そう、それは
ミコシさんだ
「やあ、なんさん、どくろっち、おこんです~」
「おおお!部長までいらしてるとは、今日はついてるなあ!」
ミコシさんはM町で本屋を経営しながら、実家の神社の宮司をし、子どもたちを相手に書道の先生をしながら、素晴らしい日本画を生み出す画家でもあるという、マルチな才人だ
さらにもうひとつ裏の顔、仕事をもっているとなんさんや、部長ははなしていたが
くわしくきこうとすると、言葉巧みにはぐらかされる
「このバーに来るときは、いつもそのかっこだね、みこしさん」
「ピグコスプレ大会のときも京極堂コスでしたしね」
「かっこいいわよねえ~着流し、背筋がピンとはって美しいのよね、姿勢が」
「ミコシさんは京極夏彦大好きっ子だからね~」
なんさんがカウンターにもどりながら
「いつものでしょ?」ときく
ミコシさんがいつも飲んでいる、この黒い飲み物は、なんなんだろうか?
コーヒーではない
コーヒーよりもさらに深い色の黒い飲み物はまるで、周囲の闇を集めて淹れた
そんな、なにか怪しい飲み物のようである
まあ・・・
ミコシさんと、この飲み物は、このお話のストーリーにはあまりからんでこないのだが
つづく