◆岡田監督ベタ褒めの門別啓人は今季ブレイクするか
「リーグ一ヤバイ件」の第2弾は、阪神の左投手の充実ぶりを挙げたい。
あの岡田監督が昨季からとにかくベタ褒め過ぎて、ファンがドン引きしてしまうくらいなのが、昨季ドラフト2位で東海大札幌から入団した2年目の左腕、門別啓人である。
岡田監督が評するに「井川慶よりも上」だそうで、とにかくそういう話を聞くだけでこちらも嬉しくなる。
だって井川慶と言えば、阪神どころかセリーグ最後の20勝投手だからね。
その井川よりも上というんだから、これはもう期待せざるを得ない。
今年のキャンプも順調に調整を続けており、臨時コーチで沖縄入りした赤星も門別をベタ褒めである。
まだプロ2年目の今年20歳の投手だから、今季ブレイクするような事があったら、今後どれだけ活躍してくれるのだろう。ワクワクする。
こんな投手を発掘してくれたスカウト、順調の育ててくれた2軍スタッフに感謝する、とともに、「投手の層が薄いため、若手を育てきれないうちに、無理やり1軍で使って打たれ、その後2軍の肥やしにしてしまい、短年でクビにする」かつての阪神とは、隔世の感がある。
◆大竹が出遅れの中で、及川の先発転向宣言、左腕の先発候補はまだいる
昨季12勝をあげた大竹耕太郎が、1月に左肩の良性腫瘍(ガングリオン)の除去手術をしており、春季キャンプの第一クールはノースロー調整だった(ただし、彼は本日ブルペン投球し、周囲を安心させている)。
気の早い人たちは「大竹は開幕間に合わないかも!」と騒いでいるが、まだ開幕まで時間は十分あるし、仮に開幕に間に合わないとしても、門別など代役はいくらでもいる。
岡田監督も大竹を焦らせるような事はしないだろう。
昨季の伊藤将司も結局開幕間に合わず、出遅れたけれども、シーズン終わってみれば10勝。全然心配ない。
その左腕先発ローテ争いの中で、中継ぎから一人先発候補に回る事になった。
それは及川雅貴で、春季キャンプは先発調整に切り替えているという。
思えば、昨季優勝決定後のブルペンデーで、9/15に初先発を経験した。
その時に今の先発転向をどれだけ検討していたのかは分からないが、たとえこの先発調整がうまくいかなくても、中継ぎとして長いイニングを投げる経験に活かせるだろう。
中継ぎに岩崎、桐敷、島本、抑えに岩崎がいる布陣。
まさに左のリリーフ陣は「盤石」というしかない。
桐敷だって、いずれ先発投手を目指したいだろう。及川との次世代の左腕ローテ投手争いは今後激化すると思われる。
(昨季、中継ぎなら絶対に即戦力だったけど、わざわざ2軍で先発調整をさせた富田蓮を忘れていたので、加筆しておきます。彼も将来の先発候補だもんね!)
そして。
2021年ドラ2創価大学出身の左腕鈴木勇斗の名がやっと出るようになった。
ドラフト当時は「1位指名でもおかしくない」と言われたが、プロ入り後制球難に悩まされ、同期入団の桐敷、前川、岡留の後塵を拝した。
もともと速球に力のある投手。
彼が制球難を克服すれば、当然戦力になる。
また、昨年秋季キャンプで、「隣で投げている西純矢とどっちが1軍の投手か分からない」と言われた現育成元2019年ドラ5の川原陸も左腕。
育成から支配下になった変則左腕岩田将貴もなかなか1軍に呼ばれないが、彼も左腕である。
1軍クラスの左投手だけでなく、これからの左投手も多く抱えている阪神は、まさに「左腕王国」だ。
◆「左腕王国」誕生のフィナーレは「髙橋遥人の復活」
まさに「左腕王国」誕生のフィナーレは、みんなが望んている「髙橋遥人の復活」である。
今季育成契約でスタートしている髙橋遥人はいよいよブルペンに入って、投球練習を行うまでに至った。
本人も手ごたえを感じているようで、あとは本格的な投球練習を待つのみである。
髙橋遥人の事はまだまだ数には入れたくないので、「出てくればラッキー」くらいに思っているが、もし今季の後半あたりに先発が出来るまでに復活してくれたら、もう笑うしかない。
伊藤将がいて、大竹がいて、遥人がいて…。
左腕3人で1カード乗り切れる。
これに門別、及川、(富田)が加われば、左腕で先発5本柱が形成される。
右は村上、才木、青柳、西勇輝、ビーズリーがいるので、左腕だけ5試合、右腕だけで5試合が回せる事になる。
どんだけ投手陣豊富なんだよ?
ヤバい、ヤバ過ぎる。