「ポルトガルに一緒に研修に行きませんか?」。
今から20年前、ある郷土資料館の館長だった方から、誘われたことがありました。
マスコミに入社して4年、ルーティンワークをこなしつつ、このままでいいのかしら?と自分の将来への不透明さを懸念する時期だったこともあって、
よし、半年間ポルトガル語を勉強してからご一緒させていただこう、と思ったのです。
その方は、非常にポルトガルに魅せられていて、様々なことをお話してくださいましたが、印象に残っているのは、
「ポルトガル人の性格を表わす言葉に『サウダーデ』という単語があります。これは、哀愁、郷愁、などと訳されます。一見陽気そうに見える彼らですが、実は、日本人によくにた性格なんですよ」
ラテン系民族なので、とても陽気なイメージがあったのですが、意外に感じ、ポルトガルへ興味が募り、ポルトガル語の勉強を始めました。
ところが、勉強を始めて三ヶ月。お誘い下さった館長が、突然、亡くなってしまい、ポルトガル行きは、白紙になってしまいました。
20年後の今年、高校時代の友人が、偶然にも大学で「ポルトガル語」を専攻していたことがわかり、懐かしくなって、私の当時のノートや、作った単語帳を開いて、ポルトガル語を再確認。
読めない、書けない、全く覚えてないことも判明!
人生の転機になるかもしれなかった20年前に、逃してしまったチャンス。
どんなチャンスだったのかも分からないけれど、
今頃、再びポルトガル語に触れることになるなんて、きっと私とポルトガル語は何かあるのかもしれない、などと思ってしまいました。
果たして、今の私にとってポルトガルへ行くことが何かのチャンスなのか。
それともポルトガル語を学び直すことが私にとってチャンスなのか。
全く関係なく、ただの偶然なんだろうけれど、何となく、神がかり的なものを感じてしまったのでした。神様のお告げは一体何なんだろう?