◇ゴールデン・グラブ賞決定、阪神から5名選出
第52回三井ゴールデン・グラブ賞の受賞者がこのほど発表され、我が阪神タイガースからは球団史上最多の5名が選ばれた。
捕手部門・坂本誠志郎、一塁手部門・大山悠輔、二塁手部門・中野拓夢、遊撃手部門・木浪聖也、外野手部門・近本光司の5名。
坂本、大山、中野、木浪は初受賞、そして近本は3年連続3回目の受賞。
「ゴールデン・グラブ賞」は「守備のベストナイン」と言われ、守備力に特化した選手が選ばれる事になっている。
だが、各ポジション部門のリーグNo.1の選手を選ぶ「ベストナイン」にしばしば引きずられる事も否定できず、必ずしも「守備だけのリーグNo.1」を選んでいるとは言えないのでは、という意見も多い。
そもそも、この賞は、新聞社、通信社、テレビ局、ラジオ局のプロ野球担当記者の投票により選出されるせいなのか、各球団担当である記者の様々な主観が入ってくる事が考えられる。
というのも投票結果を見ると、三塁手部門に「佐藤輝明」を入れた記者が8人もいた、という驚くべき事実があった。
「守備のベストナイン」で三塁手に輝を推す記者って一体(苦笑)?
それはまぁ極端な例として、例えば二塁手部門の中野拓夢でいうとエラー数自体は9個あり、この賞の常連の菊地(広)はエラー数3個、吉川(巨)でもエラー数5個と、完全に中野の方が多い。
「守備のベストナイン」なのに、エラー数の多い野手が受賞する、という事に矛盾がないと言いきれない点がある。
◇チーム貢献度とチーム成績が影響?
阪神ファンの管理人であっても、たとえばエラー数を持ち出されて、大山はオスナ(ヤ)よりエラー数多い、木浪は長岡(ヤ)より多くエラーしてる、と言われたらグーの音を出ない。
ただ。
今季の阪神のチームエラー数は85個でリーグワーストである。
なのに、敗戦につながったエラーがどれだけあったかというと、非常に印象が薄く、逆に中野―木浪の二遊間で投手が助かったというイメージすらある。
野手からのワンバンドの送球を巧みに好捕する大山も含めて、岡田監督の「守りの野球」を支えた内野手3人と見られていて、チームに守備で貢献していると思っている記者が、これだけ多い。
単に「エラー」と言っても、いろいろなケースがある。
捕りに行かなければエラーにはならないし、逆に守備範囲を超えて捕ろうとした懸命のプレーの末エラーをしたという事もあり得るから、「エラー」が少ない、すなわち名手という事でもない。
また失礼な言い方をすると、やっぱり低迷しているチームの中で、それほど守備のプレッシャーもない選手が淡々といいプレイをしているのと、優勝がかかっている中でギリギリの守備でチームの勝利に貢献しているのとでは、記者の印象も違う。
だから、「優勝するチーム」で「比較的いいプレイ」をして「チームの勝利に貢献する」選手の評価が上がる事は、これはもう仕方がないと思う。
かと言って、佐藤輝明をゴールデン・グラブ賞に推薦する気持ちは理解できないが…。
◇そしてマルテ・糸原・中野の最悪の内野陣を超えた安心感
矢野阪神時代の一塁二塁遊撃は最悪だった。
中野のショートはもちろん悪くないが、糸原とのコンビでは「ゲッツーの取れない二遊間」で、大いに投手の足を引っ張った。
マルテのファーストも最悪。
足も遅く、まず一塁ゴロがまともに捕れないんだから、よくあの守備で我慢したものだ。
それに比べると、一塁大山、二塁中野、遊撃木浪(または小幡)は、何て安心できるのだろう。
当たり前のゲッツーの取れるプレイだけではなく、木浪と中野で初めてぎりぎりゲッツーになるプレイも見られるなど、もっと彼らが腕を磨けば、「アライバ」の域にまで近づくかも知れないと思わせる。
もちろん、彼らの送球をきっちりファーストミットに収める大山の守備も堅い。
言うなれば、一人一人がどうというより、大山―中野―木浪のワンセットでリーグNo.1という感じだ。
岡田監督の最大の功績は、この中野―木浪ラインを形成させた事と言っても過言ではない。
木浪については、まだ同等かもしくはそれ以上の守備力を持った小幡がベンチに控えているため、まだまだ安心できない点がさらにいい。
佐藤輝明の三塁については、今秋季キャンプで小野寺暖をサードに当てる計画が始まっている。
渡邊諒は守備失格なので、小野寺を控えのサードとして置いておき、輝が不調の時にスタメンを張らせたい。
それに刺激を受けて、輝が今以上に頑張るか、あるいはマイペースを守るか、これはこれで楽しみだ。
ところで、坂本誠志郎の受賞だが、まぁ彼は完全に優勝効果だね(笑)。
これで来季「ゴールデン・グラブ賞の常連だった」梅ちゃんがどう巻き返すか。
低迷している打力と、外一辺倒のリード、これらを向上させないと、坂本とはだいぶ差が空いている。
優勝も日本一も達成したけれど、まだまだ阪神は来季も競争が激しい。
来季も「連続のアレ」を期待したい。