2月1日よりNPBの各球団の春季キャンプが始まった。
我らが阪神タイガースも毎年恒例の沖縄で１軍と２軍がキャンプを行う。
そしてそのキャンプ情報として連日報道されるのは、阪神の外野手の情報である。
外野手のレギュラーでいうと、センターの近本は定位置、しかしライトとレフトは「レギュラー未定」。
岡田監督は、昨季の後半からCS、日本シリーズに至るまでライトのレギュラーを獲得した森下に対しても、「今季のレギュラーと決まったわけではない」と檄を飛ばす。
そしてこの２つの空いた外野手のレギュラー枠に、大勢の若手の有望株、外国人選手たちが挑むのである。
その選手層の厚さはどう見ても、リーグ一、いや12球団一である。
昨季いい場面では打ったものの、打率自体は低かった森下は、確実性を上げるために打球にバックスピンをかける打法に取り組んでいる。
だが今のところ成果は出ていない。
その森下を超える大きな評価を得ているのが今年契約更改時に育成選手から支配下登録になった野口。
遠くへ飛ばす力に加え、広角にも打てるそのバッティングは、岡田監督もベタぼめである。
そして毎年期待されながら期待倒れに終わり、いよいよお尻に火が付いた井上が、絶好調でサク越え連発だという。
もともと昨季の春季キャンプ前に、森下に挑戦状を叩きつけながら、ライトのレギュラー争いに負けた前川も負けていない。
元ヤクルトの「バレンティン」並みの活躍を期待されるロマン砲ミエセスも、まだ格下だが虎視耽々とレギュラーを狙っている。
サードへのコンバートも囁かれるが、サトテルの控えに甘んじるくらいなら、本来の外野手で勝負したいだろう小野寺も、岡田監督の目に留まっている選手の一人。
2枠しかないのに、レギュラー候補が多い。多すぎる。
もう一人の外国人選手ノイジーが少々出遅れているようだが、仮に開幕に間に合わなくても、全く心配していない。
それどころか、ノイジーが万全であっても、野口や井上に負ける事だってある。
それくらい熾烈な争いだ。
残念ながらそこには豊田とか、日本ハムから渡邉諒と一緒に来て外野手に回っている高濱の名前は上がってこない。
島田は別の使われ方（代走、守備固め）をするので、一応１軍ベンチには近い存在であるが、島田をおびやかす存在が育成にいる。
それは今季育成ドラフト２位の福島圭音。
春季キャンプに参加した赤星臨時コーチが絶賛した脚力に加え、打撃もなかなかいいそうだ。
もしかしたら今季早い目に支配下選手になると、島田の上位互換として１軍起用されるかも？
何といっても昨季の島田の打撃はひどかったからね。
阪神は近年、江越、陽川、髙山、板山といった１軍クラスの中堅外野手をどんどん切っている。
しかしそれで選手層が薄くなる事はなく、逆に若手がどんどん伸びていく環境となった。
とにかく野口の実戦を早く見たいし、井上が開眼するのかにも期待したい。
森下の新打法が完成するのかしないのか。
前川の逆襲はいつ始まるのか。
ミエセスの覚醒は起きるのかどうか。
今年の阪神の外野手には楽しみしかない。