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Fantôme
2,268円
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「人間活動」を経て、宇多田ヒカルがついにカムバック。通算6枚目のオリジナルアルバムは、活動休止中に配信リリースした「花束を君に」「真夏の通り雨」、DVDでリリースした「桜流し」などを収録した渾身の1作。活動休止中に色々と経験したからこそ、重たく深みのある歌詞にまず惹かれますね。
喪失や鬱蒼とした雰囲気の中でも、希望に満ちていたりする、この不思議なバランス。母親の死という出来事、さらに自身が母親になるという出来事は、大きく影響しているね。
その中でも顕著に表れているのが、先の配信リリース作品や、冒頭曲「道」だったりするわけで。そのほか、今回はコラボレーションも多く、EMIガールズ復活ということで椎名林檎とデュエットを聴かせてくれたり、新進気鋭の若手ミュージシャン、小袋成彬やKOHHなどを迎えて、新たな宇多田ヒカルワールドを展開する。
プログラミングを多用しているけれども、時にストリングスが飾ったり、ベースやギターの音が前に出てきては、生を感じさせる。宇多田ヒカルのヴォーカルも、健在だね。
ジャケットの姿は、どこかしら母親、藤圭子の面影を出す。ぼやけた雰囲気がまた、今作の世界観を醸し出しています。
SHM-CD仕様で、DVDを付けず、CD1枚で勝負する潔さがかっこいいね。