【幻】モーニン・ブルーズ 2024/06/08 | 澤田修ブログ

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ラジオDJ、ナレーター、音楽ライター、肉好き男、
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前TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino / Elektra 8122 798434

 

N はいお元気ですか、土曜朝のワツシイサヲです。なんだかんだ言ったところで結 

 局のところは「初夏」です。「されど5月」とかいうご投稿を頂いたような記

 憶もありますが、みなさんこの「初夏」を気持ち良く過ごしていますか。

  わたしと言えば、もう少し元気になりたいな。そして、もっと大勢の人た

 ちに逢いたいですね。もう自分だけじゃなくて、地球が危ないですからね。

 さあ今朝も元気良くいきましょう。後で後悔しないように、思い切り生きま

 しょう。

  今朝の一曲目はこの歌です。

 

M01. ダイナ(3’41”)デイック・ミネ

-H.Akst, S.M.Lewis, J.Young, T.Mine-   テイチク TECE-3085

N   ディック・ミネで「ダイナ」でした。先週の冒頭2曲、初音家「パンク」賢次の「旅

 立て俊徳丸」と三音家浅王丸「赤城の子守歌」で「昔はボーイズ系かと思っ

 た」というご投稿があって、そう言えば「ボーイズ」もあったなあと思い出し

 ました。そこからの連想で、ディック・ミネの「ダイナ」をお届けしました。彼の

 ベスト盤が手許にありました。収録されている楽曲にこんな歌もありました。

 

M02.上海リル(3’48”)ディック・ミネ

-A.Dubin, H.Warren, I.Tsuda-     テイチク TECE-3085

 

N    「上海リル」でした。これは「上海帰りのリル」とは違うんですね。わたしは

 今回初めて気が付きました。あちらは津村謙の歌です。ディック・ミネが唄ってた

 ような記憶がわたしには有りますが、おそらく間違いでしょう。そもそもは

 この「上海リル」のアンサ・ソングだったそうですが、「上海帰りのリル」の方がヒット

 して、映画も作られたそうです。その煽りで数曲似たような歌もあったとい

 います。リルさんも忙しかったんですね。

  リルと聞けば、思い出す馬鹿な話があります。わたしが、まだ駆け出しのラジ

 オ番組制作のアシスタント・ディレクタだった頃ですから、今から少なくとも40年以上

 前のお話です。西新宿のラジオ局で仕事をしていて親分から「リールが足りない」

 と言われ、隣の部屋へ「リールを貸してください」と借りにいったところ、そこ 

 で仕事をしていたディレクタが「リール、リール」と、突然「上海帰りのリル」を唄い出

 したんです。するとそこにいた全員が合唱するようになって、それは凄かっ

 た。そのディレクタはわたしと同世代の人間ですから、ヒットしていた頃を知ってい

 る訳がないのに不思議でした。それだけの話ですが、わたしには「リル」さん 

 が出てくる度に思い出されるのです。もちろん今も思い出してひとりで笑っ

 ていました。

 

 

M03.ダイナ(2’02”)榎本 健一

-H.Akst, S.M.Lewis, J.Young, H.Sato-   東芝 TOCT-6019/20

 

N   これはエのケそこと榎本 健一 の「ダイナ」です。悪質なタカリと居直りの歌です。

 何故かこの仕様もかなり前から知ってるなあ。サトーハチローの訳詩が冴えてます。 

 次もサトーハチローの言葉が効いてます。

 

M04.南京豆売り(1’28”)榎本 健一  

-M.Simons, H.Sato-   東芝 TOCT-6019/20

 

N   よく知られた「南京豆売り」でした。「ピーナッツ」と来るところを「マメエ」と

 はね。この手のユーモアに最近ではあんまり接する事がないようです。

  わたしはこの喜劇王が生きていた頃を知っています。時折テレビに出て来て

 ました。しかし、大御所としての「出演」に留まっていましたし、わたしも

 子供だったのでそれ程の影響は受けていません。「マメエ」はもっと昔に聞き

 たかったな。彼は三木鶏郎の下でこういう感覚を磨いたようです。では今も

 通用するメセヂの歌をふたつどうぞ。

 

M05.これが自由というものか(1’28”)榎本 健一    

-T.Miki-   東芝 TOCT-6019/20

 

M06.チョンボ・マンボ(2’07”)榎本 健一 共演:楠トシエ

-T.Miki-   東芝 TOCT-6019/20

 

N   さて本来のボーイズです。タクシドライヴァさん、どうも有り難う御座います。いい

 閃きしてますね。では彼らのオハコの「ダイナ競走曲」です。

 

M07.ダイナ競走曲(6’51”)あきれたぼういず  

-Akiretaboizu-   テイチク TECH-25064

 

N   「ダイナ競走曲」あきれたぼういず、でした。本来は「狂騒曲」でしたが、こ

 れは益田喜頓が入って4人組になってからの吹き込みです。これも「ダイナ」の

 ヒット効果の産物です。その位「ダイナ」は売れたんですね。「競走曲」のオリヂナル

 もわたしのレコード棚のどこかにある筈ですから、出てきたらお届けしましょ

 う。しかしながら、実に感覚が幅広く、即興、物真似を含んだ達者な芸には

 本当に脱帽です。呼吸もピッタリですね。相当には稽古を積んだのでしょう。で

 は彼らに敬意を表してもう1曲お届けします。

  ご存知「三十石船」の行りがとても面白い「あきれた石松」。

 

M08.あきれた石松(6’30”)あきれたぼういず       

-Akiretaboizu-   テイチク TECH-25064

 

N   「あきれた石松」あきれたぼういずでした。

  この間「スタジオヴォイス」という雑誌の平成4年5月号を読んでいたら、今は亡き

 平岡正明が「歌謡曲の神話~ベストテン時代へのレクイエム」という特集に一文を寄せ

 ていましてね、そこに「ブルース艶歌」「浪花節艶歌」という言葉が出てきま

 した。なるほどね「ブルース艶歌」に「浪花節艶歌」か、と感心しました。流

 石です。「アンコ椿は恋の花」の都はるみは「浪花節艶歌」になるそうで、本人 

 も子供の頃に「浪花節調でうなると五円貰えた」と言ってました。浪花節っ

 てのは一時期この国の音声芸能を圧倒していたらしい。ただしその凋落ぶり

 も凄まじかったといいます。この話も面白いですね。

 

M09.トゥ-・ヤング(2’43”)マリー・アン・ギャラント          28’30”~0’00”

-S.Lippman, S.Dee-  ビクター  VICJ-60716/7   

 

M10.珊瑚礁の彼方に(3’08”)マリー・アン・ギャラント  0’00”~0’00”    

 -J.Pitman-  ビクター  VICJ-60716/7

 

N   今お聞き頂いたのは、いうまでも有りませんね、「トゥ-・ヤング」と「珊瑚礁

 の彼方に」です。唄っていた女性はマリー・アン・ギャラント、米軍婦人部隊に所属し

 ていたそうで、本国の地元ロス・エインジェルズではいっぱしの歌手として通ってい

 た、と言われています。馬鹿げた太平洋戦争でアメリカ合衆国に惨敗した日本は

 この国を占領されてしまい、この大国は自分たちの文化を当たり前のように 

 持ち込みました。そのひとつが音楽でして、兵隊の慰問名目で大勢の演奏家

 もこの国に送り込まれたのです。彼らは職業音楽家、いわゆるプロでした。

  日本の警察や消防、そして自衛隊などには、音楽を演る事で給料をもらっ

 ている人間が大勢います。公務員扱いなのかも知れませんが、プロ・ミュージシャン

 なんですね、彼らは。この吹き込みはそういった人たちがビクターに残した録

 音です。中には日本人プレイヤもいたでしょうが、命令系統は「進駐軍」から出

 ていました。

 

 

M11.モシ・モシ・アノネ(2’34”)ジョニー・ワトソン楽団

-pd. J.Watson-   ビクター  VICJ-60716/7

 

 

M12.お江戸日本橋(2’24”)ジョニー・ワトソン楽団

-trd.-   ビクター  VICJ-60716/7

 

N  これらは日本に進駐していたバンマスのジョニー・ワトスンが吹き込んだ、ノヴェルティのイ

 ンスト曲です。世界各地の進駐先でこういう事もやってたんですね。こういうの

 ばかり集めて、1枚出来ないかな。わたしは買いますよ。予約してもいい。

   さて、この頃日本人は何をしていたか、と言いますと戦時中の禁制が溶けた

 で活動自体には自由さがあったでしょうが、戦後の動乱の中で新しい問題は

 山のように押し寄せていたのでしょう。戦前の録音ですが、日本人の文化対

 応能力の素晴らしさを物語る「流線形ジャズ」です。これは「りゅうせんが

 た」と発音して下さい。

 

M13.流線形ジャズ(3’26”)志村道夫

 -Y.Fujiwara, R.Hattori-  コロムビア  COCP-33867

 

M14.おしゃれ娘(3’18”)淡谷のり子、コロムビア・ナカノ・リズム・シスターズ

 -Y.Kubota, R.Hattori-  コロムビア  COCP-33867

 

 

N 小西廉陽が編集したと思われる『ハットリ・ジャズ・アンド・ジャイヴ』はこのよう

 に余韻なしで各曲が繋がれているので、志村道夫の「流線形ジャズ」に続いて

 淡谷のり子とコロムビア・ナカノ・リズム・シスターズの素晴らしい「おしゃれ娘」の次

 まで出てしまいましたね。時々こういうのがあります。気持ちは分かります

 が、普通のコムピ盤でしたら、各トラックは独立していた方がよろしいのではない

 でしょうか。

  さて「ダイナ」で始まった古い音源の音楽、すっかりSPの雑音が当たり前に

 なって来ました。ではそれを締め括る意味で「ダイナ」をインストルメンタルでどうぞ。

 

 ポリドール周辺の音楽家の集まり、ブルースカイ・スウィング・プレイヤースの演奏です

 

M15.Dina(3’21”)ブルースカイ・スウィング・プレイヤース

-H.Akst, S.M.Lewis, J.Young-   ユニバーサル  UICZ-8137/8

 

M16.私の青空(2’49”)大津賀八郎/スタンダードジャズバンド  23.   30’20”

-W.Donaldson-  Gramclub  G10035

 

 

N    今の酷い「私の青空」は大津賀八郎/スタンダードジャズバンドでした。『へたジ

 ャズ!』という題名に偽りのないCDアルバムからお届けしました。みんなヤケにな

 っているような演奏が面白かったですが、何度も聞きたくはなりません。

  SP原盤で聞いて参りました今朝の「幻」、ここらでEPに戻しましょう。

 

 

M17.シャロック(2’26”)中尾ミエ

-K.Arai, K.Yasui-   Big Beat  CDWIKD  238

 

 

N これは封切りの時に珍しく観た映画「アルプスの若大将」で加山雄三のグループ

 の対抗馬としてエレキ合戦に出場する中尾ミエのバンドの持ち歌「恋のシャロック」の

 筈です。ほぼ50年振りに出逢いました。でも少し違っています。「ハニハニ」と

 言うキイワードが 出て来ません。イギリスの物好きが、1960年代末の混乱期の女

 性歌手を『ニッポン・ガールズ~ジャパニーズ・ポップ、ビート・アンド・ボッサ・ノーヴァ』

 という括りで纏めたコムピCD盤に入っていました。

 

M18.星のプリンス(3’27”)久美かおりとザ・タイガース

-J.Hashimoto, K.Sugiyama-    ワーナーWPC7-8576

 

N この歌にもやはり朧げで有りますが、記憶があります。シンゴーにもなってい

 ないのに、聞いていた覚えがある。『60年代のビート・ガールズ・ウイズ・GS』と

 言う当時ボツになったと思われる吹き込みを集めた盤からです。女声は映画の

 ヒロインに抜擢された久美かおりです。彼女が当時人気絶頂のタイガーズと吹き込ん

 だのは他にあったかな。面白いのは間奏のあと短いシークエンスをトッポがひとりで

 唄うところでした。

  この盤は珍しい録音が沢山入っています。当時、演奏がまともに出来るグル

 ープサウンズは原盤制作の現場で重宝したんでしょうね。次も珍しい吹き込みで

 す。ピーナッツの「恋のフーガ」を奥村チヨがひとりで唄っています。演奏は、レオ・

 ビーツ名義になっています。

 

M19.恋のフーガ(2’17”)奥村チヨとレオ・ビーツ    

-R.Nakanishi, K.Sugiyama-   ワーナー WPC7-8576

 

N やっぱり追っかけコーラスが欲しい「恋のフーガ」でした。チヨも少々色気出し過

 ぎの感がありましたね。

  さてその昔、ベイFMでピーター・バラカンと作っていた墓場シフトのラジオ番組では2

 時間の中で、1曲使用の違う「柳よ、泣いておくれ」を流すという唯一の決

 め事がありました。その他は全くの自由。一度はマイルス・デイヴィスの『イナ・サイレ

 ント・ウエイ』をぶっ通しで使った事もありました。思い出すなあ。

  その「ウイロウ・ウィープ・フォー・ミー」がレッド・ガーランド・トリオのLP『グルーヴィ』に

 入っていたんですね。これまで気付きませんでした。ベイスはポール・チェインバ

 ズ、ドラムズはアート・テイラー、では「柳よ、泣いておくれ」です。

 

 

M20.柳よ、泣いておくれ(9’29”)ザ・レッド・ガーランド・トリオ

-A.Ronnell-   ビクター  VICJ-41232

 

M21.My Babe(4’04”)Ramsey Lewis

-W.Dixon-  MCA CHD-6021

 

M22.Since I Fell For You(3’21”) Ramsey Lewis

-B.Johnson-   MCA CHD-6021

 

後TM  Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

 

  N  今朝は先週の短かった分のお詫びで少し長めです、「なんてまた時間計算

 を間違ったのだろう」って、ですか。その通りです。新しいPCがうまく動か

 なくて困っているのですよ、本当は。おしまいの2曲はラムジー・ルイスの実況録音

 で「マイ・ベイブ」それと「シンス・アイ・フェル・フォー・ユウ」でした。良かったです

 ね。 

 

   今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

   https://23.gigafile.nu/0614-dc45adf78ebe0ce61e790041c4baa4a84

   ダウンロード・パスワードは、いつものようにありません。

   使用音楽素材図絵は、ここです。

   https://23.gigafile.nu/0614-dfc6d84cee14152b2f0b4d0761b66a0ba

   ダウンロード・パスワードは、同じく「なし」。

   共に7日間の限定です。

 

  今朝も、ちょうど時間となりました。

  こちらは、https://ameblo.jp/djsawada よろしくお願い致します。

  どんなコメントでも受け付けています。どうぞご自由にご投稿下さい。

  エックスのhttps://twitter.com/hashtag/blues761?f=live も便利です。お好き

  な方で構いません。聞いているだけのあなたも、是非どうぞ。

 

 「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。

  わたしから今朝も首都圏で9人のあなただけに。アサーです。

  そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。今日は梅雨入り前の青空。

 

 

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