こんにちは、日本母親支援協会の柴田です。今日は、しつけとは親から代々受け伝えられた伝承というお話です。
- しつけとは「礼儀作法を身につけさせること,また,身についた礼儀作法」(広辞苑)
- 伝承とは、「伝え受けつぐこと。古くからあった「しきたり」(制度・信仰・習俗・口碑・伝説などの総体)を受け伝えてゆくこと」(広辞苑)
しつけというのは、親になって初めて自分で考えることではありません。親が子供の時に両親から教えられた礼儀作法などを引き続き自分の子供に伝える事となります。
具体的には、次のような事柄です。
- 食べ物を残さない
- 食卓に肘をつかない
- 好き嫌いなく食べる
- お箸を正しく持つ
- 食事の前や後にあいさつをする
- 排泄行為
- 清潔と整理
- 安全教育
これは、国によって大きく違ってきます。例えば、お箸を正しく持つというマナーは、欧米なら、お箸ではなくスプーンとフォークに変わります。インドや中近東では、右手の親指、人差し指、中指の三本だけと変わります。
それらのマナーは、代々、親から厳しくしつけられてきたのです。つまり、伝承され続けてきたマナーということです。
でも、近年、日本人は、そのマナーをないがしろにしている親も多くなっているようです。
お箸の持ち方が、しつけられていない大人も多く見かけます。お箸を上手に使えない親に育てられた子供は、やはりお箸を上手に使えません。
お箸を上手に使っている姿を見ると、親が正しいしつけをしてきたということが容易に想像できます。
日本を代表して世界各国を飛び回っている総理大臣の箸使いはひどいものです。
お箸を上手に使えないだけでなく、迎え舌で犬食いになっています。礼儀作法を教えられていないことがよくわかります。
これはインドの首相が左手で食事をするようなものです。ちなみにインド人にとって左手は排泄の時におしりを拭く手です。ですので、「左手は不浄」ということを厳しく教えられています。例え左利きであっても食事は右手です。
■「躾」
しつけとは漢字では「躾」と書きます。他人から見て美しい仕草ということです。インドなら右手で食べる姿が美しい姿となります。日本なら上手にお箸を使う姿が美しい姿となります。お箸の国の代表者なのに、親の躾がなっていないという証明ですね。
他にもテレビ番組で、ひどいお箸の使い方をしている俳優やタレントが多いのも悲しい事実です。それだけ、自分の子供のしつけをしない親がいるということです。
目白大学が約8000人を対象に調べたところ、男女ともにお箸を正しく使える人は約3割にすぎなかったという調査結果も出ています。
逆に言えば、3割の家庭ではしっかりとしつけをしているということです。それらの家庭では、お箸に限らず、様々な礼儀作法を親から厳しくしつけられてきたのではないでしょうか?
冒頭であげた礼儀作法
- 食べ物を残さない
- 食卓にひじをつかない
- 好き嫌いなく食べる
- お箸を正しくもつ
- 食事の前や後にあいさつをする
これは、当たり前のことです。それをしっかりと教えなければ社会に出た時に恥をかくだけでなく、信用や信頼も失います。
当たり前のことを当たり前に教え伝えることは親の役割としては第一歩です。だからといって、がんじがらめに強制するのではなく、一つ一つの理由を根気強く説明して、子供が納得して身につけることが大切なことになります。
■「仕付け」
また、しつけとは「仕付け」とも書きます。これは、「着物を縫う時に、縫い目を正しく整えるために仮にざっと縫いつけておくこと。仕付け糸ともいう」(広辞苑)という意味です。
仕付け糸は、型崩れ防止用に簡単に縫う糸です。縫い目がユルく縫われている(縫い目と縫い目のあいだに指が入る)糸のことです。
親が何でもかんでもしつけるのではなく、初めは要所、要所を教えて、枠組みを作るのです。成長に伴って、いずれは自分の判断で、望ましい行為や習慣を生み出していけるようになることが望ましいのです。
しつけということについては、僕のテキストでもお話ししています。例えば、僕のテキストの中では、禁止すべき行動として、次の3つを上げています。
- 危ないこと
- 傷つけること
- 迷惑をかけること
幼い時に、この3つをしっかりと教えていけば、あとは応用になります。
■道徳教育
また、小学校に入ると道徳教育が組まれます。低学年では、概ね次のような事を教えるようです。
●自分に関すること
・自分の安全や健康
・ものやお金を大切にする
・整理整頓
・規則正しい生活
・善悪の判断
●他人と関わること
・あいさつ
・言葉遣い
・弱者への気遣い
・友情
●自然に関すること
・動植物愛護
・生命尊重
●社会に関すること
・公共物の保全
・父母への尊敬
・家族愛
ここに上げた事項は、ごく一部ですが、これらのことは家庭で教えてあげたいですね。
■二人三脚
話は変わりますが、あなたは、二人三脚の経験はありますか?小学校の運動会などでやりませんでしたか?
ほとんどぶっつけ本番で足を結びつけて、走り出しましたよね。そして、案の定、何度もこけませんでしたか?
それって、今やっている育児に似ていると思いませんか?
二人三脚とは、二人にある四本の足のうち双方の相手側の足同士を結び、リズムを合わせて走ります。運動会の競争の中では、比較的、難易度が高い競技であり、熟練が必要となります。
あなたと赤ちゃんの二人三脚。ちょっと想像してみて下さい。
赤ちゃんと二人三脚は無理なので、子供と大人の二人三脚を想像して下さいね。背の高さも足の長さも違います。
その二人が、リズムをとって走る。そのためには、どちらに合わすのがいいと思います?
大人に合わせば、子供はついて行けません。そうです、子供のペースに合わせないと走れないのです。
- 子供の歩幅に合わせる。
- 子供の足の力に合わせる。
大人のあなたは、昔、経験がある。でも、子供は全く初めての経験です。子供は初めての経験だから不安だらけ。どこをみて走ればいいのかさえわからない。
- 声をかけて、リズムを作る。
- 最初は、子供の第一歩を出すことを見守る。
なかなか難しいですよね。出来なくて当たり前なのです。それをあなたは、みんなに遅れてしまうと焦ってはいませんか?
焦っても、早く走れないことは経験済みですよね。子供がリズムに慣れるのを待つ。そうすると、ようやく走り出すことが出来るのです。
先ずは「待つ」
そして「見守る」
そして「見本を見せる」
そして「どうすれば走れるのかを説明する」
そして「呼吸を合わせて、せーの!」
と一歩を出す。
どうです。育児と似ていると思いませんか?
もしかしたら、しつけをするときにあなたは、
- 「はい、右足出して」
- 「そうじゃないの。右足はこっちよ」
- 「そうそう」
- 「もっと歩幅を広くして」
- 「そんな小さな歩幅だったら競争に勝てないわよ」
- 「次は左足」
- 「終わったらすぐに右足」
こんな風に、いちいち指示を出していませんか?
まず、赤ちゃんにとって右と左は、わからないのです。
例えば、「はい、右手を上げて」とママが右手を上げて見本を見せると子供は左手をあげますよね。それはママの真似をしているからなのです。向かい合っていると左右が逆になります。ですので、ママが右手を揚げると鏡に写すように左手を上げるのです。
それを親が認識していないと親もこんがらかるし、子供も理解できないということになってしまうのです。
そこで、脳科学を学ぶことが大切になってくるのです。親から伝承された「しつけ」に最新の脳科学や発達心理学を取り入れることで、子供の才能をぐんぐん開花させることが出来るのです。
子供の体と脳の成長・発達に合わせた働きかけをすることで、子供が容易に理解出来るようになるのです。
■まとめ
しつけとは、子供が自立するために身に着けてもらうその国独自の様々な社会のルールです。
しっかりと自分で理解して自分で判断し、その時に必要な礼儀作法や行動を出来るようにすることです。
決して、親が強制するものではありません。仕付け糸のように要所、要所を根気強く声明して納得してもらうことが大切です。
子供は、いずれは親を追い抜いていくものです。いつまでも親の支配下にいるものではありませんし、また旅立っていくように育てるのが親の役割です。
内閣府が2019年3月に発表したニート調査によると、15~39歳のひきこもり数は推計54万1千人です。そして40歳過ぎても引きこもっている人は、全国で推計61万3千人です。7割以上が男性です。
2019年6月、元農水省務次官の76歳の父親が44歳のひきこもりの息子を殺害した事件が起こりました。
親の財産や年金を目当てに引きこもっている子供に育てたくなければ、幼少期に愛情たっぷりに育てることが必要です。
愛情たっぷりといっても甘やかすという意味ではありません。いつまでも子供の面倒を見るのではなく、子供が気持ちよく親の面倒を見てくれるような立派な大人に育てることが子育ての醍醐味です。
そのためには、将来、立派に自立するように代々伝え続けられてきたしつけに、最新の脳科学と発達心理学をプラスして子育てすることです。
子育ては、子供の成長の後追いをするのではなく、育児を学び、子供とともに親も成長することが大切なことではないでしょうか?
日本母親支援協会はあなたの育児を応援します。お聞きになりたいことがありましたら、こちらでご質問くださいね。



