◇主戦捕手は梅野だが、坂本もちゃんと使う
近鉄バファローズが強かった時代、レギュラー捕手に梨田昌孝と有田修三という、2人の優れた選手がいた。
当時の西本幸雄監督は、いずれも他チームでは主戦捕手となり得る2人の捕手を、投手に合わせて併用する事で、乗り切った。
解説時代の岡田彰布も「レギュラー捕手は一人でいい」という持論だったように思う。
そして坂本を重用する矢野前監督を見て、「俺なら梅野を使う」と言っており、監督就任後も「梅野がレギュラー」と公言していた。
しかし、実際に岡田監督が今季開幕を迎えてから今日までの起用を見ると、「落ちるボールを得意とする投手はキャッチングのうまい梅野」、「細かいコントロールを信条とする投手はフレーミングのうまい坂本」と、投手によって使い分けている。
梅野はもともと矢野監督時代に、「自分を主戦捕手と認めてくれない」事に不満を持っていた。
ゴールデングラブ賞を受賞し、リーグを代表する捕手になっているにも関わらず、コーチ時代から坂本にラブコールを送り、そして監督になっても、相も変わらず重用する。
もちろん、梅野が不調の時もあっただろうし、もともとシーズンを通して全試合出られるほどのスタミナのある選手ではないので、どこかで休みを作らないといけない事情もある。
だが、彼の勝負強い打撃で躍進した2021年などは、なぜかシーズン終盤ずっと坂本がスタメンで使われ、梅野は復調してもベンチで干されるなど、意味不明の起用をされた。
トレードで阪神に来てからずっと主戦捕手を務めてきた矢野が、中日時代ずっと中村武志の控えで、捕手ではなく外野などもやらされた頃の思い出を忘れていたのかどうか分からないが、ベンチにいる者の悲哀を理解してあげられていたとは思えない。
それを外野から見ていた岡田は、梅野が一番欲していた言葉を、梅野にまず送った。
「おまえがレギュラーだ」。
しかし、坂本もその実力を見て、ちゃんと使い、また坂本が調子を上げて活躍を繰り返してからも、やはり梅野の場所は確保する。
坂本が活躍したからこそ、梅野に奮起しろ、と檄を送るのである。
◇湯浅の代役はみんなでやるからこそ、彼の戻る場所がある
「絶対的守護神」湯浅京己が右ひじのコンディション不良で途中離脱した時は、阪神ファンに衝撃が走った。
しかし、岡田監督は、湯浅の代役の守護神を一人に決めている様子はない。
周囲が「おそらく代役候補の一人」と思っていた石井大智は、早々と試合中盤に起用しているし、終盤に出したK.ケラーも「点差が空いたから使った」と言わんばかりだった。
たまたまセーブシチュエーションのある試合展開がほぼほぼなかった事もあるが、おそらく岡田監督は場合によって、投手を使い分ける方法をとるだろう、と思う。
昨日の試合、最後に上がった岩崎優も、たまたま中日打線が左が続く事と、登板間隔が空いていた事など、複数の要因から最後を締めたに過ぎない。
もちろん、昨季の守護神としての経験は買ったかも知れないが、岩崎もちゃんと「報道に流されず、じっくり治して戻ってこい」と湯浅にメッセージを送った。
これは管理人の勝手な想像かもしれないが、ここで「新・守護神」として誰か特定の投手が使われだしたら、今度復調してきた時の湯浅の戻る場所も微妙になるし、「新・守護神」の立場もあやふやになる。
岡田監督はそれを避けたいのではないか。
本当は浜地真澄にそれをやって欲しかったし、浜地が代役の守護神になっていたら、湯浅の復帰もスムーズになったとは思う。
昨日の及川も目の覚めるような投球をし、また加治屋蓮も安定しており、ビハインドで出てくる投手も「いつ勝ちパに入れてもおかしくない」顔ぶれになってきた。
でも、誰もが「守護神は湯浅」と思い、「その間は、ブルペン陣みんなで支える」と誓う。
しかもそのアナウンスをブルペン陣の長男格、いつもポーカーフェイスで飄々としている岩崎が意外に熱く語る。
金村前コーチが作った、阪神ブルペン陣、いいじゃないですか。
◇コロコロ変えない、だから選手たちはそれに応える
誰がどう考えても、思いっきり野球素人の管理人が見ても、昨季までの矢野阪神の「コロコロ守備変更」は見苦しく、耐え難かった。
監督を退任してから、矢野はもっともらしく自分の監督時代の方針を語っているが、結局エラー数がワーストだったという結果には、弁解の余地もないだろう。
守りを軽視するチームに、勝利の女神は微笑まない、ましてや優勝などあり得ない。
中野をセカンドにコンバートし、木浪をショートに定着、大山、佐藤輝も一塁、三塁固定。
昨年までと選手の顔ぶれは変わっていない、なのにエラー数激減ですよ?
やれば出来る。やってないから出来なかった。ただそれだけの事で、こうも変わるとは。
昨日の試合を見ていても、中日が昨季の阪神みたいな事をやっている。
あれを見ていても、矢野が、久慈が、代わってくれて良かったと思うのは管理人だけではないだろう。
開幕から大不振、打てば三振、守れば送球ミスとチームの足を引っ張っていた佐藤輝明も、徐々に調子が戻ってきた。
ファンの間でも、「やはり輝にサードは無理、ライトに回せ」「サードは渡邉諒でいいんじゃないか?」などという声が上がっていたが、岡田監督には全く響いていなかった。
オープン戦中は「佐藤輝の三塁レギュラーは取り消しや」などと言っていたけれど、結局初志貫徹、サード佐藤輝で通している。
その頑固なまでの起用が、少しずつ実を結びつつある。
コロコロ変えない。言った事は実行し、少しの結果ではフラフラしない。
だから選手も期待に応えるのだろう。
チームの調子もまだまだアップダウンがあるだろうし、順調にいかない事の方が多いと思う。
しかし、今先発に西純矢も才木浩人もいない状況で普通に戦えている、というのはすごい事である。
昨年ローテにいなかった大竹と村上が無双状態、というラッキーはあるものの、出遅れている浜地も含めて、投手陣の顔ぶれがきっちりそろってきたら、簡単には負けないだろう。
勝ってもあまり喜ばず(ベンチではニコニコしているがインタビューでのテンションは意外と低い)、負けてもあまり焦らない(他人事のような、こんなもんやろ、という感じ)、そんな岡田監督を見て、これまでの監督って何だったんだろうと感じる。
時々、ほんと時々「?」な采配もあるが、この人が阪神を「アレ」に近付けてくれる、今最大にして最良の人であるという事は間違いない。
#阪神タイガース
#コロコロ守備変更はダメよ
#阪神ブルペン陣最高