あえて今更、別項目にする事もないが、とにかく長くて気になる。それも”味”なのかなー。


P.57 ダドリーの唇が動くのを見ていなかったら、ハリーは耳を疑ったかもしれない。

ハリーはそれでもなおダドリーを見つめ、いましゃべったのが自分のいとこだと納得する

のに、数秒かかった。間違いなくダドリーがそう言った。一つには、ダドリーが赤くなって

いたからだ。ハリーもきまりが悪くなったし、意表をつかれて驚いていた。


UK版P.39 If Harry had not seen Dudley's lips move, he might not have believed

it. As it was, he stared at Dudley for several seconds before accepting that it

must have been his cousin who had spoken; for one thing, Dudley had turned

red. Harry was embarrased and astonished himself.


試訳:ダドリーの唇が動くのを見ていなかったら、ハリーには信じられなかったかもしれ

い。それでもなお、言葉を発したのが自分のいとこに違いないと納得するまで数秒間、

ダドリーを見つめていた。第一、ダドリーは赤くなってるのだ。ハリーはきまりが悪く

り、驚いていた。



ハートスペードダイヤスペード


P.64 ハリーはみんなをキッチンに案内した。にぎやかに笑ったり話したりしながら、

椅子に座ったり、ペチュニアおばさんが磨き上げた調理台に腰掛けたり、染み一つない

電気製品などに寄り掛かったりして、全員がどこかに納まった。


「たり」が多すぎる・・・。


UK版P.44 Harry led them all back into the kitchen where, laughing and

chattering, they settled on chairs, sat themselves upon Aunt Petunia's

gleaming work-surfaces or leaned up against her spotless appliances.


試訳:ハリーはみんなをキッチンへと案内した。笑ったり、おしゃべりをしながら、椅子に

落ち着く。中にはペチュニアおばさんが磨き上げた調理台に腰かける者や、染み一つ

ない電気製品に寄りかかる者もいた。



ハートスペードダイヤスペード


P.83 3人目の・・・ も微妙に気になったけど、キリがない。忘れないようにメモだけ。



ハートスペードダイヤスペード


P.94 ハリーはトンクス夫人を見た。夫人を恐怖に陥れたまま残していくことを、詫びた

かった。しかも、自分がどんなにその責任を深く感じているかを述べて、謝りたかった。

しかし、言うべき言葉を思いつかない。どんな言葉も虚しいし、誠意がないように思えた。


UK版P.60 He looked at Mrs Tonks, wanting to apologise for the state of fear

in which he left her and for which he he felt terribly responsible, but no

words occurred to him that did not seem hollow and insincere.


試訳:ハリーはトンクス夫人を見た。自分が夫人を恐怖に陥れてしまったこと、その責任

を深く感じていることを謝りたかった。しかし、うわべだけでもなく、不誠実でもないと

思える言葉など何も思い浮かばなかった。



ハートスペードダイヤスペード


P.101 ルーピンが言い返したが、そのときようやく狭い勝手口を通り抜けたハグリッドが、

よろよろと椅子に座り込んだとたんに、椅子がつぶれ、ルーピンの言葉は聞こえなかった。


UK版P.64 Lupin's retort was lost: finally succeeding in squeezing through the

door, Hagrid staggered to a chair and sat down; it collapsed beneath him.


試訳:ルーピンの反論は聞こえなかった。やっとのことでドアを通り抜けたハグリッドが、

よろめきながら座ったとたん、椅子が壊れてしまったからだ。



ハートスペードダイヤスペード


P.129 突然ハリーは、ジニ―と二人きりになったのはしばらくぶりであると気がついた。

ホグワーツの校庭の隠れた片隅で、こっそり二人きりの時間を過ごした日々以来、

初めてのことだった。


UK版P.78 Suddenly Harry became aware that this was the first time that he

had been alone with her since those stolen hours in secluded corners of the

Hogwarts grounds.


試訳:突然ハリーは気がついた。ジニーと二人きりになったのは、ホグワーツの校庭の

隠れた片隅で、ひそかに過ごしたあの時以来初めての事だと。




P.52 おじ、おば、そしていとことの別れ―それもたぶん永遠の別れ―心の準備をする

のに、あまり悲しまなくてすむ別れだった。


英:The prospect of parting - probably forever - from his aunt, uncle and

cousin was one that he was able to contemplate quite cheerfully.


prospect心の準備としたのは、本来の文が尊重されてない気が。しかも、別れって3回も

出てくるのも・・・


試訳:おば、おじ、そしていとことの―たぶん永遠の―別れの事を考えるのは、

割と楽しいことだった。



ハートスペードダイヤスペード


P.57 この人たちは、あなたがどんな経験をしてきたか、わかっているのですか?

あなたがどんな危険な立場にあるか、知っているの?反ヴォルデモート運動にとって、

あなたが精神的にどんなに特別な位置をしめているのか、認識しているの?


UK版P.39 Don't these people realise what you've been through ? What danger

you are in ? The unique position you hold in the hearts of the anti-Voldemort

movement ?


in the hearts of 中心だと思った(苦笑)。確かに言われてみれば心の中のと訳せる。

と、一度は思ったが。


in the heart of the anti-Voldemort ならば、単に「中心的存在」というだけで「精神的」という

意味は特にない。「中心的」「中核的」という意味で英語でごく普通に使われる表現。


一方 in the hearts of だと「誰それの心の中で」という意味になるが、その後に続く名詞は人
(heartsなので複数)になるはず。anti-Voldemort movement を反ヴォルデモート運動自体
ではなく、それに関わっている人たちを示す言葉として代用しているのかも…。とは言っても
あまりそういう使い方はしないし、本来なら "in the hearts of people in anti-Voldemort
movement" になるはず。

heart か hearts でこんなに意味が変わるなんて!というわけで、ここでは
もともとの「中心的」の方で訳してみた。

試訳:この人たちはあなたがどんな経験をしてきたか、わかってないの?どんな危険

状況にあるかは?反ヴォルデモート運動の中心的存在で、特別な立場にあるという事は?



ハートスペードダイヤスペード


P.64 「臭い」


UK版P.45 The Trace


逆探知もしくは足跡かと思っていたら、「臭い」かー(涙)確かに警察犬は「臭い」を追うけど・・・。


さて、この The Trace は、新しく出てきた表現。魔法の世界では、17歳になるまで自由に魔法が

使えない。魔法を使うと自動的に魔法省に知られるのは、The Trace がついているから…と言う

訳である。原書を読んだ時には、逆探知、軌跡、印、もしくは見えない糸がつながっているような

イメージだった。あるいはGPS?!それが日本語版では、臭い となっている。trace にはそういう

意味もあるが、違和感を感じた。


こういう時って、原作者に問い合わせたりするのかな?もし、本当に臭いというニュアンスである

なら、いいのだけれど。



ハートスペードダイヤスペード


P.67 残された数少ない輸送手段を使う。


UK版P.45 We're going to use the only means of transport left to us.


試訳: 我々に残されたたった一つの輸送手段を使う。




ハートスペードダイヤスペード


P.74 「生き霊」


UK版P.49 doppelgangers (ドイツ語)


まぁ、100歩譲って許容範囲だけど違和感。ドッペルゲンガーは、自分自身の姿を自分で見る

幻覚だからなぁ…。「ハリー自身」「ハリーの分身」とかなんだろうか。



ハートスペードダイヤスペード


P.78 いっせいに飛び立ってほしい。


UK版P.51 I want us all to leave at exactly the same time.


試訳:ぴったり同じタイミングで飛び立って欲しい。



ハートスペードダイヤスペード


P. 86 バイクを一直線に下に向けた。


UK版P.56 Hagrid............and steered the motorbike into a vertical dive.


一直線に下に向けたでは、まだバイクは急角度かもしれないけど、普通の姿勢を保っていら

れる気がするのは、私だけ? vertical dive を直訳すれば、垂直急降下となる。

まぁ、一直線に下に向けたでもいいけど、甘い気が。


試訳:バイクを頭から真っ逆さまに急降下させた。バイクを垂直に急降下させた。


ちなみに、バイクはところどころオートバイになっている。原書の motorbike bike に対応させ

ているのかと思ったら、そうでもなかった…。なんでバラバラなのー。



ハートスペードダイヤスペード


P.87 ヴォルデモートは「しまった!」と叫んだ。


UK版P.57 Voldemort screamed, "NO !"


俺様が、自分の非を認めるような「しまった!」とは言わないだろう。しかも、杖がなぜ折れたの

か分からないという状況で。


試訳:まさか!、どういうことだ!、うそだ!、



ハートスペードダイヤスペード


P.95 鼻の奥がツンと痛くなるのを、ハリーは恥ずかしく思った。


UK版P.61 he felt ashamed of himself as the tears stung his eyes.


直訳すれば涙が眼を刺したとなる。鼻の奥がツンと痛くなるでもいいと思うけど・・・。


試訳:目頭が熱くなったので、ハリーは恥ずかしく思った。



ハートスペードダイヤスペード



P.128 ヴォローヴァン・パイって何でしょう?フランス語かと思って、翻訳ソフトを使ったら

vol-au-vents (UK版P.78) → flight-au-winds となった(笑)


これは、イギリスでも人気のあるパイ料理だそうだ。名前からわかるように元々はフランス料理

で、70年代頃にイギリスでも流行。その頃ほどではないが、今もスーパーで時々出来合いの

ものが買えるぐらいの人気があるとか。

単にヴォルデモートと韻を踏んでいるだけではなかったのね!


ネットで画像も検索してみたら、おいしそうなパイだった得意げ

ハリー・ポッターシリーズには、補足という形式はないけれど、カタカナに直しただけの場合、

あった方がわかりやすいのでは?と考えてしまった。でもこれを言ってしまうと、最初から

やり直しになってしまう~。


どういう書き方がベストなのかわからないけれど・・・。


試訳:ヴォローヴァン・パイ(イギリスで人気のパイ料理)











P.55 「かわい子ちゃん、何がわからないの?」


UK版P.38 "What don't you understand, Popkin ? "


Popkin は、ダドリーのこと。溺愛するペチュニアおばさんからの呼びかけである。そのまま、

ポプキンとしてしまっては誰のことだか分からない。が!どう考えても17歳(?)の息子に、

母親がかわい子ちゃんとは言わないだろう。その直前に、


P.55 「ダディちゃん、いい?」


UK版P.37 "Ready, Diddy ? "


とあるのだから、もう一度ここでダディちゃんを使うとか・・・。

(私はディディーと読んでたけど。これもダドリーだと分からないか)


こういう英語の呼びかけ(英語だけじゃないけど)は、日本語にはどうにも訳しづらいもの。

無理に訳さなくてもいいのでは。


P.58 ダッダーちゃん(Dudders)



ハートスペードダイヤクラブ


P.91,93 トンクスの父親がハリーを呼ぶ時に、son をつけているが、ここでは全く触れていない。



ハートスペードダイヤクラブ


P.133 「まもなくお兄さんがここで結婚式をあげるんですよ、坊ちゃん―


少し前にも、ロンがハリーを呼ぶ時に mate がついていたのに訳されてなくて、安心したのも

束の間。坊ちゃんって…?このシーンでは、ウィーズリーおばさんが部屋を掃除しろとロンに

お説教するところ。くどいけれど、どう考えても17歳の息子に、母親が坊ちゃんとは

言わないだろう。冗談ってことにしてもね・・・。


UK版P.81 "We are holding your brother's wedding here in a few days' time,

young man - "


原書を見直したら、 young man。年上の者が年下に対して young man という時は、相手を

大人扱いしながらも、実は「自分の方が目上である」ことを強調するような時。ウィーズリー

おばさんはロンに対して、「あなたももう子供じゃないんだから、そのぐらい分かっているでしょう」

というニュアンスをこめて言っている。一方、日本語の坊ちゃんは、子供扱いしている時に使う

言葉ではないか?


ちょっと長くなるけれど、そのニュアンスを生かすのであれば


試訳:「まもなくビルがここで結婚式をあげるというのに。もう子供じゃないんだから

そのぐらい分かるでしょう!」


お兄さんが、というのも少々不自然な気がしたのでビルにしてみた。


ハートスペードダイヤクラブ


P.202 「ルーナや、」


UK版P.118 ' Luna, my love,


ルーナの父のよびかけ。これはこれでいいのだが、ならば変に訳すところとの違いはなんだろ?