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ハザマの紹介④

 そして彼は強烈ないじめをくらっていた。彼の外見の気持ち悪さ、彼が腋臭だったことがいじめに拍車をかけた。

彼の苗字はハザマだったが、誰もそう呼ばなかった。みんなからは「クサオ」と呼ばれていて、そのことは彼自身も知っていた。

ハザマの紹介③

 家から持ってくる昼飯の弁当箱はプラスチック製のタッパーだった。それはかなり大きなもので、恐らく高さは十センチ弱ほどあっただろう。軽く醤油がふられた大量の白米が厚く敷き詰められ、三本の焼いた竹輪が入っているだけの弁当。彼はそれをむしゃむしゃと食べた。本当に、「むしゃむしゃ」という音を立てながら、いつも一人で食べた。その姿は、僕には、残飯を食らう浮浪者にしか見えなかった。また、その弁当を見ると、彼が家族からは少なくとも母親からは)愛されていないことが簡単に想像できた。

ハザマの紹介②

学校の中に友達は一人もいなかった。頭は悪く、勉強はできなかった。部活動には参加せず、運動も水泳以外、まるでできなかった。先生に嫌われているわけではなかったが、好かれているわけでもなく、彼の存在は答案用紙に残る鉛筆の芯の軌跡であり、それ以上でもそれ以下でもなかった。

そして、彼には爪を噛む癖があった。いつも唾液に気味悪く濡れて光る指先は、それごと青紫色に変色していて、先端にはすごく申し訳なさそうに黒ずんだ小さな爪がのっている。僕はそこから嫌な臭いが出ているような気がした。何もないときでも、いつでも顔を真っ赤にして、何かを恥じていた。彼の中ではきっと、その何かは明確にその内容が認識されているのだろうけれど。

ハザマの紹介①

 背は高く痩せていた。髪型は角刈りで短髪なのにフケで塗れ、いつも同じ位置に同じ向きの寝癖がついていた。頭の形は悪く、後頭部は断崖絶壁。輪郭はベース型で、肩幅に対して顔は大きすぎた。中学生とはとても思えないほど老けていた。「ハザマサトシ、五十六歳独身です」とハザマの目の前で真顔でいうのが、少し前クラスで流行った。皆そういって、大笑いをした。顔は醜く、僕に***症児のそれを思い起こさせた。額にある膿んだ赤と白と黄色のにきびが矢鱈と存在感を呈している。眉毛は繋がっていて、太いのに弱々しく垂れ下がり、目は二重瞼ではあるが極端に小さく、中心に寄っていて、緑色の目やにがついていた。顔は洗っていないだろうし、きっと歯も磨いていない。鼻は高くはないが、差別的に描かれた黒人の絵のそれのように大きかった。髭は濃く、口の周りはいつでも薄らと青い。唇は夏でも冬でも荒れていて常に割れ、真っ赤に充血していた。本来、唇であるべき範囲から、その赤色は無意味に大きくはみ出している。あらゆる部分の、いわゆる無駄毛は濃かった。胸や腋や腕やすねの毛は他の誰よりも濃かった。猫背で、いつも何かに遠慮するように、あるいは、いつも何かに怯えるように歩いた。