2021年ドラフト1位の森木大智投手が、来季戦力外および育成契約を結ぶ事が分かった。
まさに高卒3年目、しかも現在故障中でない選手に対する対応としては、異例の措置であった。
高卒で入団してその後成功した投手しては、今年13勝し、名実ともに阪神のエースとなった、2016年3位指名の才木浩人投手が有名である。
対するドラフト1位で入団した高卒投手は、2019年1位西純矢、前掲の森木大智ともに今のところ精彩を欠いている。
阪神の歴代ドラフトで高卒投手を1位指名する例は少なく、西純からさらにさかのぼると、2012年1位藤浪晋太郎、2005年鶴直人、その前でいうと、1998年1位現監督の藤川球児と、90年代になってしまう。
1998年の藤川から、今年まで27年間で、なんと5人しかいない。
ちなみに藤川と藤浪は主力になったが、藤浪の全盛期は実に短かく、ドラ1でなければ早々と戦力外になっていたかも知れない。
結局、スタミナ不足による先発失格の後、山口コーチとともに努力し、やがて火の玉ストレートをひっさげ、歴史に残るリリーバーとなった藤川球児が、今のところ唯一の成功例となっている。
中学で軟式の投球が150キロをマークし、スーパー中学生と言われ、やがて高知高校を経て阪神にドラフト1位で入団した森木にかかる期待は大きかった。
2021年のドラフトで阪神は、1巡目で和歌山高校の小園健太投手(現DeNA)をクジで外し、「外れ1位」で森木を指名した。
ルーキー1年目で中日戦に初先発した時は、6回で3失点と敗戦投手になったものの、その若々しいピッチングに、大きな将来性を感じた。
しかし。
その後の森木は、かつての躍動感のあるフォームが、まるで別人のように変わってしまい、直球も全然走らなくなっていた。
首の故障などいろいろ原因はあったのだろうが、2軍戦をそんなに見ない管理人も、その変貌ぶりに衝撃を覚えた。
「金の卵」だったはずなのにガッカリ。
2019年1位の西純矢も、初先発のヤクルト戦5イニング無安打無得点の衝撃は今も忘れない。
ストレートはすべて低めにコントロールされ、フォークボールもエグい。
コンタクト能力の高いバッティングもすごく、これは「次期のエース候補」と思ったものだった。
だが。
その後の西純矢は人が変わったようにボールが高めに行き、一発病に苦しめられる中、なんとか中継ぎでクビを免れていたが、岡田阪神では投手失格の烙印を押され、「打者転向」もささやかれるくらいになった。
もともとハナから実力のない選手だったらまだ期待もしないのだが、1軍初登場のイメージが鮮明で、しかもその後の成長を期待させるものだっただけに、育成されて悪くなったのか、と疑ってしまうほどだ。
もちろん、では他チームの高卒ドラ1投手がバンバン活躍しているのかというと、そもそも素材型の高卒投手を1位指名する例(高校野球で圧倒的な実力を示した松坂大輔とか藤浪晋太郎等は別として)は少ないし、ソフトバンクの吉住晴斗のようなトンデモ1位もあったりするから、何とも言えない。
大谷翔平は素材型がハマった最高のケース(だって入団して二刀流が通用するなんて誰もが思わなかった)だし、しかも高校時代は投手としてすごい素質を持っているというイメージの選手だったのが、メジャーでホームラン王と打点王を獲って50盗塁するなんて、すべての日本人の想像の上をいっている。
大谷とはいかなくても、プロのスカウトが「1巡目」に選ぶ(例え「はずれ1位」だったにせよ)選手なのだから、それなりの一流選手に育って欲しい気持ちはある。
しかもその片鱗は見せてくれてるんだから。
高卒は育成契約しないという阪神が、まだ高卒入団3年目の森木を育成に落とすというのは一見矛盾しているかも知れないが、川原陸の例もあるように、また支配下選手に戻すための措置だと信じたい。
そして藤川新監督は、同じくドラ1高卒入団の西純矢を気にかけているようで、管理人は西純矢の復活(良かった時を知っているので、あえて「復活」と言います)に期待したい。
なお、藤川は当時の「高校ビッグ4」だった及川雅貴投手に注目し、「便利屋からの脱却」を進言したらしい。
大竹耕太郎、伊藤将司、髙橋遥人に続く左の先発枠を、今年のドラ1伊原陵人や川原陸と争いますか?
森木の復帰は、TJ手術明けの小川一平や下村海翔の後かな。
阪神の育成選手は支配下に上がる選手が多い。
これで終わりではなく、ここからが本当のスタートです。
期待しています。