をまとめて吐き捨て

両手を大きくまわし

胸の前で組み合わせ

合掌のポーズをつくる

そして

深く深く呼吸をする










「まず・・・呼吸を特別な方法でコントロールすることにより 人体に眠る強大な力を

最大限以上にひきだす」

「これは、ジャングルで石をさがす修行により」

「まわりの気配だけでなく、おのれ自身の体の中の「力の流れ」を意識することによりなしえたものだ」









「次に・・・」

「手だけで、畑を耕すことにより、おおいなる大地を感じ」

「体内で高めた「気」を」

「鍛え上げ、研ぎ澄まされたコブシを叩きこみ、相手の体の中でいっきに炸裂させる」










「それが・・・たま仙流 最終奥義・・・・」


「うそだとおもうなら・・・」


「受けてみろ!!ごりっぺ!!」














「そ、そんなことがあるわけ・・・!」

ごりっぺは、あきらかに動揺している












もう・・・もうひとおしだ

ごりっぺの性格を丁寧に考慮して・・・

言葉を選び

釘をさすんだ













「ごりっぺ・・・ボクチンはもう、ガス欠寸前だ・・・」

「この技を外したとき、ボクチンは倒れる」


「チミが見限って捨てた・・・人間が本来もっている力・・・」

「チミが信じる『機械』が与えてくれた力で、はねかえすことができるか?」


「怖ければ・・・よければいい・・・」

「それで、チミの勝ちだ」


ボクチンはいじわるく、ほほえむ











ごりっぺは真っ赤になって叫んだ

「だれが逃げるか!! 来い!!」

全身に猛烈な力を込め、両目から抑えきれない闘志をあふれださせている












・・・

かかったな・・・

ボクチンは、心の中でガッツポーズをする



そして



乾坤一擲!













「たま仙流 最終奥義!」

「ハアアアァァァァァァッ!!」

ギリギリと弓を引き絞るように

コブシをひねりこみながら 腰だめし









一気に!!


「たまねぎ無双拳!!」


ごりっぺの胸板に


最後の気合いをこめた奥義のコブシを叩きこんだ














だが













ごりっぺは・・・倒れなかった


逆に

体中の力を使い果たし

ごりっぺに倒れかかったのはボクチンだった










自力で立つことができず、もたれかかるボクチンを

ごりっぺは、ささえながら

「やはり・・・部長・・・そんな技は、なかったのじゃないですか」

「哀しいですが、効いてはいないですよ・・・」










ボクチンは、すこおしだけ 体をごりっぺから離し

言う

「ごりっぺ、ボクチンのところへ」

「玉ねぎ部に・・・帰ってこい」











ごりっぺは「何を言っているのか理解できない」という表情で

「な・・・あなたはまだ・・・何を言って・・・・」













その瞬間












バリバリバリバリイイイイイイーーーー!!!















ごりっぺの体に強烈な 電流が駆け巡る!


「グッガアアアアアアアアア!!」

「そんなバカなあああああああああああああ!!」


ごりっぺの体は、車にはねられたかのように、ドンッ!とはねあがり

叫び声をあげ、立ったまま

気を失った










つん!

ボクチンが指で押すと、簡単にごりっぺの体は崩れ落ちた












ふう・・・・なんとか切り抜けられた・・・

よかった・・・ごりっぺがたんじゅ・・・・純粋な奴で





さんざんハッタリをかまして

口からでまかせ

嘘八百ならべたてて

ごりっぺがよけないよう、おぜんだてまでして・・・・

なんとか・・・生き残れた!













ボクチンは、アヤさんのスカートから持ち出した

超強力スタンガンのスイッチを切り

誰にも見られないように、ズボンのポケットにねじ込んだ




どうも、ドクロ家DEATH!












まあ・・・思うに



たまねぎさんの修行は、確かに身に付いた物があったのだ


それは


「どんな卑怯な手を使おうが、生き残ってやる!!」


という


執念であったのだ











つづく












次回は「死が二人を分かつ時」

乞う ご期待