研究開発費と繰延資産の違い
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研究開発費の会計処理についての疑問点
研究開発費は、全て発生した期に費用として処理します。
しかし、ここで疑問に思うことがあります。
研究開発費の特徴として、
- 多額になる
- 効果が将来にわたって発生する
という点が挙げられるとも考えられるからです。
研究や開発といった費用が少額で済むとは考えられません。
研究機関、研究員の人件費などを考えると多額になると考えるのが自然です。
もちろん業種にもよりますが、製薬会社などの研究開発費は莫大です。
また、効果が将来にわたって発生するともいえそうです。
いちど新しい技術が商品化されれば、その商品で将来に渡って利益を得ることができます。
このように考えていくと、研究開発費は繰延資産と極めて近い性質があります。
しかし、研究開発費は繰延資産のように「繰延資産に計上し、毎期償却を行う」という処理が認められていません。
この理由について考えてみましょう。
研究開発費と繰延資産の違い
先ほど、研究開発費の特徴として、
- 多額になる
- 効果が将来にわたって発生する
という点が挙げられるとお伝えしました。
実はこの「効果が将来にわたって発生する」という点に少々問題点があります。
確かに研究開発が成功すれば将来にわたって発生するといえるでしょう。
しかし、一般に研究開発が成功する確率は低いです。
ほとんどが失敗に終わるとも言えます。
研究開発費が発生した時点では将来の収益の獲得が確実ではないのです。
繰延資産は創立費と開業費なら会社ができれば、株式交付費は株式が交付されれば、社債発行費は社債が発行されれば、それで将来の収益に確実に貢献します。
この点で研究開発費は繰延資産とは違うのです。
また、研究開発がたとえ成功したとしても、近年は商品の性能向上のペースが速い(すぐにより性能の高い商品が出てくる)ため、長期間にわたって研究開発費が将来にわたって貢献するとも言えなくなってきています。
このような状況を踏まえると、研究開発費を繰延資産と同じように「繰延資産に計上し、毎期償却を行う」という処理を認めるのは適正とは言えないと言えます。
以上が研究開発費と繰延資産の違いです。
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簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」に興味がある方はリンクをクリックしてください。簿記3級独学合格講座(受験を終えて)第130回
昨日はメッセージとコメントを6件もいただきました。
ありがとうございました。
日商簿記検定を受験したみなさん、お疲れ様でした。
出来がよかった方、よくなかった方と様々だろうと思います。
受験した方のご感想、手ごたえ、次回への意気込み等、コメント欄にご記入いただければ幸いです。
どんな内容でも構いませんし、何級を受けたかも問いません。
ご気軽にご記入ください。
研究開発費の取引と仕訳
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研究開発費
の取引と仕訳についてお伝えします。
研究開発を行った
「研究開発のために300,000円を現金で支払った」場合について考えてみましょう。
現金で300,000円を支払っているので『(貸)現金300,000』となります。
これは問題ありません。
次は借方です。
研究開発のためと書いてあるので『(借)研究開発費300,000』となります。
まとめると、
(借)研究開発費 300,000/(貸)現金 300,000
となります。
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簿記3級独学合格講座(決意表明)第130回
いよいよ明日は簿記検定です。
この記事のコメント欄に今の決意を書きこんでおきましょう(受験級は問いません)。
今ならもれなく私の応援コメントがついてきます(笑)。
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健闘を祈ります。
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簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」に興味がある方はリンクをクリックしてください。研究開発費
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研究開発費についてお伝えします。
研究開発費
研究と開発を合わせて研究開発といいます。
研究とは、新しい知識の発見を目的として計画的に調査や探求することをいいます。
要するに大学などで行われていることです。
大学教授の仕事はおおむねこの研究と言えます。
開発とは、研究の成果を具体的なものにするためのプロジェクトなどをいいます。
研究だけでは具体的に商品やサービスにはなりません。
研究だけでは利益につながらないのです。
しかし、企業の活動として利益につながらないことをするのはまずいです。
当然、研究の成果をもとに利益につなげるわけです。
この利益につなげる活動を開発というわけです。
ちなみに、既存製品の修正や設計変更、失敗作の手直しや作り直しなどは研究にも開発にもなりません。
研究開発費の会計処理
研究や開発のためにかかった費用は、全て発生した期に費用として処理します。
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簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」に興味がある方はリンクをクリックしてください。繰延資産の償却年数
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繰延資産の償却年数についてお伝えします。
繰延資産の償却年数
繰延資産について表にまとめておきます。
| 資産名 | 内容 | 償却期間 |
|---|---|---|
| 創立費 | 会社設立のための費用 | 5年 |
| 開業費 | 会社設立後、営業開始前の費用 | 5年 |
| 株式交付費 | 株式を交付するための費用 | 3年 |
| 社債発行費 | 社債を発行するための費用 | 社債償還期間 |
このような感じです。
償却期間はきちんと覚えておかなければなりません。
償却期間が異なる理由
償却期間が5年だったり3年だったり社債償還期間だったりします。
この中で社債発行費だけが社債が発行している期間に効果が限られているので、償却期間を社債償還期間とするのはきちんと理屈が通ります(他の繰延資産は会社が続く限り永久に続きます)。
しかし、それ以外の繰延資産については償却期間がなぜ5年なのか、3年なのかについて明確な理由はありません。
ただ、なぜ5年なのか、3年なのかについて明確な理由はないですが、なぜ創立費と開業費が株式交付費より償却期間が長いのかについては理由があります。
この理由をきちんと理解しておくと償却期間も覚えやすいので理解しておきましょう。
創立費と開業費が株式交付費よりも償却期間が長い理由は2つあります。
- 発生する会計年度の違い
- 金額の違い
詳しく説明していきます。
発生する会計年度の違い
創立費と開業費は会社設立1年目に発生します。
それに対して株式交付費は会社設立後しばらくたって発生することがほとんどです。
この発生するタイミングの違いが償却期間の違いにつながります。
通常会社設立1年目から利益がきちんと発生することは少ないですし、利益になったとしてもその金額は小さい場合がほとんどです。
そのようなタイミングで多額の繰延資産を費用として処理してしまうと、大幅な赤字になってしまう可能性が高いです。
大幅な赤字は資金調達などの面で経営に悪影響を与えてしまいます。
そのため償却期間を長くとることで1年あたりの償却額を小さくし、利益に対するインパクトを小さくしようとしています。
それに対して株式交付費は会社設立後しばらくたって発生します。
また、増資をしようとする場合というのは利益がきちんと上がってさらに経営規模を大きくしようとしている場合が多いです。
当然会社設立1年目よりも大きな利益が上がっています。
このような状況であれば、1年あたりの償却額が多少大きくなっても、繰延資産の償却額で赤字になってしまうことは少ないと言えます。
そのため償却期間を短めにとって1年あたりの償却額が大きくなってもそれほどインパクトはないといえます。
金額の違い
創立費と開業費は株式交付費に比べると、より多額になります。
そもそも創立費の具体例は、
- 定款作成費用(定款…法人の決まり)
- 株式発行費(株式会社は株式を発行しなければならない)
- 登記費用(登記…法人を設立したことを記録すること)
などでした。
この中の株式発行費が増資における新株交付費になります。
となると、株式発行費以外の金額分だけ創立費の方が金額が大きくなります。
このように考えると創立費の方が株式交付費より多額になることは明らかです。
償却期間が同じ場合、金額が大きい方が1年あたりの償却金額も大きくなります。
利益に対するインパクトを小さくするためには金額が大きい方の償却期間を長くする必要があるのです。
逆に金額が小さい方の償却期間が短くても1年あたりの償却金額はそれほど大きくなりません。
そのため償却期間が短くても1年あたりの利益に対するインパクトは小さくてすむのです。
償却期間のまとめ
5年や3年という償却期間については覚えるしかありません。
しかし、どの繰延資産が長い償却期間でどの繰延資産が短い償却期間なのかについて理解で対応することができます。
数字は暗記で対応するしかないですが、理由についてできるだけ理解しておくといいと思います。
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簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」に興味がある方はリンクをクリックしてください。社債発行費の取引と仕訳
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社債発行費の取引と仕訳についてお伝えします。
社債発行費の支払
「期首に経営規模拡大のために社債の発行により資金を調達することにした。新たに社債を発行するために要した費用1,500,000円を現金で支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。
現金で1,500,000円支払っているので『(貸)現金1,500,000』となります。
次は借方です。
社債を発行するために要した費用なので、これは社債発行費にあたります。
よって、『(借)社債発行費1,500,000』となります。
まとめると、
(借)社債発行費 1,500,000/(貸)現金 1,500,000
となります。
社債発行費の償却
「決算にあたり、上記の社債発行費を社債の償還期間5年で償却する」場合の仕訳について考えてみましょう。
社債発行費は残存価額0の定額法なので償却すべき金額は(1,500,000÷5=)300,000円となります。
直接控除法で記帳することを踏まえると、仕訳は
(借)社債発行費償却300,000/(貸)社債発行費300,000
となります。
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簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」に興味がある方はリンクをクリックしてください。社債発行費
この記事には改訂版がございます。改訂版は社債発行費の取引と仕訳をご覧下さい。
社債発行費についてお伝えします(正確には社債発行費“等”なのですが、等の部分に入るものが簿記1級の内容なので社債発行費としています)。
社債発行費
社債を発行するときには色々な費用がかかります。
具体的には、
- 社債募集のための広告費
- 金融機関や証券会社への取扱手数料
- 目論見書の印刷費(目論見書…社債の説明書)
などがあります。
社債発行費の考え方
社債発行費は社債を発行するための費用です。
普通に考えれば支出時に費用として全額処理するのが当然です(これが原則処理です)。
しかし、社債発行費には通常と違う2つの特徴があります。
- 多額になることが多い
- 社債発行費は社債を償還するまで効果が続く
この2つの特徴により、例外的な処理が認められることになります。
以下詳しくお伝えします。
多額になることが多い
社債発行費は多額になることが多いです。
場合によっては全額を1年目に費用として計上すると1年目の利益が吹っ飛んでしまうこともありえます。
そして2年目以降はきちんと利益が出続けることもありえます。
1年目から3年目までの社債発行費を除いた利益が各期1,000,000円、社債発行費が1,500,000円だった場合、支出時に費用として全額処理した場合を考えてみると、
- 1年目…1,000,000円-1,500,000円=利益-500,000円
- 2年目…1,000,000円
- 3年目…1,000,000円
となります。
企業の経営成績は1年目~3年目までずっと同じはずなので、1年目だけ500,000円の赤字で、2年目から3年目まで1,000,000円の利益というのは適正だとは言いづらいところです。
社債発行費は社債を償還するまで効果が続く
社債を発行するための費用である社債発行費は、社債を償還するまで効果が続くと考えるのが理論的には正しいです。
なので、社債を償還するまでの期間で償却します(これが例外処理です)。
こちらの方が適正な期間損益計算を行えます。
社債発行費の会計処理
これまでの考え方をから、
- 支出時に全額を費用として処理する(原則)
- 繰延資産に計上し、毎期償却を行う(例外)
という会計処理が行われることとなります。
社債発行費の償却
社債発行費は
- 残存価額…0
- 月割償却
- 定額法
- 直接控除法(減価償却でいう直接法)
- 最長償却期間…社債償還期間(覚えなければいけません)
となっています。
基本的に無形固定資産と同じです。
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株式交付費の取引と仕訳についてお伝えします。
株式交付費の支払
「期首に経営規模拡大のために増資により資金を調達することにした。この増資の際に新たに株式を発行するために要した費用1,500,000円を現金で支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。
現金で1,500,000円支払っているので『(貸)現金1,500,000』となります。
次は借方です。
増資の際に新たに株式を発行するために要した費用なので、これは株式交付費にあたります。
会社設立のための株式発行ならば創立費になりますが、このケースは増資による株式発行なので株式交付費です。
よって、『(借)株式交付費1,500,000』となります。
まとめると、
(借)株式交付費 1,500,000/(貸)現金 1,500,000
となります。
株式交付費の償却
「決算にあたり、上記の株式交付費を会社法による最長期間で償却する」場合の仕訳について考えてみましょう。
株式交付費の最長償却期間は3年間です。
また、株式交付費は残存価額0の定額法なので償却すべき金額は(1,500,000÷3=)500,000円となります。
直接控除法で記帳することを踏まえると、仕訳は
(借)株式交付費償却200,000/(貸)株式交付費200,000
となります。