デジカメを天体望遠鏡に接続する超薄の直接焦点用アダプターを作ってみました。
と言っても、2個の部品を繋げただけですが。
(もちろん反射望遠鏡以外にも使えます)
前回のブログ記事にも少し書きましたが、天体用CMOSカメラは200万画素位ののものしか持っていません。
しかし、これで大きな天体を撮るとどうしても粗さが目立ってしまします。
かといって、画素数の多い天体用CMOSカメラには手が出ません。
そこで天体用CMOSカメラの代わりにデジカメが使えないかと考えたわけです。
デジカメならほとんどが1000万画素以上あるし、イメージセンサも結構大きいです。
そこで、いろいろ考えて末に
SONY NEX 5R (APS-C、かなり古いミラーレスで故障品です)
というカメラで試験的に直接焦点撮影法で撮ってみることにしました。
しかし、カメラを望遠鏡に接続するアダプターが必要なので作ってみました。
まず、私が持っている鏡筒はほとんどがニュートン式反射鏡筒なのでデジカメを繋げた場合、下手をすると無限遠でピントが合わなくなります。
そこでカメラは小型で軽くフランジバックの短いものを使い、望遠鏡と接続のためのアダプターは超薄のものを使う必要があります。
カメラは何台か持っていますが、その中で最もフランジバックの短いものが
NEX 5Rで18mm
になります。
NEX 5Rにアダプター等を取り付けた状態
天体用CMOSカメラによく使われているCSマウントと比べるとCSマウントはフランジバックが12.5mmですから、それよりまだ長いのですが、他のカメラに比べると驚異的に短いフランジバックです。
しかし、CSマウントでさえも無限遠でピントが合わないニュートン式反射鏡筒は結構あるので、アダプターは超薄にする必要があるわけです。
そこで、手持ちのアダプター類の中から薄くできそうなものを選んでみました。
最終的に残ったものは次の2個で、これを繋げてみることにしました。
1 T2マウントと1.25インチ接眼部とのアダプター
2 EマウントとTマウントとのアダプター
左がEマウントとTマウントのアダプター
右がT2マウントと1.25インチ接眼部のアダプター(奥のねじ山を削り取り)
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【注釈】T(T1)マウントはねじ径が42mmピッチが1mmで私が若いころはプラクチカ
マウントと呼ばれていました。カメラのマウントによく使われています。
T2マウントはねじ径が42mmピッチが0.75mmで主に天体望遠鏡によく使われ
ています。
EマウントはSONYのカメラマウントのひとつです。
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しかし、TマウントとT2マウントはピッチが違うので繋ぐことができません。
無理にねじ込むと1.5回転位は入りますが、残りの部分が入らないので分厚くなります。
また、変換アダプターを使っても分厚くなってしまいます。
そこで考えたのが、T2マウントのねじ山を最初の2山位残してあとのねじ山を削り取ってしまう方法です。(あとはねじ込めるように調整しました)
これならねじを切っている部分がすべて奥まで入りますし、強度的にもカメラの重さでねじが破損するようなこともありません。
そのようにして出来上がったのが次の写真で、アダプターの厚みは2mm位です。
これで、NEX 5Rのフランジバック18mmと合わせて、実質20mmのフランジバックとなります。
完成したアダプター
持っているニュートン式鏡筒でピントが合うかやってみると
1 SE150N(口径150mm) 最も押し込んだところから手前1.5mm位で合焦
2 SE-AT100N(口径100mm)最も押し込んだところでぎりぎり?
3 Raymay SXA124(口径76mm)最も押し込んだところでぎりぎり?
「?」はそこそこ合っていますが、それ以上押し込めないのでしっかり合っているか確認できないという意味です。
なお、「1」と「2」は鏡筒を約11mm切断して短くしています。
(クローズアップレンズとフィルター1枚を付けた状態でピントを合わせました)
これで最低でもSE150Nは使えることが分かりましたが、実は昨夜、天体写真を撮影してみました。
無計画に思い付きで撮ったので不備な点がたくさんありますが、早くテストしてみたかったので大きな天体を撮ってみました。
まだ画像処理してないので、できたら掲載するつもりです。
このアダプターを使って撮影した写真は次のブログ記事にあります。