インジェクター内部のデポジット --- 噴口周りと違うのか? | Driving On the Earth - Part2

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今まで続けてきたDriving On the Earth の更新ができなくなり、Part2にて、再スタートです。
2台の車と3台のバイク、そしてレンタカーで将来の地球環境を考えながら地球を旅していこうと思う技術者です。 

 インジェクターの噴口に溜るデポジットと、噴口出口周辺のデポジット、そしてインジェクター内部のデポジットの生成メカニズムが異なる事から、色々調べたり、各社OEMの分析データをもとに色々研究を重ねてきた。

 

 時には、その成分をIRだったりX線解析だったり様々な分析方法で解析したりしても、ガソリン・ディーゼル、そして各種エンジンオイル、そして生成される場所により、100%こうだと言いきれない部分もあって、ある程度、この様な共通項のあるものであると経験則的なものをこの20年以上にわたってデータを積み上げてきた。

 中には、デポジットを合成してみたり!そして、今回全く新しい清浄剤の開発を開始して、全てのデポジット・スラッジに共通したある物性に注目したところ、清浄剤開発の基礎的な静的物性が、これらすべてに有効である分子構造がある事に気が付いた。本来なら、この分子構造を使う事はご法度に近い。と言うか清浄剤として使える物性では無いのである。だが、それをある処方で強引に使えるようにしたところ、それこそ、過去経験したことのない程の清浄性が示された。

 

 それを再確認するために、インジェクター内部のスピンドルの部分に対して、どの程度効果がるかを調べてみた。

これは、内部の洗浄をしていないスピンドルである。これを開発中のID処理をすると、

あくまで清浄剤によるもので磨いたりはせず、処理後ソフトな布で軽く表面の清浄剤を拭き取っただけである、焼き付いていたカーボン状のデポジットは綺麗に除去され、金属表面が全面綺麗に見える、色はついてはいるが、これを除去する事は、どんな溶剤や強力なアルカリ性薬剤でも無理であるし、それ自体を取り除く意味は無い。調度、金属を熱処理した時色が付くのに似ている。

つまるところ、それほど高温になっていると良いだろう。それゆえ、ミクロン単位の潤滑性皮膜が洗い去られたら、直ぐにマイクロスクラッチが発生する事が理解いただけるだろう。

 

 さて、この清浄剤の中間体は、金属に対する活性はゼロ!手についても大丈夫。勿論化学物質であるから、皮膚に漬けたり、目に入ったり口の中に入れるのは推奨しない。少なくとも従来のアルカリ性清浄剤や高分子アミン=PEAやPIB-Aより遥かに安全で毒性が無い!

これ自体GHS:The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:に該当しない!そんな化学物質であるのだから、驚異的な技術と言えなくもない!

 

 明日には、スピンドルのケース=インジェクターの先端を、ID処理したものを紹介しようと思う。