P.349 先端が矢尻の形をした杭の建ち並ぶ、黒い手摺のついた階段が二つ並んで

いて、片方の階段には男、もう片方には女と表示してあった。


UK版P.197 there were spiked black railings flanking two flights of steps,

one labelled Gentlemen, the other, Ladies.


分かりそうで分からない細かい描写。おかげで文が複雑になっている。

先端が矢尻の形をした杭って、英語にしたらたった一言 spiked 。これは、いわゆる忍び返し。

侵入者を防ぐために、先がとがっているやりみたいなのが並んでいる柵かと。日本でもよくあるよ!


さらに。この入口は公衆トイレの入口なのだが、最初にはまだトイレとは明かされていない。

それでも、男、女という表示はちょっとぶっきらぼうな感じ。男性用、女性用の方が一般的では?


試訳:先の尖った黒い柵に続いて、階段が二つ並んでいる。片方には「男性用」、

もう一方には「女性用」と表示されていた。


ぶーぶー


その続き。


P.349 トイレの小部屋のドアのスロットに、金色のコインを差し込んで入ろうとしている。


スロットって、この場合分かるかな?ビミョーな気がするんだけど。確かにスロットという言葉は

スロットマシーンなどもあって馴染みのある言葉だとは思うけど。コインを入れる投入口をさして

スロットという使い方は一般的なのかな?トイレの小部屋ってのも…。いわゆる個室っていうか、

仕切られた一角のことだよね。小部屋では別な部屋みたい。


細かいことだけど、tokenコインと訳されているのだが、お金のコインと混同してしまう気が

して好きではない。いわゆるゲーセンのメダルとか、お金の代用になるものだからコインでも

間違いではない。金のメダルとしてしまうと、五輪のメダルっぽいしね…。


UK版P.198 as he let himself into a cubicle by inserting his golden token into

a slot in the door.


試訳:ドアにある投入口に、金のコインを入れてトイレの個室の中へ入ろうとしている。



ハートスペードダイヤクラブ


P.350 扱い慣れた自分の体よりも、ずっと嵩(かさとルビ)が大きいせいだ。


細かいけど。間違ってはいないけれど、嵩が大きいに違和感。人間の体格に使う?


UK版P.198 there was a lot more of his body than he was accustomed to.


試訳:慣れた自分の体よりもずっと大きな体格だったからだ。



ハートスペードダイヤクラブ


この程度のものは山のようにあるのだが、無視できず。


P.358 ちらりと振り返ると、背の高い魔法使いに挟まれたハーマイオニーの不安そうな

顔が、ハーマイオニーの肩の高さにあるアンブリッジの髪のビロードのリボンと一緒に

沈んでいき、見えなくなるところだった。


UK版P.203 Glancing over his shoulder, Harry saw Hermione's anxious face

sinking back out of sight, a tall wizard on either side of her, Umbridge's

velvet hair-bow level with her shoulder.


試訳:ちらりと振り返ると、ハーマイオニーの不安そうな顔が沈んで見えなくなるところ

だった。両脇を背の高い魔法使いに挟まれ、アンブリッジの髪のビロードのリボンは

ハーマイオニーの肩の高さにあった。



ハートスペードダイヤクラブ


上に同じ。


P.359 庇(ひさしとルビ)のように突き出た額が小さく光る目に影を落としている。


UK版P.203 and a great overhanging forehead shadowed his glinting eyes,


庇のようにってアリ?小さくって?ま、大した違いじゃないか。


試訳:大きく突き出た額が光る目に影を落としている。



ハートスペードダイヤクラブ


これも大したことないかもしれないけど、読みにくい…。


P.361 まもなくハリーは、この作業にリズムがあり、紙が一定のパターンで動いている

ことに気がつき、ここはパンフレットを製作しているところなのだとすぐにわかった。


文章切ればいいのにね。


UK版P.205 After a few seconds, Harry realised that there was a rhythm to

proceedings, that the papers all formed the same pattern, and after a few

seconds, he realised that what he was watching was the creation of pamphlets,


試訳:しばらくすると、ハリーはこの一連の流れにリズムがあり、紙が全て同じ形になって

いることに気がついた。次の瞬間、これはパンフレットを製作しているところなのだと分かった。



ハートスペードダイヤクラブ


上の続きなので、ここに一緒に。でも、この「魔」にまつわる下手なダジャレは別項目にしたいほど。


P.361 四角い紙は一枚一枚のページで、それが集められて折りたたまれ、魔とめられて

から、作業者の脇にきちんと積み上げられていた。


UK版P.205 that the paper squares were pages, which when assembled, folded and

magicked into place, fell into near stacks beside each witch or wizard.


magic into place は魔法で所定の位置に収められるという意味だから、魔とめられて

は、そんなに意味としては遠くないと思うけど、やるなら他の場所でも徹底してやるべきだし、

思いついた時だけダジャレにしてるというか。こんな遊びしてるなら、もっときちんと訳に時間を

かけて欲しいと思うのであった。


作業者は、2行後には作業員になっているし、その次の行では、パンフレットの束につかと

ルビがある。たばですよねー?どんな校正してるんじゃ。

翌P.362では、パンフレット作業員となっている。パンフレット作成者(pamphlet-makers)とかの方が

自然では。P.367では、パンフレットの作業者たちとなっている。もうどっちでもいいか。


試訳:四角い紙は各ページで、集められ、折られ、魔法で所定の位置に納められ、職員

それぞれの脇にきちんと積み上げられていた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.368 ガチャガチャと音を立てて二階で停止したエレベーターに、なんと魔のいいことに、

ぐしょ濡れのロンがお手上げだという目つきで乗り込んできた。


UK版P.209 To his enormous relief, when it rattled to a halt at level two,

a soaking-wet and wild-eyed Ron got in.


キター、魔のいいことに。これに相当する部分は、To his enormous relief.

魔法省でバラバラになってしまい、雨漏りを直しにいったロンを探そうと思ったばかりのハリーの

目の前にロンが現れたのだから、間がいいのかもしれないが、直訳すれば、おおいに安心したことに

ってところだから、ハリーの安心した気持ちなのでは。だいたい魔法を使ったわけでもなく、原文に

magic とは入っていない。

また wild-eyed は、パニックや焦燥、怒りなど、激しい気持ちの時に使われる。

勝手に「お手上げ」にされるのも。ロンは雨漏りが直せなくてパニックだったのでは。


試訳:幸いなことに、エレベーターがガタガタと二階に止まると、びしょ濡れのロンが

動揺した表情で乗り込んできた。



ハートスペードダイヤクラブ


P.370 エレベーターのドアが閉まり、二人はガチャガチャともう一階下に下りていった。


UK版P.210 The lift doors closed and as they clanked down another floor,

確かに they clanked down だから、二人はガチャガチャと…下りていった なんだろうけど

日本語としておかしくない?


試訳:ドアが閉まると、二人を乗せたエレベーターはガタガタと音をたて、さらに一つ下の

へと下りていった。



ハートスペードダイヤクラブ


P.372 黒いフードを被った背の高い姿で一杯だ。


うーん、細かいけど背の高い姿って日本語が不自然な感じ。せめて黒いフード姿ならば、

姿に違和感を感じないけど。


UK版P.211 ...was packed with tall. black hooded figures,


試訳:背が高く、黒いフードをかぶったものでいっぱいだった。


ディメンターなので”人影”とかを使いたくなかったのでものにしました。


ぶーぶー


P.373 そびえ立つような黒い姿の中を歩くのは、


UK版P.212 Moving through the towering, black figures


こてもちょっと変だよね?


試訳:そびえ立つ黒いものの間を通り抜けるのは、


あら。ここはものってすると変?






P.338 セドリックの二の舞だ。あの人たちはただその場にいただけなのに……」


UK版P.192 It was Cedric all over again, they were just there...'


気持ちは分からなくもないけど…。ヴォルデモートに殺されてしまった女性について、ハリーが

言った台詞。二の舞は他の人がやった失敗を繰り返すことなので、不適切かと。


試訳:セドリックのときと同じだよ、その場に居合わせたばっかりに……」



ハートスペードダイヤクラブ


P.339 こういう絆は危険だって考えたから――


UK版P.192 He thought the connection was dangerous -


は、断ち難いつながりと手元の辞書にある。だったらアリなのか?と思ったけど、と聞くと

愛情に裏打ちされたもののイメージ。大辞林には、「家族・友人などの結びつきを、離れがたくつなぎ

とめているもの」とある。


このつながりとは、ヴォルデモートが幼いハリーに呪いをかけるも、はねかえされて出来た特殊な

関係。お互いがやっていることが見えたりするんだな。だいたい宿敵に対してってのも。

そのあとにつながりと訳しているのだから、ここも単につながりとすれば良かったのに。


試訳:こういうつながりは危険だって考えたから――



ハートスペードダイヤクラブ


P.339


UK版P.192 She faltered under the look he gave her as he stood up.


一行、全く訳されていませんでした。こんなんアリ?「好き好んで」の前に入るはず。



ハートスペードダイヤクラブ


P.342 夜明けが、理不尽な速さで真夜中に追いついた。


UK版P.194 Dawn seemed to follow midnight with indecent haste.


直訳なんだかよく分からない。直訳すれば、夜明けは、慌てて夜中について

きたようだった。要はあっという間に夜明けがやって来たってことで。


試訳:夜明けは、理不尽なほどの速さで(真夜中に続いて)やって来たように思えた。

    真夜中から夜明けまでは、あっという間に思えた。

    


ハートスペードダイヤクラブ


P.344 ロンは言葉を引き取り、セキセイインコに目隠し覆いを掛けるように、

ハーマイオニーの頭からマントを被せながら、


UK版P.195 Ron finished, throwing it over Hermione's head like baize over a

budgerigar


魔法省に進入するため、路地で待ち伏せしいているシーンにて。ハーマイオニーが作戦を

いちいち説明するのに閉口したロンが、ハーマイオニーに透明マントをかける。

直訳のように、セキセイインコに目隠し覆いを掛けるとしているが、唐突過ぎる。


baize は、インコなどの小鳥が寝るときカゴに掛けてやる覆いとしても使われ、鳥が騒がしい

時にも、掛けておとなしくさせるためにも使われる。ロンはハーマイオニーを黙らせたかった

というニュアンスなのだが、このままでは日本語では意味が伝わらない。


試訳:ロンは言葉を引き取り、騒がしい小鳥のカゴに覆いを掛けるかのように、ハーマイ

オニーの頭にマントを被せ、



ハートスペードダイヤクラブ


P.344 魔女職員


UK版P.195 Ministry witch


いまさらだけど、無駄に魔女をつけてるところ多いよね。しかも変な造語にするから…。

またこの一連の文が、変な風に合体して長くなって読みにくい。なんで原書を生かさないのだろう。


試訳:魔法省の女性職員



ハートスペードダイヤクラブ


P.345 ハーマイオニーは年寄りの震え声で挨拶した。


UK版P.196 said Hermione in a quavery voice.


どこから年寄りのって出てきたんだ?


試訳:ハーマイオニーは震える声で挨拶した。



ハートスペードダイヤクラブ


P.350 ロンは、無理につき合い笑いをした。


UK版P.198 Ron gave a forced chuckle.


つき合い笑いって…。日本語として正しい?お追従ってこと?


P.350 ロンは、無理に笑ってみせた。or 愛想笑いをした。


ぶーぶー


P.353 ロンは、不安を隠すように笑い声を上げた。


UK版P.200 Ron gave a nervous laugh.


むしろ不安げなのでは?


試訳:ロンは、不安げに笑った。



ハートスペードダイヤクラブ


P.352 獣(けだものとルビ)がかった険悪な顔は、豪華な金糸の縫い取りのある、

流れるようなローブといかにも不釣り合いだった。


獣がかったなんて日本語ありなのかな。

しかもまた形容詞のかけかたがおかしなことになっている。


UK版P.199 The man's scowling, slightly brutish face was somehow at odds

with his magnificent, sweeping robes, which were embroidered with much

gold thread.


試訳:その男の険しく野蛮な顔は、ふんだんな金糸の刺繍が施された豪華なローブ

とは、どことなく不釣り合いだった。



ハートスペードダイヤクラブ


P,353 女房(にょうぼとルビ)


UK版P.200 wife


なぜににょうぼとルビ。時代劇かなにか?ヤックスリーの台詞。


※さらに、このページ前後はおおざっぱな訳になっている感じ。訳されていない単語もあるし、

ビミョーに順序や内容が変わったりしている。



ハートスペードダイヤクラブ


P.363 誰もいないオフィス


UK版P.206 an empty office


P.360にアンブリッジの部屋を事務所(UK版P.204 in her office)と訳している。省内にあるん

だからオフィスのままでいいのになぁと思っていた。でも事務所ってのもアリかって。

ところが、P.363ではオフィスになっている。だったら最初からオフィスで良かったのに。


P.363の最後の行では、部屋(UK版P.206 office)になっているし。


ぶーぶー


P.363 扉のノブ


そういえば、ノブっていっつもノブとは訳されないのに、ついに発見!と思ったら。


UK版P.206 the doorknob


なぜにドアノブとはしなかったのか?魔法省は扉と訳しているからある意味徹底している?

最後の行ではノブになっている。






いつも気になるMerlin。普通の英語でそこは God に当たるのだと思う。

このMerlinは、アーサー王伝説に出てくる大魔法使い。魔法界っぽい言い回しとして、

ハリポタでは多用されている。驚いたときなどに使うが、全く反映されていない訳し方になっている。


今回初めて出てきたのは、ロンの台詞。


P.132 「違うさ! なら、なんでまた、おたんこなすのすっとこどっこいの―」


UK版P.81 'No ! So why in the name of Merlin's saggy left -'


訳し難いのは分かる。でも、これはちょっと・・・。おたんこなすも、すっとこどっこい

私が小学生だった1980年前半ぐらい以来、聞いたことないし。

※ saggy たわんだ、ゆがんだ


試訳: 「違うだろ?! だったら一体全体どういうつもりで―」


一体全体も、17歳は言わないかもしれないけど…にひひ

ハートスペードダイヤスペード


P.146 「おっどろき、桃の木、山椒の木だ。どうやって分霊箱の本を手に入れた

んだい?」


UK版P.88 'How in the name of Merlin's pants have you managed to get

your hands on those Horcrux books? '


おっどろき、桃の木、山椒の木ってのもイマドキ…。それに、このあとに、ハーマイオニーが

ロンの台詞をマネして、思わず口走るというシーンの伏線となっている。しかし、ここでは

おっどろき、桃の木、山椒の木としているのに、ハーマイオニーの時には以下のように

訳されている。


ぶーぶー


P.327 ――マーリンの猿股!」


UK版P.186 Merlin's pants ! '


猿股という日本語もさることながら、なぜハーマイオニーが突然こんなことを言ったのか全く

分からない。しかも、これまではマーリンの…とは訳されていなので、さらなる唐突感が否め

ない。これは、あまりにも驚いたせいか、ハーマイオニーが愛するロンを口調を真似て、普段

使わないようなことをいうのがおもしろいシーンなのにね。


ぶーぶー


このネタは、まだ続いていて。帰って来たハーマイオニーに以下のように話しかける。


P.329 「それにしても、マーリンの特大猿股!そりゃ何だい?」


UK版P.187 ' And what in the name of Merlin's most baggy Y-fronts was

that about ? '



ハートスペードダイヤスペード


P.203 「なんとまあ、」


UK版P.118 Merlin's beard,


ロンのおばミュリエルの台詞。