自作小説 「機械」 決戦・ 急 その13 | どうも、ドクロ家DEATH!

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ

小説「機械」


最終話「今 二人が空にむける機械は」 


中編







今まさに、このM王武道館の中に居る、ボクチンを含めた全ての人に向けて

にじさんは、「機械」を使おうとしていた








胸に埋め込まれた「機械」は、うなりをあげて回り続ける

機械から放たれている青白い光は、加速により変化し 輝く白色に変わっている









機械から、あふれだした力が、大きく開いた にじさんの両腕に伝わり

まるで、白鳥が広げた翼・・・のように闇の中を広がっていく

ステージ上に

力が

目では見えない力場が広がっていくのが、ボクチンにも分かる










そしてにじさんの体は、ゆっくりと上方にスライドし、床から

にじさんがはいていたヒールが、離れる


にじさんが・・・ふわりと

重力から解放されたように

M王武道館、メインホール ステージ上空に「浮き上がった」











「美しい・・・」

絶望的な状況と裏腹に、その姿は まさしく、機械によって召喚された


光り輝く翼の『天使』

そのものであった



どうも、ドクロ家DEATH!










「まさに・・・」

「天使を呼ぶ・・・」

「機械・・・」

ボクチンは、もはや あらがう気を失い

すべてをゆだねてしまおうと、ゆっくりと目をつぶった












「・・・・・・・ん」

「・・・さん」











なにか、きこえる




「・・・クロさん」




「ドクロさん・・・ダメだ」











声が

部長の呼ぶ声がきこえた










はっ!!っと

観客席の方をふりむくと 部長が刺された傷を片手で抑えながら

もう片方をホボクチンのほうへさしだし

立ち上がっていた










そんな・・・あのキズで・・・・

部長は、ありったけの気迫を込めて叫んだ

「だめだ!」ドクロさん!諦めないで!!」


「君なら・・・」

「ドクロさん、君なら だいじょうぶ」

「仲間たちを・・・にじさんを・・・君が救うんだ」










部長の口から血が・・・

部長は、かまわず

「自分を・・・自分を信じるんだ!!」










部長・・・・

部長

部長!!










ボクチンは、生まれて初めてかもしれない

部長の 

他人の言葉を一切疑うことをせず 従った

自分を信じたのだ










それは、ボクチンの中に居る「なにか」が

本能が?

外に飛び出そうとして、ボクチンの心を

そのように自分でしむけたのかもしれない










ボクチンは、にじさんの胸の機械から発っせられた波動に

正面から向かい合った









あらゆる種類の感情・・・の暴風雨が

ボクチンの頭に、脳に吹き荒れる

「ううううう・・・あああああーーーーーーーっ!!」

い、いたい!頭が!!

流れこんでくる!!










その感情の一つ一つに にじさんの記憶が織り込まれている



父親と行った釣り・・・大きな魚を釣って大喜びした時のこと

『彼』の曲に感動して、涙を流した時のこと

初めて機械でキノコ人間を作り出してしまった時のこと

『彼』が、にじさんの前から去って行った時のこと











あらゆる感情が 記憶をともない映像として ボクチンの頭へ

たえまなく雪崩のように流れ込んでくる


「うううう・・・あああああーーーーっ!」












だが、ボクチンは、あらがうことをしなかった



すべてを・・・受け入れる



にじさんを・・・受け止めるんだ!!











突然

本当に突然ボクチンは理解した



このためだったのだ



たまねぎさんの修行・・・

命ギリギリまで追いつめられた アヤさんの修行・・・



それは、ボクチンの精神を極限まで鍛え











この力・・・

「スタンド」に目覚めさせるように・・・だったのだ










「ボクチン」・・・


・・・いや


「オレ」の背中から


力が発現されるのが、分かる


何十年も前からの古女房の名前をよぶかのように


オレは、自分のスタンドの名前を初めて叫んだ















「ファットボーイ・スリム!!」
















体のすべての細胞が分裂して二つになるような

もちろん、そんな経験はしたことないが


俺の背後に、もう一人の

いや

本当のオレが立っていた


「そばに立つもの」

・・・「スタンド」













それは

ぴちぴちのTシャツにジーパンを着て

左手にたばこを

サングラスの目元の下に にやにや笑いをうかべ

じつに見苦しい 金髪の


・・・少年だった




どうも、ドクロ家DEATH!





ただひとつ目をひいたのが

そのふとっちょの子供の背中に

まっしろい、うつくしい翼があることだ











これが・・・オレのスタンド・・・

実はガッカリした

部長やゼータさんのスタンドはかっこよかったのに・・・










オレはスタンドに向かって言った

「いっしょに闘ってくれるか!?」











スタンドの少年は、それに答えた

「ボクチンにまかせなYO!!ボーイ!!」

ファットボーイは、にんまりと笑い 中指を立てた












こ・・・こいつ・・・・











だが、我がスタンド ファットボーイスリムの力は

この状況を打破するのに足りた









この物語において オレは、何度も何度も

殴られ

蹴られ

激突し

何メートルもの高さから墜落し

普通ならまちがいなく、死んでしまう打撃をうけ

それでも生き残ってきた

それも


子供のころから、打たれ強さを武器として ケンカにあけくれていた

それも




すべては、自分では気付かなかった

この

ファットボーイスリム の能力のおかげだったのだ










ファットボーイスリムの能力は

自分に向けられた、衝撃・熱・精神力・呪い

あらゆる種類のエネルギー

あらゆる種類のダメージを受け止め

吸い込み 食べつくし

無効化するのだ










オレは「行くぞ!!」と

二人の自分に気合をかけると

にじさんに向けて歩き始めた











凄まじいエネルギーの暴風雨の中を


「全てを破壊する サイコキネシスの嵐の中を傷つきながら 破壊されながら、フェニックスに歩み寄っていく ウルヴァリン」のように



どうも、ドクロ家DEATH!







一歩、また一歩と進んでいく!










にじさんもまた、その力の放出を強めた

機械に吸収され、増幅された感情のエネルギーは、まるで吹雪のように密度をもち

一気にオレとファットボーイにたたきつけられる








ファットボーイが無効化しきれなかったエネルギーが

オレの脳に変化をうながす








オレの体の端から

少しずつ

肌が・・・キノコの皮に変わっていく








「WOOOOOOOOO!!」

ファットボーイが叫んだ!

エネルギーを吸い込むパワーをさらにあげた

これなら・・・いける!









もう、お互いにあと一歩づつ踏み出し

手をさしだせば、届くほどの距離に

二人の天使が近づいた









「にじさん・・・もう、やめるんだ!」

「部長のところへ帰るんだ!!」










ニジさんはビクリと体を揺らす

その瞳から一筋の涙が










「私は、私はもう、どこにも・・・もどれない」

「もう、どこにもいくところがない」

「せめて、あの人の思いだけは・・・」

「私だけは、あの人を信じてあげるの!」












筋肉少女帯「機械」 *カバー










にじさんの涙のひとすじが、いきなり

音をたてずに 裂けて ひびわれにかわった




それは、『彼』がバンド時代に好んでしたメイクと同じだった




どうも、ドクロ家DEATH!









にじさんの体が、膨大な力の放出により崩れていく

体中に裂け目ができ

そこから、光がもれだしている









「や、やめろ! もういい!」

「もういいんだ!にじさん やめるんだ!!」









オレは、なんとかにじさんに近づこうと、スタンドのパワーを

最大限にあげようとする

一歩・・・もう・・・一歩

あと・・・すこし・・・・だ













にじさんの体から、あふれだすエネルギーは、さらに密度をあげ

形をかえる









それは、まるで

空から落ちてきた

天使の翼のように ふわりふわりと舞い踊った



どうも、ドクロ家DEATH!








これは・・・

にじさんが放つ感情は、さらにその強さをましたが

今までの物とはちがう










これは、にじさんが『彼』に向けた感情











愛!










人が人をここまで強く思うことができるのか!?

にじさんが発する 愛の感情は

発現したばかりのオレのスタンド ファットボーイスリムの力を超えて

吹き荒れた!










オレだって 負けられない・・・

仲間が・・・アナが・・・

「帰る場所があるんだーーーーーっ!!」











その時











武道館のメインホールにみちあふれた

にじさんが

機械が

発したエネルギーは





ゆっくりと

その流れを変えた




まるで竜巻がうまれるように

ゆっくりと渦を描いて

上昇・・・?していく










なにか・・・

なにかが

この武道館の上で動き出したことが

姿はみえないが

俺にも分かった

「な・・・なにが・・・?」










次の瞬間












武道館に満ちあふれた、全てのにじさんの想いは

哀しいエネルギーは

まさに一瞬にして

残さず、武道館の天井に吸い込まれてしまった











「きゃあああああああああっ!!」











にじさんが苦しみだした











にじさんの感情を生み出すスピードを

武道館の上?にいる「なにか」が吸い取るスピードが超えた










オレは、にじさんの元へ駆け寄って

にじさんを抱き上げる

「止めるんだ!にじさん!」

「機械を!止めるんだ!!」










にじさんの苦しみは増しているようだ

「と・・・とまら・・・」

「止まらない・・・の!」


にじさんの体の崩壊も進んでいく











「くっ・・・!」

オレは部長の言葉を思い出す

にじさんを

にじさんを救うんだ!!











オレは、凄まじいスピードで、にじさんの胸で回り続ける

機械に

回転する機械を

ガタガタ震えながら










掴み取った!!










ズババババババババッ

ギャッギャギャギャギャギャ!!

「うわああああああああああああああっ!!」










指が 手が 腕が

砕けて血が、肉がはじけ飛ぶ

だが、はなさない

はなすもんか!!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」












ボギンッ!!

機械の・・・なにかの部分が折れる音がした

オレの腕の中で

機械は、とてつもない熱と煙を吐きながら・・・止まった

しかし

にじさんのエネルギーの放出は、止まらなかった










「あああっ・・・・・!」

「す・・・吸われ・・・る」

にじさんの崩壊が止まらない!!












「そ・・・そんなぁ!!」

「に、にじさん!・・・にじさぁん!!」










オレの背中に ぽんっと

なにかが触れた

オレは、ふりむく

すると、そこにいたのは

信じられないことに













それは・・・雨露部長だった















つづく