部長は語りだした
「さっきは知り合いといったけど、一度学会で紹介されたぐらいで、彼自身とはそこまでのつきあいじゃないんだ」
「彼の助手兼身の回りの世話をしているのが、ぼくの恩師にあたる先生の娘さんでね」
「ニジさんっていうんだけど」
「彼女から連絡があってね、彼の研究の手伝いをしてもらいたいっていうんだ」
「で、知り合った当時の彼の研究テーマが脳科学に関するものだったから」
「ぼくも興味があったし、恩人の娘さんからの依頼でもあったので、つい安請け合いしちゃったんだよね」
「で、あとから詳しく聞いたらね・・・」
「どうも『天使を呼ぶ機械』をつくるっていうんだよ、その手伝をしてほしいっていうんだよ」
「おどろいちゃうよね、天使だってさ・・・ねえ?」
ふしぎな話だな・・・
「いるんですか?天使って・・・?」
「いないよ?天使」
「え、だって部長いつも妖怪は、いる、いるって熱弁をふるってるじゃないですか」
「妖怪がいるなら、天使もいるんじゃないですか?」
ミコシさんが「おおおおお!!」と嬉しそうに笑う
「いや妖怪と天使はいっしょにしちゃうのはどうだろうねえ」
「妖怪には正当な存在理由というものがあってだね」
「そもそもかの、水木先生曰く・・・」
「で!?みれるの?天使!」
すかさずなんさんがカットをいれる
妖怪を語りだすと部長はとまらない。
なんさんは、長年の付き合いでこころえている
(ナイスカット!なんさん!)と、目でサインをおくりながら
つづく