技術は流れ変化しないといけない --- ガソリンエンジンに見る清浄剤の要求変化 | Driving On the Earth - Part2

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今まで続けてきたDriving On the Earth の更新ができなくなり、Part2にて、再スタートです。
2台の車と3台のバイク、そしてレンタカーで将来の地球環境を考えながら地球を旅していこうと思う技術者です。 

 昔、ガソリンエンジンの経年劣化の主たるものが、吸気バルブとその近くまでの吸気ダクトとキャブレター内部のスラッジだった。

 

 これに対応するのが、高分子アミンだったり、そのイミドだったり・・・。あくまでガソリンやエンジンオイルの凝集熱劣化物が中心だった。その後、吸気バルブのデポジットは、排気ガス浄化システムに対し空燃比のコントロールに悪影響を及ぼすことから、IVDの清浄性能が、ガソリン性能の基本としてカルフォルニアのガソリン規格としてBMWのエンジンを使ったIVDテストが日本も含め多くの国で性能ターゲットとして、そして石油メーカーに提供する化学会社のガソリン清浄剤の性能評価の基準にされてきた。だが、それは、如何に低い濃度で、この試験をパスできるか=如何に安いコストでガソリンに清浄性を持たせるかにばかり・・・。そして、インジェクターの噴口の詰まりに対しても従来の添加剤で対応できていた。

 

 その後、20世紀後半に、登場した三菱のGD!、よりシビアなインジェクターのデポジットだけでなく、燃焼室内部のデポジットがエンジン性能に悪さをすることから、何とか広範囲に清浄効果を生むものの研究がなされた。そこで、従来最高と言われたOGA480と言うポリエーテルアミンが注目された。高価だが、なんと燃焼室内部のデポジットにも効果がある唯一のものだった。

だが、これを燃焼室内部のデポジット:CCDに効果がある程ののどにすると、アミンの分子構造からエンジンオイルの成分とで高粘度物質を作り出す欠点があった。そこで、新たな分子構造を模索する企業が、新たに作り出したPEAに注目したのが、自分だった!これを世界的に広めたい。だが、毒性ほかに問題があり一旦次のステップへと進み、やっとできたのが、GA-01の初期のベースとなったものである。

 

 さて、その後それをまねした商品がたくさん登場したが、最近は、PEAでも性能差がありすぎるようになった。

 

 理由は、安い原料を使っていたり、もともとの特許を見ての末端分子構造の違いによるものもある。

 

 さて、現在新たに35年以上ものもの自動車用工業用潤滑油+燃料添加剤の開発に従事した経験から、基礎からもう一度開発をし直す中、気が付いたのがデポジットの変化である。様々なエンジンから得られた中古の部品や整備部品のデポジットを調べ、そして、エンジンオイルを特殊な方法でデポジットを作るなどして、従来の清浄剤だけでなく、色々なものを評価すると、もうデポジットの物性や特性が変化していて、従来の清浄剤で対応するより遥かに優れた物性を持たせた方が良いように感じている。

 

 そう、エンジンオイルも大きく変化してきているし、エンジンの燃焼もより希薄燃焼化するだろうし、時代と共に、少しずつだが変わってきているのが判り出した。今から開発なんてもう遅い!なんてことは無い!ガソリンにしろ軽油にしろ、亡くならない限り、清浄剤は必要で、できる限り環境負荷の少ないものが必要となる。何処もやらない事でも、必要ならもうからなくても技術として作り上げたいと思う。

 

 寄り道・回り道をしながらも、今までで生きて来れたのだから、まだまだ開発は手を抜くつもりはない。今後、より多くのデポジットに関してトレンドを見極めながら、従来とは異なる観点で開発していきたい。まさに、技術は常に進歩し続けないと意味が無い。現行に満足したとき、進歩は止まるのだから。