弊社の前を下校中の小学生がよく通るんだけれど、昔も今も変わらず かばん持ち というゲームに興じている姿をよく見かけます。
これは、ジャイケン(大阪の一部ではインジャン)に負けた者が、その勝者の全ての荷物を持つというもので、強者が弱者を圧するという 大人の世界 の予行演習だという考え方もある反面、明らかにイジメだとする意見もあるのです。
まあ、イジメ云々を言い出しますと、例えばライオンに食われる草食動物は全て可哀そうだからライオンを絶滅させれば良いのかと言えばそうでは無くて、それが自然の摂理でもあって、理想と現実には大きな隔たりがあるのが世の中なのです。
さて、我が国ではいくら大企業の社長であっても、常にふんぞり返っているのではなく、取引先への商談などであれば頭を低く垂れることもままあって、要は自社を有利な方向へと持っていくのが仕事なんだけれど、過日それに付け込んだのかは不明ですが、 スーパーロピア で納入業者に無償で商品陳列をさせていたと報じられていました。
関西と言いますか、私の住んでいる大阪の街ではあまり馴染みの無いスーパーマーケットですが、他社との違いは 安売り という手法のようで、その認知度も徐々に上がってきているように見受けられます!
ただ、店舗を拡大していく上で同業他社との摩擦が大きくなるのは世の常であって、 足を引っ張る と申しましょうか、このような記事が広く世間に知れ渡ってしまうと、その好感度も一気に落ちてしてしまうのですが、これって実は 大手だとどこでもやっていること なんですね…。
社会の不文律 と申しましょうか、企業が知ってほしくないカゲの部分は多々あるんだけれど、私もスーパーマーケットの改装工事などに伺いますと、100%納入業者が無償で陳列している姿を嫌というほど見てきました。
まあ、普段の商品補充はええんです!
その店のスタッフだけで何とかなります。
けど、改装などで一旦空になった店内の全ての陳列棚を短時間で元の状態に戻すとなりますと、その店のスタッフだけでは到底無理ですから、名目上は 「メーカーさん、ちょっとだけ助けたってぇ~な!」 という感じですが、実は足元を見てガッツリ攻めてくるんですね。
他方、これが嫌で嫌で仕方ないんであれば、業者も一斉に断れば済む話しなんですが、だとしても 誰かひとりでも抜け駆け すれば全てが崩れてしまうので、そうは問屋が卸さないのが世の常なのです。
ぶっちゃけた話し、「タダ働きとはけしからん!」という向きもありますが、実は納入業者にとってはこの時が史上最大の ボーナスチャンス という見方もあるんです???
わかりやすく言えば、もし貴方が例えば飲料メーカーの キリンビバレッジ の要職に就く社員であっとしましょう。
で、今回新店OPENの陳列要員を出して欲しいとスーパーマーケット側から頼まれたとしましょう…
けど、「こんなん無償なんてアホらしいからや~めた!」
「皆行くなよ! イチ抜~けた!」、と貴方が決断したとしましょう。
まあ、それが会社の方針であれば、それでもよろしいでしょう!
しかし、同じ飲料メーカーの競合でもある アサヒ飲料 は、社員総動員で新店の陳列作業に勤しんでいたとして、それをたまたま新店の視察に来たスーパーマーケットの幹部がそれを目の当たりにしたすれば、どう感じるかと言うことなのです!
「ほぅ~~! 今日はキリンさんは誰~れも来てまへんのか…」
「えらい薄情でんな~」
「けど、アサヒさんとこは総動員掛けてもろて、えろう頑張ってくれてまんなぁ~」
「ほならアサヒさん! この棚全~部あんたとこの商品、好きなように並べなはれ!」
「どないに使うても、ワシはトイチの利息は取りまへんで!」
「よろしおまんな~!」
、となるのが自然の流れとちゃいますか?
まあ、今回のロピアの出来事に対して、「こんなん下請けイジメだ」とか、道徳の教科書のようなコメントも散見されますが、だったら次回からは賃金を払うので陳列を手伝ってと申し出たとしても、納入業者はハイハイとその賃金を受け取りますかね?
すなわち、自分達の商品を販売してくれるのは他でもないスーパーマーケットのウエイトが高く、要は カバン持ちと同じ ようにそこで 力関係が生まれる のであって、より多くより幅広い陳列スペースを確保しようとするのなら、おのずとスーパーマーケットへの忠誠心が不可欠なんです。
まあ、世間知らずの公務員や、あまり社会経験の無い方でしたら知る由もありませんが、スーパーマーケットの特売なんかカラクリがちゃんとあるんです!
例えば、1個定価236円+税のカップ麺が、 特売で1個100円 でチラシに載っていました。
けど、スーパーマーケットからすれば仕入れ値を下回りますので、売れば売るほど赤字になるのですが、これっておかしくありませんか?
また、クルクル回る安価な飲食店なんかも、 100円セール 云々のCMを時折流しているのを散見しますが、いずれにしてもこれらの 激安価格 で提供できるという裏側には、必ず泣いている(泣かされている)業者が多く居るということなのです!
さて、対するスーパーマーケット側としても、その忠誠心がどの程度のものなのかを試す機会でもあるので、いわば持ちつ持たれつの関係と言えば少し違うかも知れないけれど、 販売店に金玉握られている現状 では、「世の中皆平等」 「1+1=2」 とは決してならず、これが社会のカゲの部分でもあるのです。
と言うことで、決して正しい行いだとは申しませんが、下げたくもない頭を下げ、顔で笑って心で泣いて、言いたいこともグッと抑え、日々ストレスを感じながら生きているのが、世のお父さんたちなのです。
お疲れ様です…。