まず、ここに以下のデータがあります。

先端技術製品の世界シェア(朝日新聞より)
http://bit.ly/a8Jhbw

このデータから、韓国企業を始めとしたアジア企業の躍進が
読み取れるでしょう。
このアジア企業の勢いは、今回の上海万博の韓国や中国の産業館でも
実感することができましたが、実際のところは、日本の先端研究を
うまく応用し製品化したことがトップシェアの獲得につながったという
ケースもあるようです。

これに対し、同万博における日本産業館の展示を振り返ると、
パルスシステム(パビリオン運行システム)や壁面を上り下りする
ロボットなど、先端技術に加え"日本らしさ"が盛り込まれていたことが
とても印象的でした。
そしてこれこそが、今後日本を海外に向けてPRしていく上での
ポイントなのではないかと考えます。

では、今後の日本のPRポイントとなり得るであろう"日本らしさ"と"技術"が
掛け合わさったものとしては、どのような分野が考えられるでしょうか?
これにあてはまるのが、製造業の中でも"モノづくり"や"伝統技術"と言われ、
時には"日本人らしい細やかさ"までもが表現される日本独自の技術だと
思います。

これらの産業は一般的には、消費者のニーズが多様化したことで需要が
低迷していたり、人材・後継者が不足していたりといった状況が
伝えられていて、先が暗い印象を受けるかもしれません。
これは、以下のページの下部「現在の伝産業界の情勢」の表の中の

従事者数:28万8千人(昭和54年)→9万3400人(平成18年)
企業数:3万4000企業(昭和54年)→1万6千700企業(平成18年)

などの数値からも読み取ることができるでしょう。

参考:現在の伝産業界の情勢
http://www.kougei.or.jp/crafts/condition-index.html

しかしそのような状況でも、伝統的な技術を転用したり融合し、ニーズに即した
新たな製品の開発に活かすことで、存続している事例も存在しています。

具体的な事例としては、以下のようなものがあります。

1.「桑原嗣商店」 http://www.kuwaaki.com/
靴底メーカーとして培ってきた技術を"おもちゃの開発"に転用

2.「日吉屋」 http://www.wagasa.com/kotori/kotori.html
和傘で培ってきた技術を"照明の製造"に転用

また、協同組合が一体となって技術の転用を進めている事例もあります。

3.「万戸焼陶磁器工業協同組合」 http://www.banko.or.jp/
組合に属する中小の陶器メーカーが、万古焼の技術を活かして
"焼肉用のプレート"や"多目的鍋"など新たな商品を開発

これらの事例は、伝統技術が見事に他の業種に活かされており、
技術が生き残り、発展するための知恵の結晶でもあります。
また、根底となる知識やノウハウが蓄積されていたからこそ
実施できたこととも言えますし、そこに、日本人の精神性の細やかさが
表れていると、捉えることもできるかもしれません。

さらに伝統産業がさかんな京都においては、
「伝統産業と先端産業の融合化研究会」と言う
産学官連携の取り組みが行われています。(ページの下部)
http://bit.ly/ciT5sX

しかし、日本で伝統産業がさかんな地域と言うと、京都府、石川県、東京都など
ごく一部に限られますし、こうした場づくりができるかどうかは、地域の環境に
よって差があると思われます。

そこで今後は、伝統的な技術を転用したり融合することで、技術を活かすことに
つながる新たな場づくりやコミュニケーション機会づくりが、地域を問わず
必要なのではないかと考えました。

そのための実行案を以下のように三つ挙げてみます。
一つには、JETRO(日本貿易振興機構)が、海外市場開拓支援に
取り組んでおりますが、例えば、事例の二つ目に挙げた「日吉屋」もJETROを
通して海外の展示会に出展しました。
これをきっかけに海外展開にも成功しており、日本の伝統産業のアピール向上に
貢献しています。
そこで、例えばJETROのような推進機関が主体となって、技術の転用や融合に
フォーカスしたweb上のコンテンツを開発したり、特に新しい考えを持ち込む
若い世代の実践者をお呼びして講演会を開催してみてはいかがでしょうか?

また二つ目として、技術の転用や融合の事例を増やす上では、
伝統産業と異業種とをいかに結びつけるかが重要になってくるでしょう。
これは新たな人材の確保においても同様ですが、一見伝統産業とは関連が薄いと
思われる理工系の学生への広報展開も効果的ではないかと考えます。
そこで、技術の転用や融合の事例そのものを学生に広報すると同時に、
採用活動の際には、応募者個々の専門領域から考えられる新たな商品プランを
募集し、コンテストを開催してみるというのはいかがでしょうか?
これにより、異業種の発想が入り込み、新たな商品が生まれることも
期待できます。

そして三つ目として、伝統産業は中小零細企業が圧倒的に多く、
独自で広報をするには限界があると思われます。
したがって、独自のHPを持っていない(または自身でコントロールすることが
できていない)全国の伝統産業従事者を集めて一つのブログを作ってみるのは
いかがでしょうか?
ブログの宣伝活動業務なども含め、本部に編集機能を設置し、それに従い
伝統産業従事者が、例えばリレー形式で発信していくのが、現実的な実施体制と
言えるでしょう。
オンライン上で発信を重ねることで、次第には現場見学会や各見学地をキャラバ
ン方式で全国をまわっていくという展開も可能なのではないかと考えます。

こうして"日本らしさ"と"技術"が掛け合わさっており、かつ日本人の精神性の
細やかさまでもが表現されているものとして、伝統的な技術の転用や融合に焦点
をあててきました。
こうした日本ならではの独自性を発見し、育てていく場をつくることが、
日本が海外に向けてより良いアピールをしていくための
一つの新たな展開として必要なのではないでしょうか!?

皆様のまわりにも、関連するおもしろそうな取り組みの
アイデア・情報などがありましたら、是非お寄せください。
お待ちしています。

さて今回、パビリオンに関しては主に産業系の展示(D・Eエリア)を見て参りました。
日本産業館を中心にそちらの様子を報告したいと思います。


まず日本産業館の外観ですが、非常に独特です。
これは古い工場跡の架構をリユースしたものになっているためです。
万博の会場の敷地全体を見ても、このエリアには造船所、工場などが元々存在していた他、
1万8千世帯の住民も住んでいて、立ち退きを余儀なくされたそうです。
実際に会場外周辺に、高層マンションが林立していたのにはとても驚かされました。


【ソーシャルウインド】   【ソーシャルウインド】


さて日本産業館ですが、産業系展示を中心に構成され、先端技術に加え日本人の

精神性の細やかさや日本らしさなどを盛り込んでいた点が特に印象に残っています。

ただ残念ながら館内撮影禁止だったため、映像がございません。


・パルスシステム(パビリオン運行システム)


"パルスシステム"とは、各出展企業の映像の上映時間や展示の滞留時間が、

全て3分単位で動いていくシステムです。

これは他の館では行われていない形式で、時間管理をすることで飽きさせないよう

工夫がされている一方、時間にきっちりするという日本人の習性が感じられるものとなっていました。


・館内映像


館内は出展企業ごとに区分けされていて、それぞれの出展企業がプロモーション映像を流しています。

その内容が、日本で見る企業のCM映像などと比べて、海外向けにアレンジが施されていました。
具体的には、日本ならではの食卓の雰囲気や、障子のある日本の家を見せるいった、

日本の日常が伝わる映像シーンが強調されていました。

その他、使用人数が限定され時間の関係上、「世界一トイレ」を実際に体験することは

できませんでしたが、こちらも清潔感を大事にする日本の美意識がよく取り入れられた展示であると

言えます。


一方、館内を回り終えて、外に出てからも以下の日本らしさを感じとることになりました。


・たこ焼き屋


日本産業館の入り口横に出店されていたたこ焼き屋には、ものすごい人が群がっていました。
中国人の人たちの表情を見ていて、日本食に興味をもっている人が多いように感じましたし、

目の前で焼いている様子が見られるというのは、新鮮でたまらないのでしょう!

またその焼いている姿に、普段日本で見ていてもあまり感じたことがない

日本人の手先の器用さに改めて感じ入ってしまいました。


【ソーシャルウインド】



・夢ROBO


たこ焼き屋の向かい(日本産業館の建物の正面になります)の単管壁面には、

梯子を上り下りするロボットがいます。

勤勉に働く日本のサラリーマンを象徴しているかの様とも言われ、
絶えず動き続けている日本人の習性が感じられるユニークな展示でした。


【ソーシャルウインド】


その後は、韓国や中国等の企業連合館を訪れました。

下の写真は、時間でライトの色が変わる韓国企業連合館の外観ですが、

建物のデザインも比較的シンプルで日本とは全く異なる雰囲気です。


【ソーシャルウインド】  【ソーシャルウインド】

そこでは日本産業館にも一部ありましたが、

3D映像を流したり、タッチパネルモニターを設置するなど、

先端技術の要素がふんだんに盛り込まれておりました。

しかしその一方で、その国らしさといった演出・展示は特別感じられず、

どこか物足りなく先端技術のテーマパーク的な印象でした。


【ソーシャルウインド】 【ソーシャルウインド】

こうして、一部の展示しか見ることができませんでしたが、

日本らしさがふんだんに盛り込まれている日本産業館には、

産業系展示館の中でも独特な印象を持ちました。


さて今回の会場レポートはここまでとなりますが、
次回は、実際に見てきたものと今日本が抱えている産業を中心とした諸課題とを照らし合わせて、
今後の展開について少し考えてみたいと思います。どうぞご期待ください。




<上海万博開催概要>
テーマ:より良い都市、より良い生活
期間:2010年5月1日~10月31日(184日間)
入場者目標:7000万人
参加国・国際組織:246(参加国189、国際機関57)

会場図(※上海万博webサイトより引用)


【ソーシャルウインド】


今年の5月~10月末まで開催予定の上海万博ですが、
開会当初こそ入場者数が1日平均30万人前後と伸び悩んだものの、
今は1日平均45万人前後と伝えられています。
敷地の総面積は38ヘクタールで、これは2005年に開催された
愛・地球博の約2倍もの広さになりますが、会場のどこへ行っても多くの人で賑わっていました。
また、夜間入場券があるからか、夜も人が多くしかも終わりは24時までと長く
イルミネーションを楽しむこともできます。


【ソーシャルウインド】   【ソーシャルウインド】


実際に入場者を眺めれば、当然ながら大半が中国人の人たちでした。
万博とは言うものの外国人をほとんど見かけることはなく、この状況は愛・地球博とよく似ている
という声も聞こえてきます。会場への入場時や10以上のパビリオンに入場するまでに、
中には1時間以上費やして並ぶこともありましたが、どこでも中国語の洪水でした。
ちなみに私の観覧中は、日本語を聞く機会はありませんでした。


【ソーシャルウインド】


さて、日本国内でもよく話題に上っている「中国人のマナー」ですが、
並んでいるところを追い抜かれることがよくありました。(笑)
しかし、中には「前をつめて」と言ってくれる人もいたりしますので、
ひとくくりに「中国人=マナーが悪い」と断定することもできないなと感じました。
それに加え、並ぶときの間隔が日本に比べて非常に近いという印象をもちました。

そういうこともあり、前の方に少し空いているスペースがあると、そこに行こうということに
なってしまうのかもしれませんね。


一方、会場の設備や運営面ですが、特段の不自由を感じることはありませんでした。
トイレの数や飲食関係 (コンビニや自動販売機、レストランなど)、
休憩するための椅子の数やスペース等、どれも非常に充実していました。
私が行った時は、雨の降っている時間も多かったのですが、
休憩スペースも屋根つきのものが多く、あまり問題にはなりませんでした。


【ソーシャルウインド】   【ソーシャルウインド】

水飲み場というか給水スポットも到るところにあり、
暑い日々には非常に助けられます。やや温かったのが残念ではありましたが。


【ソーシャルウインド】


先ほども述べた通り、会場はとても広く地下鉄やバス、船など
様々な交通手段を使って移動することができます。(全て無料です。)
A~Eまで5つのエリアがあるうちのA~CエリアとD・Eエリアの間には川があるため、
その間は地下鉄か船で移動することになります。
乗る際の席の奪い合いは迫力がありました。(笑)
また、A~C内、D・E内であれば、バスという手段がありますが、
歩行者がどんどん車道に侵入して渡るので、バスのクラクションが
絶え間なく響いていました。


【ソーシャルウインド】   【ソーシャルウインド】

最後に、1つおもしろいものを見つけました!
会場の入り口で(有料で)配っているのを見たときは何だろうと思いましたが、
長時間待つ際に使える折りたたみの椅子です。


【ソーシャルウインド】   【ソーシャルウインド】

とても小さなサイズの物ですが、大人まで含めて多くの人が利用していました。


以上、会場全体の様子を簡単にご報告しました。
さて次回からは、2回に分けてさらに上海万博の様子をお伝えしたいと思います。
2日間の中で、主に産業系の展示を見てきましたので、そこから受けた印象や
今後はどんな日本らしさを発信していくべきかについて、感じた部分をお伝えしたいと

思いますのでご期待ください。
《箸の教えを受けていない?》

世界で箸を使っている人は3割と言われていますが、
(ナイフ・フォークの人が3割。残り4割の人は手)
日本には「箸」を用いたことわざがたくさんあるように、
「箸」は日本の食文化における大事な要素と言えます。
 ※参考:主な「箸」にちなんだことわざ
     http://www.hashikura.or.jp/hasi03.htm

しかし最近は、食生活の多様化や家庭内でのしつけの低下が影響してか、
箸を正しく持てない、正しく使えない子どもの割合が低くはないようです。
それと同時に正しく持てない、使えないまま大人になったという人も少なくはないようです。

これは内閣府が今年の1月にまとめた
「食事に関する習慣と規範意識に関する調査報告書」のP71~73から、
まずは正しい箸の持ち方をしていない人が多くいることがわかります。
http://bit.ly/bWkVpA

また正しく箸を使えているかについては、同報告書のP74~83から、
さぐり箸(料理の下の方から食べたいものを取り出そうとすること)や
移り箸(一度箸をつけた料理を食べずに他の料理へ箸を移すこと)などの
「嫌い箸」の行為を行う人がある程度の割合はいることがわかります。


《正しい箸使いが食を豊かにする!?》

その一方で正しい箸使いは、礼儀作法や感謝の心、しつけにも
関わり、影響を与えると言われています。

これは、2005年に農林中央金庫が子どもに対して行った調査
「親から継ぐ『食』、育てる『食』」(http://bit.ly /a1egdm)  からもわかります。
箸を正しく使える子の方が、食事の時に家族と会話をしたり、
おかずとご飯を交互に食べるなどの食習慣を身につけている割合が高いのです。
つまり、正しい箸使いが食を豊かにするとも言えるでしょう。

こうした現状に対し、箸をテーマにした教育活動"箸育(はしいく)"が行われています。
この重要性に気付き提唱し、実施している1つが、
全国有数の塗り箸の産地である福井県小浜市の
箸メーカー「兵左衛門(ひょうざえもん)」です。
http://www.hyozaemon.co.jp/

そこでは、箸の歴史や正しい持ち方、使い方やマナーを扱います。
また、箸を自分の手の大きさに合った長さで切り、表面を削ったり、絵付けをしたり、
豆を使ったゲームで集中力を養うといった教育的要素も含まれています。

こうした形で"箸育"は実施されてはおりますが、
現状でできる範囲は限られてしまっているように思われます。
さらに取り組みを拡大させていくためには、
今後新たな展開が必要と考えます。


《これからの新しい"箸育"は!?》

まず、箸が正しく持てない・使えない日本人が多いという現状や
「正しい箸使いが食を豊かにさせる」ということが伝わるよう、
パネルや映像を準備したり、「正しい箸の使い方」講座をするのは重要と考えますが、
さらに発展させるために、以下の2つを重点ポイントとして考慮しました。

・単なる教育イベントではなく、箸に親しめる場をつくり、
 そこにエンターテイメント要素を取り入れる。
・箸を通して、食の豊かさはもちろんのこと、国際理解や日本文化、
 環境に対する理解など様々なメッセージを伝える場とし、
 「箸の持つ力」を広範にアピールする。

以上の考え方をアクションに結びつけ、
以下のようなプログラムが思い浮かびました。

☆箸づくり体験&コンテスト

箸づくり教室は、今の時点ですでに様々なところで行われておりますが、
実際に作ったものを、持ちやすさや使いやすさ、見た目のデザインなどの
様々な観点から箸の完成度を競うコンテストも同時に行います。

なお箸づくりをする際には、エコ素材などを使用して環境教育と融合させることも
おもしろいでしょう。
とりわけユニークな事例として、以下のような取り組みもあります。
 ~かっとばし!!~ http://bit.ly/90orgu

☆各国の箸くらべ

世界の人々の約3割は食事の際に箸を主に使っていますが、
その3割の中でも箸の「形」は異なります。
例えば、日本は先端が細くなっているのが1つの特徴でもありますが、
各国の箸を知り、実際に使用できる場を提供します。
これにより、日本文化を見直すきっかけともなればなおよいでしょう。

また、食材によってそれぞれの箸の使いやすさは変わってくるかもしれませんし、
持ち運びのスピードを競う場を開いて楽しむのも一考です。

☆外国人対象の"箸育"のプログラム

新たなターゲットへの展開として、外国人に対象を絞った
プログラムを提供するのもよいと考えます。
今や日本食は海外でも人気があり、同時に箸の使用も広がりつつはありますが、
日本に来て始めて箸を使うという在住外国人や観光客の方もまだまだいると思われます。
箸は日本での食生活においてとても身近で外国人に、日本文化に親しんでもらう入り口
としても効果的ですし、その"箸育"によって(日本食が口に合わないと言っている)外国人の
日本食への見方が変わるという効果も期待できるかもしれません。


最後に語呂合わせからも8月4日が「箸の日」となっているので、
その記念日に合わせて開催することができればなおよいかもしれませんね。


《おわりに》

今回は2回に渡り、食育の中でも"味育"や"箸育" といった
ややマニアックとも言える食の豊かさへの取り組みを追っていきましたが、
これらは、料理教室や食品工場見学などの食育活動の影に
やや隠れてしまっているような気がします。

ただし、いずれも食育を考えていく上で、見逃してはもったいない
ポイント
のようにも感じられます。
今後は食品メーカーを始め、様々な民間団体が食育の一環で
これらの活動に取り組むのに拍車がかかることを期待したいですね。

ひとまず今回の連載は終わりとなりますが、
これからも引き続き、食の豊かさを育む"箸育"や"味育"、
またそれに替わる新たな"○育"などのアイデアと、適した実施機関について
引き続き調査、検討してみたいと思っています。

皆様のまわりにも、関連するおもしろそうな取り組みの
アイデア・情報などがありましたら、是非お寄せください。
お待ちしています。

「箸育で 食の豊かさ 大切に」

では、また次回。

《増えている味覚障害》

食を豊かなものでなくしている問題の一つに、
「味覚障害」があります。
これは味覚の刺激不足により起こるもので、日本口腔・咽頭科学会のアンケート調査では、
2003年時点に推定で24万人、13年前の1990年の1.8倍も増加していると言われています。

味覚の鈍感化により起こり得る問題として挙げられるのは、例えば
・必要な栄養素の摂取が不足する
・食べ物の毒性に気づかない

といった体の健康に悪影響を及ぼす他、

・食べ物をおいしいと感じられなくなる

つまり、前回取り上げたように食の豊かさを得られないということでもあります。

こうした問題に対し、味覚を目覚めさせる教育"味育(みいく)"
一部で取り組まれています。

この"味育"のプログラム事例として、大手ガス会社は
"味育"の先進地であるフランスの団体「フランス農事功労章受賞者協会(MOMAJ)」
と共催で、ホテルのシェフを講師に招き行っています。

そこでは、甘み・塩味・苦味・酸味の4つの基本の味を最初は溶液を
目隠ししてテストし、次に本物の食材で味わいつつ再認識することから始めます。
その後は領域を広げて農場見学や料理実習など実体験を伴う学習をするという流れで
食育の基本となる食の楽しさ、尊さ、食への感謝の念を育むことを目的としています。


《味覚障害の原因は亜鉛不足!?》

味育を考える上で、重要になってくるポイントがあります。
それは、一部の専門家・研究者が口をそろえて言っている味覚障害の原因の
一つが、体内の微量金属である「亜鉛の不足」であるということです。
(その傾向が特に若年層に多いとも言われています。)

味を感じるセンサーとなるのは、「味蕾(みらい)」という
舌や軟口蓋(なんこうがい)にある食べ物の味を感じる小さな器官ですが、
この味蕾に異常が生じる原因が亜鉛不足によるものです。

また亜鉛不足に陥るのは、不規則な食事習慣や栄養バランスの
とれていない食事が主な原因とされていますが、
市販の食料品や清涼飲料水などに含まれている食品添加物には、
亜鉛の吸収を妨げる作用があると一部の専門家・研究者も主張しています。

そこで亜鉛という切り口から、今後の味育の普及・発展の方策を
考えてみました。
ちなみに、味覚障害は子どもに限らない現象であることから、
"味育"という言葉にとどまらず、「味の体験活動」を略した言葉で
"味活(みかつ)"
という言葉を仮りにつくってみましたがいかがでしょうか?


《亜鉛で"味活"をPR!》

☆流行の「マルシェ」で味活のススメ☆

食品添加物には亜鉛の吸収を妨げる作用があると記述しましたが、
それを防ぐ手段の一つとして、(食品添加物などが使用されていない)
素材そのものの味に触れることが重要と考えます。

地方ならまだしも都市部に住んでいる人々の場合は特に、
素材そのものの味に触れる機会が少なくなっている
ように思われます。

ただ最近は、マルシェ(http://www.marche- japon.org/)  が
東京を初め全国の主要都市で開催されるようになっています。
そこで、この場を「売買をする場」としてだけでなく、
「味を体験するきっかけの場」と位置づけてみるのはいかがでしょうか?


具体的には、味覚障害の現状や原因となっていること、予防するために
どんな食生活が望ましいのかなどが書かれたパネルの展示や、
映像等を流して実際に素材そのものの味を体験できる場をつくります。
また、
しょうゆや味噌等で
添加物を使っている物といない物との
「おいしさ比べ」をしてみるのもおもしろいでしょう。

また現在、マルシェは東京の他、札幌・仙台・横浜・名古屋・大阪・福岡など
主要都市で開催しているので、より広範な地域に「味活」をすすめるべく、
キャラバン方式でまわって行くというのも一考です。

さて、味覚障害の予防策として、食品添加物の入っていない
素材そのものを体験する"味活"を取り上げてきましたが、
その一方で、亜鉛を多く含む食物というものも存在し、
具体的には牡蠣(カキ)や牛肉、チーズ・煮干し・豆腐・ごま・干しシイタケ
等が該当します。

 ※参考 食品の亜鉛の含有量 一覧表
   
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/zinc.html

そこで、これらの生産者を中心に集めて、味覚について考えたり、
亜鉛を多く含む食物を通して「味活」を促進させる情報発信活動
行うというのはいかがでしょうか?

そこでは、PRの一つの手段として味覚を活用する方策や、
生産過程を知り素材そのものに触れられるよう、
養殖場や牧場に人を呼び込む方策等を検討していきます。

実際に「平成21年度食料・農業・農村白書」(
http://bit.ly/9FlnJ5)
のP254図4-39「種類別のニューツーリズム参加希望率と経験率」
によると、「いやしの旅」や「大自然の魅力を味わう旅」への希望が中心で
「地域の食文化」や「農業体験」、「漁業体験」を楽しむ旅の人気は
これから伸ばせる可能性があると思われます。

また亜鉛を多く含む食物の特徴として、全てとは言えませんが、
豆腐・ごま・干しシイタケなど日本の伝統的な食物が多く入っています。
そこで今後は、日本の食文化の視点からの情報発信も合わせて行い、
養殖場や牧場から、
これらの情報をホームページに別途作成していく
いうような動きも期待したいと考えます。


本日はここまでです。

「豊かさは 味覚鍛えて 取り戻す」

では、また次回。

《6月は食育月間》

食育とは、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、
健全な食生活を実践することができる人間を「育」てることであり、
2005年に制定された食育基本法の中では、
「(食育は)生きるための基本的な知識であり、知識の教育(知育)、道徳教育(徳育)、
体育教育の基礎となるべきもの」と位置付けられています。

また、2006年に作られた食育推進基本計画で、6月は「食育月間」と定められています。
具体的には、国・地方公共団体・関係団体等が協力して、
食育推進運動を重点的かつ効果的に実施し、食育の国民への浸透を図るための月間ということで、
毎年食育推進全国大会が開かれる他、各地で様々な取り組みが行われています。

ちなみに、今年の全国大会は6月12・13日に佐賀で開催されます。
http://www.don3.com/shoku/

一方全国各地では自治体や学校、企業が主催となって「食育」をテーマにしたイベントが行われ、
食育について考えるフォーラムや栽培教室、料理教室、工場見学など内容は様々です。

その中でユニークな取り組みとしては、
「食育」というテーマの枠を越えたものまであります。
例えば、さいたま市の中学校では、まもなく始まるサッカーのワールドカップに合わせて
「給食ワールドカップ」というものが行われています。
具体的には、給食の時間にワールドカップ出場国の料理が日替わりで出され、
各国の料理を味わうというもので、「食育」であると同時に「国際理解教育」でもあります。


《「食の豊かさ」を考え直す》

5月末に、内閣府が平成22年版の食育白書を公表しました。
その中には20代、30代の若い世代に焦点をあてた調査もあり、
「食育」という言葉を知っていた人の割合は75.8%と認知が高まっている一方で
栄養の偏りや不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加といった
食生活や栄養バランスに関わる課題が挙がっています。

また、今後の食生活で力を入れたい事項として、
課題にも挙がっている「栄養バランスのとれた食事の実践」
「規則正しい食生活リズムの実践」の次に回答した割合が大きかったのは、

「おいしさや楽しさなど食の豊かさ(39.6%)」
「食事の正しいマナーや作法の習得(36.0%)」

で、食の本来のあり方を見直したいという意識も高いことがわかります。

ただ現状では、自治体主催のイベントや学校の授業の内容は、
食べ物の栄養に関して学んだり、実際に栽培するなどの体験型のものが多く、
企業の場合は、食品メーカー主催のものが大半で、具体的には料理教室や自社の工場見学など
が多く、食の豊かさを考え直すための取り組みというのは(目的に含まれはしますが)
十分でないような気がします。

これに対し食の豊かさを追求し、「食育」という少しわかりにくい言葉を
さらに細分化して新たに"○育"と名付けられた取り組みがあります。

そこで、次回からは2回にわけて、
「育」のつく新たな取り組みに焦点をあてていくので
ご期待ください。

◆◇・・ アイデアの種 ・・◇◆

《ご当地グルメのすごい集客力》

年1回開催されているB級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」
http://www.b-1gp.cande.biz/
)は、
年々盛り上がりを見せ、昨年は出展数が26団体、観客数が26万7000人にもなりました。

その影響もあり、
最近はB級グルメに限らず、全国の「ご当地丼」を集めてサミットを開催していたり、
今年には埼玉県の越生町で町特産の「梅とゆず」を使った料理レシピコンテストが開かれるなど、
こうした動きは全国で増えてきています。

これほどまでに開催が増えているのは、「ご当地グルメ」がそれぞれの街をPRをしやすく、
お客さんにも興味をもってもらいやすく、街にお客さんを呼び込むことにもつなげやすい
という効果があるためだと思われます。


《新種の"ご当地もの"》

それに対して最近は、全国でグルメとは異なる新種の"ご当地もの"が出てきています。
例えば、以下のような事例があります。

例1:ご当地スポーツ

茨城県日立市には木製ラケットを使ってゴムボールを打ち合う「パンポン」
というスポーツがありますが、これは元々日立製作所の工場の従業員たちから始まり、
今では競技人口が1000人以上いると言います。

また、ボウリングとビリヤードを融合させた「ビリボー」は今では新宿のゲームセンターでも
見られますが、元は愛知県が発祥の地です。


例2:ご当地ファッション

具体的な事例としては、以下の記事が見つかりました。

熊本でご当地ネクタイが人気
http://www.asahi.com/fashion/topics/SEB201004200014.html

これは熊本の名物を柄にしたネクタイが売れているという記事ですが、
このような「ご当地のデザイン」以外にも、地元産の素材を使った衣類を売り出すことも
"ご当地ファッション"に含んでよいと思います。


◆◇・・ アイデアの蕾 ・・◇◆

今後は、ご当地グルメを活用して街にお客さんを呼び込むだけでなく、
もっと幅広い層のお客さんを呼び込み、交流機会を増やしながら、
新種の"ご当地もの"を活用してイベントを開催することが有効なのではないかと考えました。

そこで、"ご当地もの"の事例も参考に、以下のようなアイデアが思い浮かびました。

1.ご当地スポーツ大会

各地で行われている"ご当地スポーツ"を一同に集めて、
競技ごとにトーナメント戦を行います。
また、応援もご当地色を強めるなどして、
幅広く各地の魅力を発信する機会にしてもらいたいと思います。
そうすることで、地域間交流やご当地スポーツの普及にも
つながるのではないでしょうか?ひいては各地域の振興にも・・・。
将来的には、世界のご当地スポーツを集めて
世界大会を開くこともおもしろいでしょう。

2.ご当地ファッションショー

全国の"ご当地ファッション"を集めて
ファッションショーを開催します。
ステージの他には、それぞれの地元の産品のブースを設け、
そこで開発秘話などの話題も提供してもらいます。
そうすることで、地元のPRにもなり、
特に消費拡大につながるのではないかと期待できます。
また、他のファッションショーとタッグを組むなどの
展開も一考でしょう。

3.ご当地雑誌&フリーペーパー展示会

全国各地で発行している雑誌やフリーペーパーを
一同に集めて、展示会を開催します。
そこでは各々にブースを設けて、各誌に広告を掲載している会社の
商品やサービスの宣伝をする機会にもしてもらいます。
また、観光で来た時に利用できるクーポンも用意し、
一般のツアー誌などでは知り得ない、豊富な情報を来場者に提供します。
規模を小さくして、古本市などの集客力のあるイベントと
同時開催することも有効だと考えます。


今回は以上の3つのアイデアを考えてみましたが、
"ご当地"というキーワードを今後も追っていき、
地元の集客アップにつながるようなアイデアについて
引き続き検討してみたいと思っています。

皆様のまわりにも、"ご当地もの"に関するおもしろそうな
アイデア・情報などがありましたら、是非お寄せください。
お待ちしています。

「新しい ご当地仕掛けて 客を呼ぶ」

では、また次回。



◆◇・・ アイデアの種 ・・◇◆

《やる気のスイッチが入る機会が減少?》

2009年に行われたリサーチ会社による「やる気のスイッチに関する意識調査」
http://release.center.jp/2009/02/2603.html ) によると、
 
「勉強に対する『やる気のスイッチ』が入ったのはどんなときですか。」

という問いに対して

試験などの結果がよかったとき(43.1%)、
問題の回答に自信がもてたとき(31.3%)、
先生や塾の講師にほめられたとき(24.4%)、

などが上位にランクされています。

この調査は勉強に限られたことではありますが、
自分自身が客観的に評価されたり、ほめられるということが、
やる気のスイッチが入るきっかけとなっていることがここから分かります。

しかし、以前に学校の運動会の徒競走で「全員同時に(ゴールの)紙テープを切る」ということの
是非が話題になったり、最近ではそれに加え、運動会(体育祭)や文化祭といった
定番行事を除いてスポーツ大会や合唱コンクールなどの"学校行事"が減少している傾向にあるようです。
これは評価されたり誉められる機会が減り、やる気のスイッチが入る機会の減少に
つながっているとも捉えられます。


《"コンテスト(五輪)"を開催してやる気も向上?》

一方で、2010年4月22日の読売新聞には以下のような記事がありました。

「介護五輪」を開催する柴田さん
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20100422-OYT8T00244.htm

これは、介護職員が入浴、排せつなどの5分野で「日本一」の技と知識を
競うというもので、特に「現場で働く若い人たちに、夢をもってほしい」という
狙いで始めたそうです。

介護という一般的に大変と言われている仕事・業務をコンテストと化し、
職員同士が切磋琢磨して競うことで、自分の技・知識がどの程度のレベルに
あるのかを客観視することができますし、個々人の長所の発見にとどまらず、
やる気の向上にもつながる好例と言えると思います。


◆◇・・ アイデアの蕾 ・・◇◆

大人は子どもたちに向けたメッセージで「何でもいいから一番になりなさい」と
よく言いますが、これからチャレンジできる機会を増やしていくという意味でも
コンテストの開催には意義があると思います。

また今回調べていく中で、他にも以下のようなコンテストの開催例が
見つかりました。

・紙芝居甲子園
http://1000kamishibai.net/

・書道パフォーマンス甲子園
http://shodo-performance.jp/~Shodo/

・学生が日本の良さを表現するCM&Webコンテスト
http://my-jpn.com/about/

コンテストの種類によっては、文化の継承や地域の活性化など、
目的や期待される成果が完全に一致しているわけではありませんが、
こうして様々なテーマでチャレンジできる機会をつくっていくことが、
より多くの子どもたちの長所の発見につながり、
やる気のスイッチが入ることにもつながっていくのではないかと考えました。

皆様のまわりにも、コンテストを開いたらおもしろそうなものはありますか?
その他にも子どものやる気のスイッチを入れるためのアイデア・情報などが
ありましたら、是非お寄せください。
お待ちしています。


「コンテスト 長所見つけて 花咲かす」


では、また次回。



◆◇・・ アイデアの種 ・・◇◆

《日本人留学生が減少?》

4月11日付のワシントン・ポスト紙に、「ハーバード大学の日本人留学生が
減少し、今年はついに1名になった」という記事が掲載され、その原因として
景気悪化とともに、“草食化(grass-eater)”が挙げられたことが、日本の
新聞でも大きく取り扱われました。

しかし文部科学省のデータを追っていくと、確かに米国への留学生数は
年々減少していますが、中国・韓国などのアジアへの留学生は急増しており、
“総数”としては、ほぼ横ばいで推移していることがわかります。

ただし、“総数”ではなく“高校生”に目を向けると、ワシントン・ポストでの
指摘が決して見当はずれでないことが見えてきます。

本年1月末に文部科学省より発表された「平成20年度 高等学校等における
国際交流等の状況について
( http://bit.ly/bJjC7t )」によりますと、海外の
学校に留学する高校生の数が、平成8年度の4,481人をピークに、
平成20年度は3,190人にまで減っているのです。


《高校生の“草食化”》

世界同時不況が発生する以前から減少傾向が始まっていたため、留学生
減少の要因を景気悪化にだけ押し付けることはできません。

ここに興味深いデータがあります。
ベネッセ教育開発センターが先月発表した「第2回子ども生活実態基本調査」
(http://bit.ly/acr15m )によりますと、

「あなたが40歳くらいになったとき、次のようなことをしていると思いますか。」

という問いに対して

 ■ 世界で活躍している
    ⇒ 小学生16.2% 中学生12.3% 高校生13.0%

 ■ 自由にのんびり暮らしている
    ⇒ 小学生59.8% 中学生68.7% 高校生60.5%

という回答が出たのです。

近年ではどの学校も外国語教育に力を入れ、「国際的リーダーを育てる」と
いったスローガンを掲げる学校が増えている状況とは逆行した現象であり、
「草食化」との指摘も、否定できない部分があります。



◆◇・・ アイデアの花 ・・◇◆

こうした「草食化」「内向き傾向」を払拭するためには、世界を股にかけて
活躍する人々の“生の声・現場”を知ることが有効だと考えます。

しかしこうした人材を学校教育現場に求めることは難しいため、
様々なポジションにいる“外部の力”が必要になってきます。

例えば、
 ・ 世界進出を考える高校生ワールドフォーラム
   世界に向けて羽ばたきたい高校生のための、国際的な交流機関を設置。
   各国の高校生同士の志交感、情報交流や、第一線で活躍している各国の
   ビジネスマン、研究者、芸能・文化人、スポーツマン、社会貢献・ボランティア、

   マスコミ等をネットワーク化して、交流機会を創ります。
   直接交流できることにより、触発度もかなり強いでしょう。
   また、ネットでの機会創出も必要となります。
    
   さらに、国際インターンシップシステムにより実際を経験することができれば、


   見るのとやるのでは大違い、が体験でき今後の進路選択にも有効です。

 日本の高校生たちが、希望する世界の人々と交流でき、しかも内容の濃い
 体験が可能な交流システムができると、彼らの目は自然と海外に向くのでは
 ないでしょうか。現状、心理的な距離はまだまだ遠く、やはり“海の外”なのです。


 肉食系の高校生が育ち易い環境づくりを、是非進めて行きたいものです。


折しも今年は坂本龍馬ブーム。
日本の歴史の大きな節目で活躍したリーダーは、常に海外を意識して
国づくりを進めました。

皆様の経験・ネットワークを活用し、次世代の“坂本龍馬”となる健全な
国際人育成のためのアイデア・情報などを是非お寄せ ください。
お待ちしています。


「いつの世も 期待を込める 次(つぎ)世代」


では、また次回。

◆◇・・ アイデアの種 ・・◇◆
2010年4月5日。日本人女性としては2人目の宇宙飛行士 山崎直子さんが
搭乗するスペースシャトル「ディスカバリー」が打ち上げられました。
宇宙ステーションISSに滞在する野口聡一さんと合わせて、現在、2名の
日本人が宇宙で活躍されています。

宇宙に対する憧れは、子どもたちの好奇心を大いに刺激するものであり、
理工系人材育成の面においても、格好の話題のひとつになり得るものです。

しかし、「宇宙飛行士なんて叶わぬ夢」と済ませている子どもも多く、
“宇宙”が彼らにとって、まだまだ遠い存在であることも事実です。

確かに仕事として“宇宙”に関わるには、かなりの努力を伴うでしょう。
しかし、そのチャンスは確実に増えてきています。
通信の世界では、今や宇宙に衛星を飛ばすことが常套手段となっていますし、
大手重機メーカーが宇宙開発事業を本格化させたり、多くの旅行代理店が
宇宙旅行を商品化するなど、民間企業のレベルで「宇宙」に関わる多様な
機会が創出され始めています。


◆◇・・ アイデアの花 ・・◇◆
そこで、子ども達にも“身近な宇宙”を感じてもらう仕掛けとして、以下の
ようなプログラムを考えてみました。

☆ 「アストロ・キャリア・フェスティバル」
 合同就職説明会のようなイベントを、「宇宙」に関連する職種に絞って、
 小~高校生を対象に実施します。
 具体的な仕事内容や各企業が描く未来の宇宙事業ビジョンを紹介する
 展示・セミナーを子ども達にもわかりやすく展開することで、宇宙に関わる
 仕事を“憧れ”から“目標”に変える機会にしてもらいたいと思います。
  ※ 宇宙工学を研究する大学・研究所等が出展し、中学・高校生の進路
    設計に役立つ情報を提供することも有効だと考えます。

☆ 「インターネットサイト『宇宙の仕事人ひろば』」
 宇宙に関わる様々な職業を紹介し、現場で働く人々との相互コミュニケー
 ションが図れるインターネットサイト『宇宙の仕事人ひろば』を開設します。
 宇宙に関わる職業を目指す小~高校生の興味・関心・好奇心を刺激する
 様々な情報を集約し、サイトを通じて直接憧れの職業の人達との交流を
 持つことは、子ども達にとって、宇宙に関わる具体的なイメージ構築の一助
 になるのではないでしょうか。

☆ 「アストロ・インターンシップ」
 主に中・高校生を対象に、実際に宇宙に関わる仕事の現場を体験できる
 インターンシップを、様々な企業・研究機関等の協力で実施します。
 インターンの様子は『宇宙の仕事人ひろば』のサイト上でインターネット中継
 するなど、臨場感のあるレポート配信を展開すれば、参加者以外の多くの
 子ども達にも、宇宙の仕事への理解を促せると考えます。


先日、「ゆとり教育からの脱却」を掲げた新学習指導要領が発表され、

理数系科目の比重が増え、教科書のページ数や学習項目が増加されることと

なりました。
しかし、理工系人材育成には、こうした改訂と同時に、子ども達を惹きつける
「スケール感」「ワクワク感」「実現可能性」を感じられる夢や目標が必要です。

2名の日本人が宇宙で活躍している今、私どもは将来の宇宙開発の担い手を
目指すタマゴ達にとってきっかけとなる具体的なアクションを考えていきたいと
思っています。

ご意見、また耳寄りな情報などを是非お寄せ ください。
お待ちしています。

「大宇宙 仕事で夢を つかむ場所」

では、また次回。