さて
ついに始まりました
救急医が送る
レントゲン写真の読み方シリーズ
です
(´∀`)
主に胸部単純レントゲン写真を扱って行こうと思います
単純とは言いますが、本当に複雑で読影は困難です
ちなみに単純とは「造影ではない」という意味です
近年はCTが発達して、短時間で情報量の多い画像を得る事ができるようになりました
もはや胸部レントゲンはいらないのではないかと疑問に思う学生さんや研修医のみなさんもいらっしゃるかもしれません
しかし、レントゲン写真はCTよりも遥かに早く、簡便で、コストもかからず、放射線被爆量もわずかで、ポータブルでも撮影可能な場合がある、使いどころを考えればとても有効な検査です
マニアックを極めようとしたら、どんどんマニアックになっていくのですが
ここは救急医のブログです
( ̄▽ ̄)
救急の範囲で読めた方がいいだろうという内容を中心に、胸部単純レントゲンの読み方を書いておこうと思います
今日は初回ですから、リラックスして導入から入ります
今日のテーマ
「今から読影!そのまえに!!」
みなさんはレントゲン写真を読影する前にやらなければならないことがあります
もちろん検査のオーダーor撮影です
(^▽^;)
撮り方によっては貰える情報が全然違うので、これは必ず知っておかねばなりません
でもまぁ、紹介状についてきたレントゲンを読んだり、上級医がオーダーしたものを読んだり、自分でオーダーしない事もあります
撮り方についてはまた別の機会に述べるとして、今回はレントゲン写真を前にしたところから話をはじめましょう
さて
みなさんの前にレントゲン写真が出て来ました
さぁ、皆さんは真剣に画像とにらめっこをするまえにやらなければならない事があるのです!!
それは
名前と日付の確認です!!
(ドヤ顔)
と・・・・昔後輩に教えている同僚がいて、僕も「なんでやねん!!ww」と突っ込んでしまったのですが、これは本当に大事なことです
他人のレントゲンみていたら話になりませんし、日付というのは時間経過というファクターを考えたり、最新の情報を得ているかということを考える際に絶対に必要なことです
ドヤ顔して言う程のものではありませんが、ぜひ毎回しっかり確認してください
じゃぁ名前と日付が適切だったら・・・
次に目の前のレントゲン写真が読むに値するものかどうかを考えなくてはなりません
次の事項は必ずチェックして下さい
・撮影時の体位はどうか
・正面から撮れているか
・深吸気時に撮られたものか
撮影時の体位ですが
だいたい立位か座位か仰臥位です
仰臥位で撮影されたものは横隔膜が挙上して心陰影が拡大します
わかっていて読まないと誤読に繋がります
立位のときは胃泡がniveauを形成するのでわかりますし、また立位で撮る時には肩甲骨が外側にきちんと開くはずなのでわかります
もし画像上に撮影体位が記載されていたらかならずチェックしましょう
次に正面から撮影されたかについて
正常な解剖学的位置に存在しているかどうかというのは、真っ正面から撮影されたというのが大前提で議論できます
これは、まず気管をみて、さらに椎体の極突起確認して、極突起が気管に重なって写っていれば正中位で撮影されたなと判断できます
ずれていたら体が斜めを向いていたということで、正面性が悪いので取り直しも検討です
そして深吸気時に撮影されたかどうかについて
呼気時と吸気時では胸腔の容積がだいぶ異なってしまいます
呼気時に撮影すると、横隔膜は挙上して、心陰影は増大して見え、肺が縮小して写されてしまいます
さらには、間質性陰影や浸潤影など、病変を疑わせる陰影も見られ、読影する人を混乱させます
肺がきちんと膨らんだ吸気時に撮影したものが、よりよい画像です
吸気時か呼気時かの判断は、横隔膜を見る事でだいたいつきます
右横隔膜のてっぺんが第6肋骨の先端あたりにあるのが解剖学的に予想される場所ですが、それよりも上に来てしまっていたら、呼気時かもしれないと思わなくてはなりません
(もちろん個体差がありますが・・・)
というわけで、これらの事をきちんとわかった上で読まなければ、心臓の大きさや肺の陰影について論じることが出来なくなってしまいます
わかったうえで写真をみて
「仰臥位という条件はあるけれど心臓大きいね」
というように評価するのはありかもしれません
というわけで
今回は以上!!!
次回
「見逃さないためのルーチンワーク」
自分なりの読影の順番をみにつけましょうという話をしたいとおもいます
よろしくおねがいいたします!
ついに始まりました
救急医が送る
レントゲン写真の読み方シリーズ
です
(´∀`)
主に胸部単純レントゲン写真を扱って行こうと思います
単純とは言いますが、本当に複雑で読影は困難です
ちなみに単純とは「造影ではない」という意味です
近年はCTが発達して、短時間で情報量の多い画像を得る事ができるようになりました
もはや胸部レントゲンはいらないのではないかと疑問に思う学生さんや研修医のみなさんもいらっしゃるかもしれません
しかし、レントゲン写真はCTよりも遥かに早く、簡便で、コストもかからず、放射線被爆量もわずかで、ポータブルでも撮影可能な場合がある、使いどころを考えればとても有効な検査です
マニアックを極めようとしたら、どんどんマニアックになっていくのですが
ここは救急医のブログです
( ̄▽ ̄)
救急の範囲で読めた方がいいだろうという内容を中心に、胸部単純レントゲンの読み方を書いておこうと思います
今日は初回ですから、リラックスして導入から入ります
今日のテーマ
「今から読影!そのまえに!!」
みなさんはレントゲン写真を読影する前にやらなければならないことがあります
もちろん検査のオーダーor撮影です
(^▽^;)
撮り方によっては貰える情報が全然違うので、これは必ず知っておかねばなりません
でもまぁ、紹介状についてきたレントゲンを読んだり、上級医がオーダーしたものを読んだり、自分でオーダーしない事もあります
撮り方についてはまた別の機会に述べるとして、今回はレントゲン写真を前にしたところから話をはじめましょう
さて
みなさんの前にレントゲン写真が出て来ました
さぁ、皆さんは真剣に画像とにらめっこをするまえにやらなければならない事があるのです!!
それは
名前と日付の確認です!!
(ドヤ顔)
と・・・・昔後輩に教えている同僚がいて、僕も「なんでやねん!!ww」と突っ込んでしまったのですが、これは本当に大事なことです
他人のレントゲンみていたら話になりませんし、日付というのは時間経過というファクターを考えたり、最新の情報を得ているかということを考える際に絶対に必要なことです
ドヤ顔して言う程のものではありませんが、ぜひ毎回しっかり確認してください
じゃぁ名前と日付が適切だったら・・・
次に目の前のレントゲン写真が読むに値するものかどうかを考えなくてはなりません
次の事項は必ずチェックして下さい
・撮影時の体位はどうか
・正面から撮れているか
・深吸気時に撮られたものか
撮影時の体位ですが
だいたい立位か座位か仰臥位です
仰臥位で撮影されたものは横隔膜が挙上して心陰影が拡大します
わかっていて読まないと誤読に繋がります
立位のときは胃泡がniveauを形成するのでわかりますし、また立位で撮る時には肩甲骨が外側にきちんと開くはずなのでわかります
もし画像上に撮影体位が記載されていたらかならずチェックしましょう
次に正面から撮影されたかについて
正常な解剖学的位置に存在しているかどうかというのは、真っ正面から撮影されたというのが大前提で議論できます
これは、まず気管をみて、さらに椎体の極突起確認して、極突起が気管に重なって写っていれば正中位で撮影されたなと判断できます
ずれていたら体が斜めを向いていたということで、正面性が悪いので取り直しも検討です
そして深吸気時に撮影されたかどうかについて
呼気時と吸気時では胸腔の容積がだいぶ異なってしまいます
呼気時に撮影すると、横隔膜は挙上して、心陰影は増大して見え、肺が縮小して写されてしまいます
さらには、間質性陰影や浸潤影など、病変を疑わせる陰影も見られ、読影する人を混乱させます
肺がきちんと膨らんだ吸気時に撮影したものが、よりよい画像です
吸気時か呼気時かの判断は、横隔膜を見る事でだいたいつきます
右横隔膜のてっぺんが第6肋骨の先端あたりにあるのが解剖学的に予想される場所ですが、それよりも上に来てしまっていたら、呼気時かもしれないと思わなくてはなりません
(もちろん個体差がありますが・・・)
というわけで、これらの事をきちんとわかった上で読まなければ、心臓の大きさや肺の陰影について論じることが出来なくなってしまいます
わかったうえで写真をみて
「仰臥位という条件はあるけれど心臓大きいね」
というように評価するのはありかもしれません
というわけで
今回は以上!!!
次回
「見逃さないためのルーチンワーク」
自分なりの読影の順番をみにつけましょうという話をしたいとおもいます
よろしくおねがいいたします!