コンデジで星を撮ってみる(ビギナー向け-5) | getaのブログ

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前回までに、スマホで星の写真を撮って、少し画像編集をするところまで書きました。

そこで少し興味が湧いてきて、もう少し綺麗に星を撮ってみようと思う方は、

   コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)

を使ってみるのも良いと思います。

 

一眼レフやミラーレスのカメラを持っている方はいきなりそれを使ってもいいのですが、持ってない場合は、一眼レフやミラーレスのカメラを購入するのは高価ですし機能が多くてビギナーには扱いにくい点もあります。

また、一眼レフやミラーレスのカメラはそれぞれ個性があり、知識があまりないうちに買うと機種選びに失敗したりすることも多いので、コンデジでカメラに慣れてみるのもよいと思います。

 

コンデジと言っても現役機種のあまり高級なものである必要はなく、10年程度前の機種でも星はそこそこ綺麗に撮れます。ですから、コンデジを購入するにしても、メルカリ等でうまく買えば3000円位から買えるので、その辺りから始めてみるのもいいかと思います。

(ただ中古品で古いものはバッテリーが弱っている場合が多いので1000円前後の互換バッテーリーを買うと安く上がります。また、中古品でも充電器のついているコンデジを買う方がよいと思います。)

 

  星を撮るのに向いているコンデジ

物事には何でも向き不向きがありますが、星を撮る場合のコンデジにも向き不向きがあるので少し書いておきますが、次の条件に合うものが適していると思います。

 

 マニュアル撮影できるもの(必須)

   これは必須です。(ただし星空撮影モードがあればマニュアル機能がなくても撮れます)

   マニュアル撮影機能とは、シャッター速度や絞りなどを手動で設定できるものです。

  (私が所有しているコンデジの中にマニュアル操作できるものが4台ありました。)

 

 スローシャッター、またはバルブが使えるもの(必須)

   これも必須です。(星空撮影モードがあればマニュアル機能がなくても撮れます)

   1秒以上(4秒以上が望ましい)のスローシャッターまたはバルブ機能が使えるもの

   (バルブ機能はシャッターボタンを押している間、シャッターが開く機能)

 シャッターリモコンが使えるもの

   有線、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線(IR)、タイマーなど、どれかでシャッターを切れるもの

   最低でもタイマー機能が付いてないとシャッター時に手振れします。

 レンズがなるべく明るいもの

   コンデジの場合、レンズはズームレンズがほとんどでF値が広角端でF2より小さければ

   最良だと思いますが、F4位までならよいと思います。

   レンズが暗いと撮影に時間がかかります。

 イメージセンサ(CCDやCMOS)のサイズがなるべく大きいもの

   センサーの性能にもよりますが、1/2インチより大きいものをお勧めします。

 感度(ISO)のよいもの

   ISO1600位まで設定できるものが良いですが、もう少し小さくても大丈夫です。

   感度を最大値で使うとノイズが多くなるので、最大値の1/2か1/4で使うのがよいと思います。

 画素数

   画素数は、800万画素以上あれば問題はないと思います。

   600万画素位でも何とか綺麗に撮れると思います。

 

コンデジが星の撮影に向いているか調べる

まずマニュアル機能ですが、マニュアル機能がある場合は大抵の場合、カメラ上面のシャッターボタン近くにダイアルスイッチがあり、その中に「M」という項目がありますから、カタログや説明書で確認してみましょう。(カメラによってはダイアルスイッチがなく、設定画面で指定するようになっているものがあるかもしれません。)

      マニュアルの「M」

 

「M」はマニュアルの意味で、「M」があれば普通30秒から60秒位のスローシャッターが切れる場合が多いのですが、バルブ機能がない場合もあります。

どちらにしても、カタログや説明書でよく確認する必要があります。

 

シャッターリモコンが使えるかどうかは、説明書などでよく確認しないとわかりません。

 

レンズの明るさは、レンズの前面に焦点距離等とともにF値が記入されていることが多いので見ればすぐに分かると思いますが、分かりにくい場合は、カタログや説明書で確認します。

レンズの明るさ 1.8-2.5 (焦点距離6-24mm)

 

イメージセンサ、感度(ISO)、画素数はカタログや説明書で確認します。

 

  コンデジで星の写真を撮ってみる

写真の撮り方は、前回書いたスマホのマニュアル操作で撮る方法と同じですが、もう一度簡単に書いておきます。

 三脚に固定します。

 シャッターを切るときにブレないように、シャッターリモコンなどが使えるようにしておきます。

 カメラを起動させマニュアルモードにします。

 撮影条件を設定する 

    感度(ISO)  : 200以上がよいと思います。ノイズの出方により調整します。

    シャッター速度: 固定撮影の場合、数秒~15秒

               (星が流れないように、焦点距離・撮影方向によって変える。)

    絞り       : 開放もしくは開放の近く

 撮影する構図を決めます。

 ピントを合わせる(普通はマニュアルで合わせる。オートでできる機種もあるようです。)

 シャッターをシャッターリモコンなど使って切ります。

 

  星空写真モード(機能のあるコンデジ)で撮影する方法

星空写真モードは、カメラ上面にあるダイアルスイッチの中のSCN(シーン)にすると、各種シーンの選択画面が出てくるので選択して星空写真モードにするようになっている機種が多いのですが、機種によって違いますので、説明書などをよく読んでやってみましょう。

 

 三脚に固定します。

 シャッターの切り方は、タイマーで切れるように設定されている場合が多いのですが、

  機種によってはリモコンが使えるものもあるので、説明書に従ってください。

 カメラの電源スイッチを入れ星空写真モードにします。

 撮影条件を設定する必要のない機種が多いです。説明書に従ってください。

 撮影する構図を決めます。

 ピントを合わせる(合わせる必要のない機種もあります。)

 シャッターを切ります。

 

画像処理については、前回、スマホなどで撮った写真をスタック処理等をしてみましたが、全く同じようにすればよいわけです。

ただし、もっときれいな画像にしたいときはスタックするときに色々な処理を加えてすることができます。例えばフラットやダークの減算処理等を同時にすることができます。

やってみたい方は、他のブログなどに詳しく書いてくださっている方がたくさんいますから、そちらを読んでみてください。

 

  一眼レフ、ミラーレスの場合

説明を分かりやすくするため、まずコンデジで星の写真を撮ることについて書いてきましたが、カメラをマニュアルモードで使う場合は、コンデジも一眼レフ・ミラーレスもやり方はほとんど同じです。

ですから、一眼レフ・ミラーレスで撮る場合も、上に書いたコンデジでの撮影方法で同じように撮れると思いますので撮影してみてください。

 

なお一眼レフ・ミラーレスで撮る場合は、光害を削減するフィルターや明るい星を大きく撮るためにソフトンというフィルターを入れたりする技法をよく使います。

 

 

  コンデジで写真を撮ってみました

最近は一眼レフで写真を撮ることがほとんどなので、コンデジではあまり写真を撮っていませんでしたが、昨夜(2022.03.29)コンデジで写真を撮ってみました。(3台で撮ったのですが、Nikonのコンデジは感度の設定を間違っていたので2台のコンデジで撮った写真を出しておきます。

撮影対象は冬の大三角付近で、西へ傾いたオリオン座が右下にあります。

 

マニュアルモードで撮った写真は

   ISO 800  

   シャッター速度 5秒

   絞り 開放

で、撮影場所は光害の多い自宅ベランダでです。(明るいのできれいに写りません。)

 

画像処理は、スタック 10枚 で簡単な画像処理をしました。

背景は星空撮影モードに合わせて少し青くしてみました。

カメラによって写り方がかなり違うようです。

また、スタックや画像処理の必要性が良く分かります。

 

CANON PowerShot S120 で撮った写真

S120の場合は星空写真モードがあるので、星空写真モードとマニュアルモードの両方で撮ってみました。

〇 星空撮影モード

     星空写真モードで撮った写真(何も処理していない)

 

       画像処理で画面全体を少し暗くしたもの

 

〇 マニュアルモード

     マニュアルモードで撮った写真(何も処理していない)

 

     写真10枚をスタックして少しだけ画像処理したもの

 

OLYMPUS STYLUS XZ-2 で撮った写真

      マニュアルモードで撮った写真(何も処理していない)

 

    写真10枚をスタックして少しだけ画像処理したもの