前回、ニュートン式反射望遠鏡で直接焦点撮影するためのカメラ用アダプターを作ったという記事を書きましたが、今回はその撮影結果についてです。
結果から先に書きますと、準備不足もあり思ったようには撮れなかったのですが、予想どおり200万画素のようなザラザラ感はあまり感じられない画像になりました。
また、いろいろ改善しなければならないところも見えてきたので、今後に生かしたいと思います。
撮影した天体は、その名が良く知られている見かけの大きさが大きい次の天体を選びました。
1 M45 プレヤデス星団
2 M42 オリオン座大星雲
3 M31 アンドロメダ銀河
ところが、M31はスタックができないほどピンボケがひどく、処理のしようがないので今回は外すことにしました。
ひどい乱視なのでよくあることなのですが、ちょっと残念でした。
使用した機材等は
鏡 筒: SE-150N (口径150mm、焦点距離750mm)
カメラ : SONY NEX5R (APSーC、スマホで遠隔操作)
架 台: EQ5 GOTO
その他 : クローズアップレンズ、CLSフィルター使用
シャッター速度: 30秒 ISO: 6400
それではまずスタックなしの1枚撮って出しの写真です。
(大きな埃があったのは消しましたが、ほどんど弄っていません)
● 1コマ撮って出しの写真
M45 M42
画像は周辺減光が強くなっています。
これはクローズアップレンズを使ったためにイメージサークルが小さくなったためと思われます。
クローズアップレンズは使用しない方が画像がもう少し大きくなり、周辺減光も少なくなるはずです。
しかし、クローズアップレンズは収差を小さくする意味もあるので、どちらが良いかはいろいろ試してみる必要があると思います。
画素数が多いのでトリミングすれば同じことにはなります。
● コンポジットした写真
次はコンポジットした写真です。
それぞれ20コマ位ずつ撮りましたが、M45は半分位に薄雲がかかっていたのでボツにしました。
合成は最初にDSSやSequatorでスタックしてみましたが、どういう訳か上手く行かないのでステライメージLiteでコンポジットしたら上手くできました。
● トリミングして少しだけ手を入れた写真
トリミングして構図を整えると多少は見やすくなりました。
今回の写真は露光時間が、M45は5分位、M42は10分位と非常に短いので見栄えが良くないですが、1時間位かければ少しは違うのではないかと思います。
ミラーレスカメラでの直接焦点撮影もそれなりに撮れそうなので撮影の一方法として取り入れたいと思います。
なお、いつも天体撮影に使っている ASI385MC とNEX5R のイメージセンサの大きさを比較してみると
ASI385MC(1/1.9インチ) 7.3mm × 4.1mm
NEX 5R(APS-C) 23.6mm × 15.8mm
で面積比は約12.5倍になります。
ですから少々トリミングしても精細度はASI385MCとは全然違うレベルになります。
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今回使用したカメラ、NEX 5R はエラーメッセージが出るこの機種特有の故障品で中古を7000円位で買ったものです。最初はエラーメッセージが数十回も出ていましたが、いろいろ調教した結果、今では1回~数回程度ですむようになりました。
エラーメッセージが出ると電源を切るしかなくなるので非常に面倒なのですが、一度正常に動けばそれ以後は電源を切らない限り正常に動きます。
今回は、シャッターアプリを使いWi-Fi接続でシャッターを切りました。
また、このカメラは1等星以上くらいでないとモニターに表示されず、ピント合わせが非常に難しいので、10秒位の露光で何回も写真を撮ってピントを合わせました。
しかしそれでもM31はピントが大外れでした。
今後はもっと簡単に撮影できるようにしたいと思っています。