アンソニーさんという方のYouTube動画を拝見しました。NeoStreamの音がCDトランスポートに負けた、という動画でした。正直なところ、アンソニーさんという方のネットワーク環境で、CDプレーヤーに音が勝ることは無いと思います。

 

ネットワークオーディオの経験を積むと、実は機器が決めているのは音質のごくごく一部で、ネットワーク環境そのものが最も重要だということに気がつきます。

残念ながらアンソニーさんにはまだその経験が無いようで、Roon Coreの小型PCは寝室に置いてあり、Wifi経由で接続しているようです。

 

これはRoon再生環境としては最悪です。とにかくRoon Coreについては設置場所が重要で、wifiを噛ませてしまうと音は完全に鈍って死んでしまいます。Roon Bridgeは不思議な事にWifi接続でも練られていない有線LANよりは良いことが多いのですが、Roon CoreについてはWifiで繋いだ途端に経験上音は全く聴くに値しないほど悪くなります。

 

ネットワークオーディオは、NeoStreamの音がどうの、というよりも、その方のネットワーク環境全体で音が形作られると言っても過言では無く、残念ながら、この動画の比較自体にほぼ意味がありません。

 

上記のブログにも書きましたが、我が家ではLINNのDSはEsoteric K-03に全くかないませんでした。今思えば、当時のネットワーク環境が悪すぎたのだと思います。数千円のHUBに安物LANケーブルで接続し、それでESOTEIC K-03の音に例えLINN Akulate DSといえども勝てるわけが無かったのです。アンソニーさんの動画をみると残念ながらおそらくすでに10年ほど前にみんなが苦労したことを今やっている、という感じで完全に今更感があります。

 

Roon再生、という事で言えば、おそらくRoon Coreを寝室からオーディオルームに持ってこない限り彼が何をやっても音が良くなることは無いと思います。

 

上記のブログにある様に、そもそも、ルーター周りの電源を変えただけでストリーミングの音は変わりますし、ここのケーブルも、結構音が変わります。

 

今後、Roonコアを高性能なPCにしたり、Mac miniにしたりと試みてみる予定とのことですが、おそらく音は良くならないでしょう。だって、Roon Coreを寝室に置いて、Wifiで飛ばしているんですから。まずはそれを解決しない限り音なんてなにをやっても無駄でしょう。ひどい音しかしないはずです。

 

RoonCoreは私の経験上、高音質にするにはROCK(Roon Optimized Core Kit)を導入するのが手っ取り早いです。おそらくアンソニーさんは普通のWindowsにRoonServerを導入しただけだと思うのですが、それでは経験上音は良くならないです。私は試したことがないですが、その原理と、我が家での大電流供給バッテリー効果を考えると、PC内の負荷変動を極小にするという専用PCにDirrettaでの接続はおそらく絶大な効果をもたらすはずです。

 

いずれにしてもRoonにとってRoon Coreは決定的に重要なことは、すでに常識となっているので、EDISCREATION BACHや TAIKO AUDIO SMG Extremeなどという300万円から400万円もするWindowsベースの専用PCが売られているのです。我が家でもSilent Angel Z1をRoon Coreにして非常に音は良くなりました。

 

いずれにしても、ネットワークオーディオで本格的に音をよくするのは大変だなというのが私の感想です。でもある臨界点を超えると、Disk再生を確実に超えてきます。我が家の今の音をDISK再生で得ようと思ったら、いくらかかるかわからない感じです。それが、Silent Angel Z1、NeoStream、Ediscreation SilentSwitch、EdisCreation FiberBox2、バッテリー駆動+TAISアダプターで達成できたのですから、ある意味工夫次第ではコスパは悪くないのかも知れません。

もっと怪しげなメーカーや、クロック交換改造などを自分でやったりすればさらにコスパは良くなるはずです。

 

趣味、という意味ではディスク再生よりも遙かに手を加えられる場所は大きく、やりがいがあります。

 

果たしてアンソニーさんのネットワークオーディオの音がCDを超える日は来るのでしょうか。楽しみです。