「見れる・・・・んじゃないかなあ?」
「本物じゃないとして、みれるんじゃないかな」
「彼の研究は多岐にわたっていてね、脳科学だけじゃなく、興味がわいた分野には手当たり次第取り組んでたし、どの分野でも専門の学者が目を見張る成果をあげていたしね」
「これはぼくの想像だけど、たとえば、自分が思い描いた光景を被験者にみせる幻覚剤のようなものを開発したとして?」
それをつかえば天使を見ることができるんじゃない?」
「彼は研究者になる前はロック歌手だったから、研究のテーマがやたら、詩的な表現されてるんだよね」
「私、ファンだったの!」
なんさんがコーヒー豆を煎りながら、叫んだ
「いいよね~・・・おどろおどろしくて、はかなくて、鬱々として敵意とルサンチマンをむき出しで、中二の心をわしづかみするような・・・」
「水の~~~おくそこで~ひかる~~きみの~~~♪」
ミコシさんを遮りなんさんが歌う
「ええええ?研究者ってあの人なの!?」
「しらなかった?ドクロさん」
「ちょっと話がそれちゃったかな、彼の歌の歌詞を読んだらわかると思うんだけど、人間に向かう興味が半端ない人でね」
「愛情ともいえるかな」
「研究のすべてが、人の苦しみを救う・・・とか、人の悲しみを癒す・・・という方向に向かってるんだよね」
「天使を呼ぶことができるというなら、彼の研究も完成にちかづいてきてるのかもしれないね・・・」
つづく