ハザマの紹介② | bations

ハザマの紹介②

学校の中に友達は一人もいなかった。頭は悪く、勉強はできなかった。部活動には参加せず、運動も水泳以外、まるでできなかった。先生に嫌われているわけではなかったが、好かれているわけでもなく、彼の存在は答案用紙に残る鉛筆の芯の軌跡であり、それ以上でもそれ以下でもなかった。

そして、彼には爪を噛む癖があった。いつも唾液に気味悪く濡れて光る指先は、それごと青紫色に変色していて、先端にはすごく申し訳なさそうに黒ずんだ小さな爪がのっている。僕はそこから嫌な臭いが出ているような気がした。何もないときでも、いつでも顔を真っ赤にして、何かを恥じていた。彼の中ではきっと、その何かは明確にその内容が認識されているのだろうけれど。