ASIAIR PRO
ASIAIR PLUS
とSky-Watcher製の架台をシリアル接続する場合に気をつけたいことを備忘録として書いておきます。
この接続については接続ケーブルの選択など難しい点が多く、困っている方が多いようです。
私も最初理解できず苦労しました。
そこで、私の分かる範囲のことを書いておきたいと思います。
素人ですから間違っている部分があるかもしれませんが、ご指摘いただいたらと思います。
私はASIAIR PROを持っており、
Sky-Watcher製の
EQ5 GOTO
AZ-GTi
の2台とシリアル接続しています。
接続方法は、ASIAIR PLUS とASIAIR PROはほとんど同じだと思います。
(以下両方合わせてASIAIRと記述します)
以後の説明は、私が所有している
ASIAIR PRO、EQ5 GOT、AZ-GTi
を例として書きます。
他の機種では多少違う場合があるかもしれませんので間違いのないようにお願いします。
● 接続方法の種類
ASIAIRと架台(マウント)を接続する方法には次の種類があります。
◆Wi-Fi接続モード
・アクセスポイントモード
マウントに接続した「SynScan Wi-Fiアダプター」(または内蔵)のWi-Fiネットワーク
にスマホ等を接続してマウントを制御します。
要はマウントとスマホなどを直接つなぐということです。
・ステーションモード
マウントとスマホなどを双方とも家庭等のルーター等にWi-Fiや有線ランで接続し、ルー
ターを介してマウントとスマホなどをつなぎマウントを制御します。
◆シリアル接続モード
シリアル接続は、ASIAIRとマウントを有線(RS232Cシリアル)で接続します。
● ASIAIRとマウントのシリアル接続のしかた
ここでは上の接続方法の内、ASIAIRとSky-Watcher製マウントとのシリアル接続に
ついて書きます。
シリアル接続モードで使用する場合は、Sky-Watcher製マウントでは接続の初期
設定がWi-Fi接続になっているので、スマホ等でマウントとWi-Fi接続したうえ
SynscanProアプリを使い設定をシリアル接続に変えておく必要があります。
(次のブログ記事に変更のしかたを書いてあります)
EQ5 GOTOと ASIAIR PRO のUSBシリアルケーブルを作成
シリアル接続に変えるとWi-Fi接続に戻したいときにパソコンとマウントをシリアル
接続したうえでパソコン上のSynscanProアプリでWi-Fi接続に戻す必要があるので注意
が必要です。
USBシリアル変換ケーブルを使う場合
マウントのコントローラー用端子差し込み部分とASIAIRのUSB端子差し込み部分を
適切な
USBシリアル変換ケーブル
で接続します。
(AZ-GTiとEQ5GOTOとではコネクタが違うの間違わないようにします。)
この場合、Sky-Watcher天体望遠鏡用のFTDI-FT232RLチップ使用のUSBシリアル
変換ケーブルであれば、大抵の場合使用できると思いますが、FTDI-FT232RLチップを
使用していても他の電気製品用のものはピンアサイン等が違うようなので使用できませ
ん。(やってみましたがダメでした)
既製品を購入する場合はSky-Watcher天体望遠鏡用のものでも、その機種に対応して
いることを明示しているものを購入した方がよいと思います。
ASIAIR PROの場合は、FTDI-FT232RL以外のチップを使っているものはASIAIR PRO
にドライバが入ってないので使用できないようです。
(パソコンとマウントのシリアル接続にはドライバを入れると使えます)
Sky-Watcher純正のUSBシリアル変換ケーブルについては、以前の製品はFT232RL
チップを使っていたようなので使用できますが、現在販売されている純正の
USBシリアル変換ケーブルは違うチップが使用されているらしいので使用できない
ようです。(パソコンとマウントのシリアル接続にはドライバを入れると使えます)
ASIAIR PLUSの場合も、FT232RLのチップを使っているものなら使えるはずです。
また、ASIAIR PLUSはOSが新しくなっているようで、FT232RL以外のチップ用
ドライバが入っているという話もあり、それが間違いなければFT232RL以外のチップ
使用USBシリアル変換ケーブルでも使えるかもしれませんが、ASIAIR PLUSを持って
ないので確認できていません。
普通のUSBケーブルを使う場合
最近のSky-Watcher製のマウントにはUSB B端子が付いているものがあります。
このコネクタはパソコン接続用と説明されているので、パソコンと普通のUSB A-B
ケーブルで接続できるはずなのですが、ネットなどを見ると接続できないという記事も
結構あるようです。
このUSB B端子が付いているマウントはおそらく、現在販売されている純正の
USBシリアル変換ケーブルに使われているUSBシリアル変換チップ(FT232RL以外)
と同じものが使用されているのではないかと推測されます。(未確認)
これが推測通りであれば、ASIAIR PRO では使えませんが、新OSのASIAIR PLUSでは
使える可能性があります。(ASIAIR PLUSを持っていないのでわかりません)
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【シリアル接続が分かりにくい点】
シリアル接続が理解しにくいのは次のことが原因かと思います。
天体望遠鏡のマウントの制御はずっとシリアル(RS232C)接続で行われてきたようです。
しかし、少し前までパソコンにRS232C端子が付いていたものの、現在はRS232C端子はほとんど使われなくなり、代わってUSB端子が使われるようになりました。
そこでマウントを制御する場合、USBの信号をシリアルに変換してパソコンなどから制御しています。ですから、パソコンやASIAIRからマウントを制御する場合には
USBシリアル変換ケーブル(USBの信号をシリアルの信号に変える)
で繋ぐわけです。
ところが、USBシリアル変換ケーブルにはUSBの信号をシリアルに変換するチップが入っているのですが、以前のスカイウォッチャー製純正USBシリアル変換ケーブルには業界標準の
FTDI-FT232RL
というチップが使われていたのですが、現在のものは違うチップが使われているようです。
パソコンとマウントを繋ぐだけなら、チップに合うドライバをパソコンに入れたら良いわけです。
ところが、ASIAIR PROにはFT232RLのドライバが入っていますが、それ以外のチップのドライバが入ってないので、現在販売されているスカイウォッチャー純正USBシリアル変換ケーブルはASIAIR PROの接続に使えないのです。
ですから、ASIAIR PROとマウントをケーブルで接続するには、互換チップ用のドライバが入ったASIAIRの新しいOSに入れ替えるか、ドライバを自分で入れる必要があるようです。
しかしこれには知識が必要ですし、非常に面倒です。
そこでサードパーティー製のFT232RLチップを使った天体望遠鏡用USBシリアル変換ケーブルを使うことにより接続するわけです。
ただし、ネット上には
ASIAIR PLUS
は新OSを使用しておりFT232RLチップ以外のドライバも入っているという記述もあるようなので、FT232RLチップ以外のチップを使用しているケーブルも使えるかもしれません。
また、最近になってUSB B端子の付いたマウント(EQ6R PRO等)が販売されていますが、おそらく純正USBシリアル変換ケーブルと同じ
FT232RL以外のチップがマウントに内蔵されている(未確認)
のではないかと推測されます。
ですから、ASIAIR PLUSにFT232RL以外のチップ用ドライバが入っていれば普通のUSBケーブルでつなぐだけで良いはずなのですが、そこはよく分かりません。
一度、PCとUSB端子の付いたマウントを普通のUSBケーブルで接続して、どんなドライバを使用しているか確認してみると分かると思います。
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【USBシリアル変換ケーブルの自作】
ASIAIR PRO はWi-Fi接続が弱いのでトラブルがよく起こります。
そこでAZ-GTiとの有線接続を考え、市販のUSBシリアル変換ケーブルを購入しました。
これで非常に安定した操作ができるようになりました。
AZ-GTi用に買った市販品
次にEQ5 GOTOとの有線接続を考えましたが、今度はケーブルを自作することにしました。
実は、AZ-GTiの時にも市販のUSBシリアル変換ケーブルを購入する前にいろいろやってみたのですが上手く行かず市販品を購入することにしたわけです。
そのとき、USBシリアル変換用の基盤を買っていたのですが、FT232RL以外のチップを使っているものだったので、ASIAIR PROとAZ-GTiが繋がらなかったということが後でわかったわけです。
PCとEQ5 GOTO接続用の自作品(FT232RLチップではないもの)
それで、そのときの基盤はEQ5 GOTOとパソコン接続用に作り変えてみたのですが、これが上手く動いたので、今度はFT232RLのチップを使っている基盤を買ってケーブルを作ってみたのです。すると、このケーブルではASIAIR PROとEQ5 GOTOの接続が上手くできました。
ASIAIR PROとEQ5 GOTO接続の接続にも使える自作品(FT232RLチップ使用のもの)
AZ-GTi等用とEQ5 GOTO等用との違いはコネクタが違うだけです。
マウントとの接続に、AZ-GTi等用は「RJ-12」端子(6ピン)、EQ5 GOTO等用は「RJ-45」端子(8ピン)が使われています。
基板だけだとアマゾンなどで500円前後で販売されているので、暇な方は自作してみるのも面白いと思います。
少し前のブログ記事にも書いてあるので見ていただいたらと思います。