【幻】モーニン・ブルーズ 2024/06/22 | 澤田修ブログ

澤田修ブログ

ラジオDJ、ナレーター、音楽ライター、肉好き男、
澤田修のブログ

mb240622

 

前TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino / Elektra 8122 798434 0

 

N   先週はお休みして済みませんでした。「幻」初めてのお休みでした。今週か

 らは関連機材も一新してお送りします。もし音質の違いがお分かりになった

 ら、あなたは、相当に良いシステムで、しかも恵まれた環境で聞いていらっしゃ

 る。でも「そんなのカンケーネエ」という方もいる事でしょう。全ては受け取る人

 次第ですからね。

  日の出が早くなって来ました。関東では「アサー」が始まってから直ぐ本当に

 朝です。今年は夏至が6月の22日なのかな。日付は毎年同じでうるう年には変

 わる程度だと思っていましたけれど、微妙に変わってるんですね。認識を新

 たにしました。

  今朝は、まずこの歌からです。

 

M01.気持ちヨホホイホイClub Mix(5’00")月乃家小菊

-trd. I.Washizu-  歌舞音曲 KB-1002

 

N    月乃家小菊で「気持ちヨホホイホイ」、それのクラブ・ミクスでした。歴戦のスティーヴン・

 スタンリも、相手が初めての江州音頭ではディレイを飛ばすくらいしか出来なかっ 

 たようですね。音頭を執っていた月乃家小菊のお父さん、彼女にとっては師

 匠スジに当たる人でもあるんですが、その菊若さんが5月に亡くなりまして

 ね。葬儀は家族近親で済ませまして、追悼の盆踊りが6月9日にあるというの

 で、行くつもりでいたんです。そうしたら別のお方が月末に亡くなってしま

 い、6月7日通夜、8日葬儀という日程が組まれたのです。この人もわたしに

 とっては恩人ですから、出席しない訳には行かない。ですからまずそちらに

 出て、その足で大阪に向かって翌日の午前中にお宅へお線香を上げに行って

 盆踊り、という予定を立てました。わたしも体調が万全ではないので、周り

 の方々には多大な迷惑をおかけしながら、何とか日程を通しました。

  そのあと帰京して12日夜、この1月にあの世へ行ってしまった小出斉を送る

 会に出席して、その帰り道でまさかの痛風に襲われた、というのが「お休

 み」の顛末です。9日の盆踊りは天候不順で中止になってしまいましたが、各

 方面への不義理はせずに済みました。久しぶりに生で月乃家の小菊、ファミリー

 光博さんのところで河内音頭の指導を受けていると言う菊二を聞きたかった

 んですけど、それが残念でした。菊若さんには本当にお世話になリました。

 実はこのシンゴーCD「気持ちヨホホイホイ」の後には小菊ちゃんのアルバムも考えてたの

 ですが、なんせわたしひとりでやっていたものですから、実現は出来ません

 でした。

  月乃家菊若、この人はわたしの知る限りでは音頭の第一線から一度退いて

 復活、その頃わたしは「この人は当分大丈夫だな」と思っていたんです。で

 も実態は違っていたらしく、現場以外は殆ど寝たきりだった、と亡くなっ 

 た後で聞きました。

  「何も出来なかった。無力なわたしを許して下さい」遺影に何度も頭を下

 げました。これは本当の気持ちです。

 

M02.河内のオッサンの唄(3'12")ミス花子

-M.Hanako-   コロムビア COCJ-33830

 

N   今の最初のところでCD機器操作の間違いがありました。失礼。わたしはご

 存知の通り大変な不器用でして、今後もこのような事がしばらく続くと思わ

 れますが、ご容赦下さい。「不器用な方がいい」、菊若さんの奥様の菊枝さ

 んたちとのお話でも出ましたね。しかし操作に間違いがあってはなりませ

 ぬ。

  お届けしましたのは、こちらもご存知「河内のオッサンの唄」ミス花子でし

 た。

 

M03.湖国自慢 下(7'07")桜川梅勇

-trd.-   テイチク TECH-32296/7

 

N   また頭が切れてしまいましたね。桜川梅勇の「湖国自慢 」その「下」でし

 た。伝統的な江州音頭というのは、このようにテムポーもゆっくりで、楽器も

 控え目なものです。河内では京阪電車の沿線で盛んですが、ここには初代

 桜川唯丸という唯一無比の男が出まして、速度を早めて派手な演奏で江州音

 頭に革命をもたらしました。その後の河内の江州音頭は彼の影響下にあると

 言えますね。とにかく格好良いですから。なお今の冒頭、切れたのは「ヌウ

 と・・・」という音頭の唄い出し、それだけです。

  そして奇才久保田麻琴が本格的に江州音頭に出会って度肝を抜かれて、リミク

 スしたのがこれです。

 いま梅勇さんのご紹介にもありました江州音頭の名門桜川の百合子が音頭を

 執ります、「千両幟」。ユリコといっても都知事候補の古狸ではありませ

 ん。そこんとこヨロシク。

 

M04.千両幟(6'49")桜川百合子     

-trd.-   テイチク TECH-32296/7

 

N 先程から「一曲が長いなあ」とお感じの方も多いでしょう。でもね、盆踊

 り現場ではもっと長いんですよ。大体ひとり20分くらいが普通です。なん

 せ ダンス・ミュージックですから、全て12インチ・シンゴーのサイズと言えますね。20分

 を喉ひとつで持たすのは大変です。そこへ格好の素材として持ち込まれたの

 が浪曲、浪花節です。今の河内音頭は大抵が浪曲の題材をダンス調にアレンヂした

 物と言えるでしょう。

  次の「侠状仁義」も長いですよ。十分くらいあります。音頭を担当してい

 る初代 井筒家小石丸この人はヤクザの親分でした。ですから即興連発のこの音

 頭も自分に実際に起きた出来事を語っているようですね。

 なおCDを使いましたが、本当はカセット・テイプでの発売でした。原盤を作る必要

 のないカセット・テイプがオリジナルというのも河内音頭の特徴なのです。

 

M05.侠状仁義(10’04")初代 井筒家小石丸

-trd.-   コロムビア COCJ-33830

 

M06.南河大節(3'42")異邦人                         

-Dokumanpro, Y.Koyama-   -trd.-   テイチク TECH-32296/7

 

M07.当世銀座節(3'16")櫻井敏雄

-Y.Saijyo, S.Nakayama-  ソニー SICL2484

 

N 架空の「南河内大学」を舞台にした連載漫画「嗚呼、花の応援団」も一世 

 を風靡しましたね。不思議な事に作者たちは河内音頭を全く知らなかった。

 これも大変面白い事実です。

  その架空の応援歌「南河大節」に続けたのは櫻井敏雄のヴァイオリン演歌「当

 世銀座節」です。ちょうどいま読んでいる新書の内容と重なる部分があり、

 最新のハイファイで録音されている貴重な音源ですから、見つけて直ぐに手に入

 れました。なぎら健壱がソニーで制作してます。半分以上がその頃のお話なので

 すけれど、これはこれで楽しめました。それについてはまた来週以降のお楽

 しみとしておきましょう。

 

M08.赤城の子守歌(5'00")三音家浅王丸                           

-trd.arr.by A.Mitsuneya-   歌舞音曲  KB-2001

 

N 「幻」でも何回かお届けしている「赤城の子守歌」1982年渋谷での実況録

 音、三音家浅王丸でした。

  これを最初にLPで世に出したのは、P-ヴァイン・スペシャルです。番組初めの方

 で触れた菊若さんと時を同じくしてあの世に旅立ったもうひとりの「恩人」

 とは独立レイボーの祖P-ヴァイン・スペッシャルを出していたブルース・インターアクションズの創業

 者だった日暮泰文でした。

  護国寺のキング・レコードで進めていた話が最終的に断られ、藁にすがるよう

 な思いで頼み込んだこの録音の発売を受け入れてくれた時には本当に有り難

 かった。忘れられません。その「恩人」があの世に旅立ってしまいました。

  菊若さんよりも関東で有名でしたから、ご存知の方々もいらっしゃるでし

 ょう。皆んなの大好きなピーター・バラカンもNHKの番組で触れていたそうです。

  この人もわたしは当分は大丈夫だろうと見ていたんです。具合が良くな

 いというのは前から知っていましたけれど、あの人らしい我儘を通して、も

 うしばらくは居てくれるだろうと思っていました。それが突然の旅立ちでし

 た。思うところは多々ありますが、今朝は明るく行きましょう。本人も望ん

 でいたように、面白可笑しくね。

 

M09.ネクストタイム・ユー・シー・ミー(2’36")ジュニア・パーカー

-D.Robey, W.Harvey-  MCA MVCM-397                                

 

 

N わたしが日暮康文と初めて会ったのは、仕事の上で少しはやりたい事が出

 来るようになった1981年です。わたしは黒人たちの音楽に魂を奪われて久し

 かったのですが、ブルース音楽好きたちの心の中に、何か世を拗ねてイジケたと

 ころを感じていまして、「ザ・ブルース」誌の愛読者ではありませんでした。意

 図的に遠ざけていた感じかな。その月刊誌が「ブラックミュージック・リヴュウ」とな

 ってからの熱烈な読者だったのです。

  その頃ブルース・インターアクションズは毎年の年末にアメリカ本土からブルースマンを招いて

 貴重な実演を「ブルース・ショウ」と題し、全国規模で行っていました。この年は

 ジョン・リル・ジョンを呼ぶ事が決まっていました。それを「録音しfm電波で放送

 させてくれ」と、仲介に昔ブルース・インターアクションズ丁稚出身の、当時ワーナー・パイオ 

 ニアという大手レコード会社で働いていた永島修を通して頼みに行った時に初めて

 出逢いました。その時のわたしの思いは実現しました。収録は12月22日の六

 本木ピットイン。その日はたまたまピットイン上の六本木ソニーのステューディオでブルース・イン

 ターアクションズがLPのために収録をする事になっていたのです。

  日暮さんで思い出すのは、この収録の際に現場確認をしていたわたしのメモ

 を見つけて、そこへ勝手に演奏曲目の正式な題名を勝手に書き込んでくれた

 事です。年が明けて番組を作る時には、この「勝手な書き込み」が大いに役

 立ったのは、言うまでもありません。その時にジョン・リル・ジョンたちが演奏し

 たナムバの1曲がこの唄で、今お届けした「ネクストタイム・ユー・シー・ミー」でした。今

 になって思うと、彼はしっかりと考えて緻密に作られたブルース音楽が好みだっ

 たようですね。その好例がこの「ネクストタイム・ユー・シー・ミー」、お届けしたのは

 ジュニア・パーカーの唄でした。

  彼のお通夜、お葬式では、久しく会っていない人たちが一度に集まったと

 いう感じでした。わたし自身もそのひとりで、こんな時にしか会えない大勢 

 に逢えました。「もうこの世ではこの人々に会うのは最後かな」などとも思

 っていました。それほどの人たちが集まったのです。お通夜、お葬式の晩に 

 は盟友の鈴木啓志も参加しました。彼が日暮さんと一番古い友達だったよう

 で、「ザ・ブルース」誌時代のウルサイ知人たちも多くが列席しました。ヒロシさんが

 DJをして当時の虎の子シンゴーを回しながら。古い思い出などを語りました。

  そこで回ったこの時代の日本でのブルース熱を一挙に盛り上げた歌「スウィート・

 ホーム・シカゴ」が、誰の仕様かは忘れてしまいましたが、珍しいかったようです。

 「ザ・ブルース」誌時代のウルサイ知人ウルサイ知人がヒロシさんに質問してました。ここ

 では今と同じジュニア・パーカーでどうぞ。

 

M10.スウィート・ホーム・シカゴ(2'31")ジュニア・パーカー

- R.Sykes-   MCA  MVCM-397        

     

M11.スウィート・ホーム・シカゴ(2'57")ロバート・ジョンソン

-R.Sykes-  ソニー FCCP  80046/7

 

N   ジュニア・パーカーに続けましたのはロバート・ジョンソンの「スウィート・ホーム・シカゴ」でし

 た。ヒロシさんのお話によるとふたりが知り合ったきっかけはボビー・ブランドだ

 ったようですね。これも意外でした。当時から「ブルースは何と言っても唄だ

 よ」と言うのが持論だったそうです。

  では日暮康文の弟子のひとり高橋英明がライナを描いた日本のMCAから出た

 2枚組ベスト盤から代表曲「アイ・ピティ・ザ・フール」を聞きましょう。

 

M12.アイ・ピティ・ザ・フール(2'")ボビー・ブランド

-D.Malone-   MCA  MCMD-399/40      

 

N 彼がブルース・インターアクションズを始めたのは1976年の夏の終わり。その時には、

 この音楽を世に問いたく、人生を賭けたのです。この話は、一番弟子の高地

 明から聞きました。聞いて下さい、カルヴィン・リーヴィー です。

 

M13.カミンズ・プリズン・ファーム(4'39")カルヴィン・リーヴィー 

-C.Leivy-   Pヴァイン  PCD-3851/4

 

N   カルヴィン・リーヴィー「カミンズ・プリズン・ファーム」、記念すべきP-ヴァイン・スッペシャルの

 第一号です。この恐ろしい歪みを伴うギターの音色、決してイフェクタなどを使って

 いるのではありません。そこんとこヨロシクね。

  さてわたしの「恩人」のひとり日暮康文は滅び行くブルース音楽に変わらな 

 い愛情を注ぎながらも、若い最前線の黒人音楽にも嗅覚は鋭く、今をときめ

 くラップ音楽を初めて日本に正式に紹介したのも彼でした。

  では、グランド・マスタ・フラッシュとフューリアス・ファイヴで「スーパー・ラッピン」を21世紀

 の今、じっくりとお聞き下さい。

 

M14.Super rappin'(6'14")Grand Master Flush & The Furious Five 1:02'30"     4-14

-B.Robinson, Furious Five-   Pヴァイン    PCD-3851/4

 

M15.Memphis soul Stew(6’16”)Jerry Gamut

-C. Ousley, J.Jemmott, C.Balley-   Pヴァイン    PCD-3851/4

 

M16.I Can't Stop Loving you(4'00")Ray Charles        

-D.Gibson-   ワーナー/ Rhino / Atlanntic AMCY-6160

 

 

後TM  Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N    最後から2番目は、Pヴァインで出したベイス連作の中からジェリー・ジェモットの人生

 を変えてしまった「今夜の特別料理 メムフィス・ソウル・シチュー」の再演でした。

  その次は、何も言う必要のないレイ・チャールズの「愛さずにいられない」です

 ね。これが最後だった理由は、来週お分かりになるでしょう。

  前回は「幻」、初めてのお休みを頂きました。どうもありがとうございま 

 す。一回休んだら、本編へのコメントがたくさん来ました。ありがとうね、ワツシは

 元気ですよ。有難いご指示も頂きました。教育テレビ「今日の健康」も見まし

 た。こんな感じでもうしばらく続けます。よろしくね。

 

 

  今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

   https://80.gigafile.nu/0628-l653d09ab7b4821875ab5eaea2a6627bf

   ダウンロード・パスワードは、いつものようにありません。

   使用音楽素材図絵は、ここです。

   https://64.gigafile.nu/0628-db40b23d27183f01c340cddf809c4d3f3

   ダウンロード・パスワードは、同じく「なし」。

   共に7日間の限定ですのでお早めに。

 

  今朝も、ちょうど時間となりました。

  こちらは、https://ameblo.jp/djsawada よろしくお願い致します。

  どんなコメントでも受け付けています。どうぞご自由にご投稿下さい。

  エックスのhttps://twitter.com/hashtag/blues761?f=live も便利です。お好き

  な方で構いません。聞いているだけのあなたも、是非どうぞ。とは言え、

  未だにわたしはすんなりとエックスに入れず人に見せてもらっているのです。

 

  「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。今朝も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサーです。ほら、もう明るいぞ。

 

 

 

※【幻】告知専用X アカウントがあります。 フォローお待ちしています。 
◆X ➡ mornin_blues @BluesMornin

https://twitter.com/BluesMornin?s=20  )

◆X(旧Twitter) ➡ 鷲巣功【本人]@Isao_Washizu