沢村賞とは正確には「沢村栄治賞」
MLBにもサイ・ヤング賞というのがある。
が、歴史はこちらの方が実は古く1947年に創設されている。
サイ・ヤング賞は投手全てが対象となるのに対して沢村賞は先発完投型投手が対象となる。
2リーグとなった1950年から1988年までは対象はセ・リーグ のみ。
・・・なんでやねん。。。
1989年からパ・リーグ も選考対象となる。
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もちろん目にしたことのない沢村栄治という投手であるが私がこの投手をよく覚えているのはこれ。
1976年から少年ジャンプで連載された野球漫画。
フィリピンへ出征していた兵隊が予知夢を見る。
9月9日生まれで体にボール形のアザがある9人の超人が縦横無尽なプレイを見せた後、全員19歳となる1973年(昭和48年)に彼らの新生球団が誕生するという宣言であった。
その予知夢を見た兵隊が現地の子供にそのことを話し、夢を託す。
少年は大人になり、日本に渡って超人たちを探し集める。
その兵隊こそが不世出の名投手・沢村栄治であった。
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沢村賞はには選考基準がある。
1)15勝以上
2)防御率2.50以下
3)150個以上の奪三振
4)完投10試合以上
5)投球回数200イニング以上
6)25試合以上登板
7)勝率6割以上
・・・・なかなかである。
問題は4)と5)であろう。
直近10年のリーグ完投数
最近ではむしろパ・リーグ の方が少ない。
おおむね40〜50程度の数字。
創世記から見てみる。
5年ごとの数字
1950、1955年は黎明期。
これをのぞけば年間両リーグ200台の数字あたりになる。
セ・リーグ の完投数は変わらず緩やかに減少している。
パ・リーグ が1975年に増えているのはDH制の導入。
減少傾向にあったセ・リーグ の完投数が1990年に上がっているのは、
斎藤雅樹・桑田真澄らを筆頭にチーム70完投。
率いていたのは藤田元司監督。
斎藤雅樹の19完投をはじめ桑田真澄17完投、宮本が10、木田が15とこの4名だけで61もの完投をする。
この年、ジャイアンツで「一軍登板」したのはわずか10名だという。
21世紀に入り完投数はグンと減る。
2020年の大野雄大以来、「二桁完投」は出ていない。
今後はおそらく出ないのではないか。
この年、大野の完投はリーグ全体で36に対して10試合。
3分の1弱を投げ抜いている。(27.8%)
この数値は20世紀以降で最高の数字。
大野雄大がその後、故障で何シーズンも棒に振ったことを思えば「二桁完投」がいかに現代野球にとって酷なことであるかがうかがえる。
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加えてもっと「難題」なのが「200イニング登板」
先の表の大野雄大も10完投ながらイニングは148回2/3
2016年以降では菅野智之(G)しかいない。
(2018年=202回)
近年では180イニング以上にしても
千賀滉大(2019=180.1回)、と山本由伸(2019年=193回2/3、2022年=193回)の2名のみ。
昨年は九里亜蓮(C)の174回1/3が最高。
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あらためて「沢村賞」の選考基準を見てみる。
冒頭にあげた7項目であるが、
“選考基準は7項目だが、必ずしも7項目全てクリアしなければならないという規定はない。”
とされている。
実際2020年受賞のの大野雄大も200回には届いていない。
才木浩人の今季を見てみる。
これを143試合換算してみると
25試合登板 15勝以上 勝率6割以上、防御率2.50以下をクリアする。
奪三振は42なのでシーズン143個になり150奪三振の基準にわずかに及ばないがほぼ及第点。
やはり200イニングと二桁完投のハードルは高い。
大野雄大のあと3年連続受賞の山本由伸の数字と比較していみる。
2023年あたりの数字なら才木浩人も決して見劣らない。
ライバルとなるのはいまのところ山﨑福也(F)あたりしかいない。
数字は才木の方が上だ。
これは・・あるかもしれない。
井川慶以来のタイガースからの「沢村栄治賞」
がんばれ浩人
※ブログ中セイバーメトリクス の数値は(株)DELTA社の数値を参照しています。
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