【幻】モーニン・ブルーズ 2023/08/05 | 澤田修ブログ

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ラジオDJ、ナレーター、音楽ライター、肉好き男、
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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り /  Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino 8122 798434 0

 

N  先週は「ユウガターッ」の更新でしたか、申し訳有りません。今週は「アサーッ」で

 す。さあ、盛夏8月です。でもね、考えてみるとあとひと月半もすれば、秋

 のお彼岸です。昼と夜の時間が同じで、そこから先はもう夜の方が長くなる

 のです。まだまだ暑そうですけどね。

  「もう日本に四季は無い。夏と冬のふたつの季節だけだ」そんな意見を耳

 にしました。私も全く同感です。一番過ごし易い「春」と「秋」がなくなっ

 てしまったこの国、日本。特に「初夏」が無くなって、寒い冬の次が猛暑だ

 なんて、私としては嫌だなぁ・・・。

 

M01.サマータイム(3’55”)憂歌団

-I.&G.Gershwin-  TDK TKCA-30169 ②

 

N  憂歌団2枚目のアルバム『セカンド・ハンド』から、「サマタイム」でした。先々月、紀伊

 半島の地方都市のライヴ・ハウスで、いま唄っていた木村充揮と遭遇しました。驚

 くほど元気でした。飛び入り的に出てきて憂歌団のデビュー曲、「お掃除オバチャン」

 だったかな、唄も文句なかった。わたしの考える日本の歌唄いの5人に間違

 いなく入る人だな、木村充揮は。素晴らしかった。その時の感動はまだ熱く

 残っています。ち冷えさんのリクエストは同じグループの「サマタイム・ブルーズ」でした

 が、木村充揮の「サマタイム」、お聞き頂きました。

 

M02.Musutang Sally(3’08”)Wilson Picketts 

-B.Rice-  Atlamtic 7 81737-2

 

N  同じくち冷えさんのご希望で「マスタング・サリー」です。こちらも本当は映画「コ

 ミットメンツ」のサウンドトラックをご希望でしたが、圧倒的な存在感で迫る、ウイルスン・ピケ

 ットのオリジナル仕様でお届けしました。冒頭のハイハットで誰もがやられてしまいます。

 そしてピケットのヤクザっぽい唄のノリ、本当にカッコ良い。みんなこれをキメたがるん

 ですよね。だいぶ前の事になりますが。ある場所で外国人のオッサンを中心とし

 たアメイチュア・バンドが1曲目にこの歌を持ってきて驚いたことがあります。確か

 グループサウンズのジャガーズも録音してたな。出来はこんなにカッコ良くなかったで

 すけど。大ヒットしたポニー・カーの祖とじゃじゃ馬のような女性を引っ掛けて唄っ

 た、ウイルスン・ピケットの「マスタング・サリー」でした。

  さて、ごく普通のブルーズ・バンドだったのを再認識したフリートウド・マック、「幻」

 の重度聴取者の方々は彼らが「ごく普通のブルーズ・バンド」だった事をとお

 の昔からご存知だったようで、「ワツシは何を今頃騒いでいるんだ」と訝しがっ

 ている方も多いのではないでしょうか。初めの3枚を今週全て聞き直したん

 ですが、ちっとも「ヌーロックの旗手」ではありませんでした。わたしの勝手な先 

 入観でしょうかね。

  ただこの季節、学校が夏休みに入って、ただ意味もなく暑い日が続く頃は、

 例の『ジャム・アト・チェス』を漠然と聞いていた思い出があるので、やはりフリートウド・ 

 マックなんですよ、わたしにとっては。

 

M03.World’s In A Tangle(5’11”)Fleetwood Mac And Others

-J.Lane-  Sony / Columbia 480527 2

 

N  この録音は1969年の1月、厳寒のシカーゴで行われていますから、夏の暑さ

 とは何の関係もありません。でも今の「ワールズ・イン・ア・タンゴー」を聞くと、高

 校1年生の、具体的な目的も無く、ただ「ブルーズ」という観念に無性な興味

 を抱き始めていたあの頃が蘇ります。聞けば、その頃実家にあった大時代な

 セパレイト型のステレオ再生装置が浮かんで来るんです。

  この『ジャム・アト・チェス』の、わたしが先に聞いた「第二集」は、基本的に

 没テイクを纏めたような気がしています。今の「ワールズ・イン・ア・タンゴー」では始

 めの方でミック・フリートウドが太鼓を叩くのを辞めています。他の人たちがそのま

 んま続けるもんだから、気を取り直して、途中からまた始めますが、こんな

 の本来は「NG」でしょうね。

  シカーゴへ乗り込んだはいいけれど、メムバたちが本物のブルーズメンと忠実に ブ

 ルーズをなぞるので、制作側としては当惑したのではないでしょうか。多分ね、

 ザ・ローリング・ストーンズの『12 x 5』みたいのを作れるという過信があって、そう

 は簡単に行かない事がはっきりしたので、「じゃあ資金回収のために2枚組に

 

 しよう」こんな決定がされたんじゃないか、わたしは本気で考えています。

  もちろんここでの出逢いが偉大なるエルモ・ジェイムズにつながったので、何の

 恨みもありませんがね。

  では『ジャム・アト・チェス』のイキの良い 1枚目から聞きましょう。サクスフォンにJ.T.

 ブラウンを配した「マディスン・ブルーズ」です。

 

M04. Madison Blues(5’35”)Fleetwood Mac And Others

-E.James-  Sony / Columbia 480527 2

 

N  少々事前の打ち合わせ不足で、特に後半は成り行き的に演奏されてましたが、

 フリートウド・マックとシカーゴのブルーズ音楽家たちとが共演した『ジャム・アト・チェス』か

 ら「マディスン・ブルーズ」でした。  

  さて先週はオリヂナル・アルバム『聖なる鳥』から冒頭の「ニード・ユア・ラヴ・ソー・ 

 バッド」をお聞き頂きましたが、その後CDとして発売された『聖なる鳥』で

 はその「ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド」が5つ収められています。今朝は、ピー

 ター・グリーン入魂のこの歌の長尺版をお聞き下さい。CD『聖なる鳥』の冒頭に

 収められた「ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド」のヴァージョン2、テイク2というクレジット

 が付けられています。

 

M05.ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド(Version #2, Take2)(6’56”)フリートウッド・マック

-L.W.John-  エピック ESCA 7826

 

M06.ジャスト・ワン・ルック(2’37”)ホリーズ

-P.Carroll-  東芝 TOCP-53372

 

N  フリートウッド・マック時代のピーター・グリーンが「ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド」をキメて

 くれた後は、同じくイギリスのビート・グループ、ホリーズの「ジャスト・ワン・ルック」、アトラン

 ティックでドリス・トロイが1963年に唄ってヒットさせた物のカヴァですね。ホリーズはその

 翌年、64年2月に発表しています。

  その昔のLP時代には、東芝からこの手のビート・グループのベスト盤連作が出て

 いま して、わたしが働いていた西新宿の放送局にも揃えられていました。

 ドリス・トロイの唄で馴染んでいたわたしは、「おおホリーズ、なかなか演るじゃない

 か」とこの仕様をよく聞いていました。先週の「バス・ストップ」を誦んじてい

 て全部唄えたというタクシ・ドライヴァさんのご投稿に嬉しくなって、ベスト・コレクショ

 ンCDを買ってきました。「ジャスト・ワン・ルック」ホリーズ仕様は40年ぶりくらいで

 聞きました。ちょっと記憶と違っていた部分もありましたが、これです「ジャ

 スト・ワン・ルック」。そのベスト・コレクションCDにはこんなカヴァも入っていました。

 

M07.ポイズン・アイヴィ(2’00”)ホリーズ

-j.Leiber, M.Stoller-  東芝 TOCP-53372

 

N  永遠の名曲、リーバー・ストーラー作の「ツタウルシ」です。先のベスト盤LPに入ってい

 たかも知れませんが、気がつきませんでした。この頃のホリーズはこのように北 

 米R&Bのカヴァが多く、特にコースターズの歌を多く採り上げています、それもシン

 ゴーで切って、ある程度はヒットさせているから、大したもんです。

  さて次はオリヂナル曲、69年2月の19枚目のシンゴー盤でした。

  「ごめんね、スザンヌ」。

 

M08.ごめんねスザンヌ(2’57”)ホリーズ

-Stephen, Macaulay-  東芝 TOCP-53372

 

N  ホリーズと言いますと、クロズビー、スティルス・アンド・ナッシュのグレアム・ナッシュがメムバだっ 

 た事で知られています。今の「ごめんね、スザンヌ」では、もうそのグレアム・ナッシ 

 ュはグループを辞めていて吹き込みにも参加していませんが、独特のコーラス・ハーモニ

 ーは健在でした。

  さて、ブルーズ界のギタリストと言いますと、70年代にはB.B.、アルバート、フレディ

 の三人がよく挙げられていました。彼らははっきりした血縁関係こそありま

 せんでしたが、同じ「キング」姓でしたから、よく「三大キング」と言われまし

 た。フレディは早く亡くなってしまいましたが、B,.B.とアルバートは一緒に来日もし

 ていまして、その時は「キング対決」と言われたとか言われなかったとか。そ

 の三人が同じ盤の上で火花を散らす CDアルバムが出ます。『ザ・スリー・キングズ・

 ライヴ・イン・ザ・セヴンティーズ』と銘打たれ2枚組で登場です。

  考えてみますと、この三人が揃っているレコードこれまでに有りませんでした。

 この2枚組も、それぞれが同じ舞台に上がったかどうかは定かでは有りませ

 ん。また録音状態が極めて悪く、相当に荒っぽい造りです。しかし、だから

 こそこの三人が日頃どのような実演を行なっていたかよく分かります。恐ら

 く黒人たちが殆どの観客の反応も凄まじい。すでに誰もこの世にいない「三

 大キング」の生の姿を知るには最適ではないでしょうか。もちろんヒット曲は殆ど

 全てが演奏されています。その全てでは有りませんが、お付き合い下さい。「三 

 大キング」の揃い踏み、『ザ・スリー・キングズ・ライヴ・イン・ザ・セヴンティーズ』です。

  3人の賢者、まずはB.B.キングの十八番「スウィート・シクスティーン」。そして、これは

 珍しいフレディ・キング「エイント・ノー・サンシャイン」。それにアルバート・キング「悪い星の下

 に」と続きます。

 

M09.スウィート・シクスティーン(5’28”)B.B.キング  

-B.B.King-  BSMF 7701

 

M10. エイント・ノー・サンシャイン(6’00”~)フレディ・キング

-B.Withers-  BSMF 7701

 

N  ビル・ウィザーズの「エイント・ノー・サンシャイン」も。この後はブルーズ進行になってしま

 います。「やはり」というか「流石」ですね。続いては御大アルバート・キングが登

 場して「悪い星の下に」を唄います。

 

M11.悪い星の下に(5’28”)アルバート・キング

-B.T.Jones-  BSMF 7701

 

N  凄まじいですね、「三大キングズ」の実演。お客さんたちは音楽というよりも、    

 スポーツ観戦のようです。こういうところで毎晩演奏してりゃ、何よりもタフには

 なりますでしょうね。

  さて「三大キングズ」次の三曲です。

  まずアルバート・キングで「オウ、プリティ・ヲーマン」、

  そしてB.B.キングは、これもオハコですね。

  「ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット」

  最後はフレディ・キング、

 

 

  あの「ハイダウェイ」。

 

M12.オウ、プリティ・ヲーマン(4’27”)アルバート・キング 

-A.King-  BSMF 7701

 

M13.ハウ・ブルー・キャン・ユー・ゲット(5’31”)B.B.キング 

-B.B.King-  BSMF 7701

 

M14.ハイダウェイ(4’25”)フレディ・キング

-F.King-  BSMF 7701

 

N  いやはや暑い日にはあまりふさわしくないかも知れません。「三大キング」の

 揃い踏み、『ザ・スリー・キングズ・ライヴ・イン・ザ・セヴンティーズ』、熱い熱い実演を

 お送りしました。

 

M15. .ムーン・リバー・チャチャ( (2’31”)バーニー・ケッセル   

-H.Mancini, J.Mercer-  ワーナー WPCR-27211

 

N  今のはバーニー・ケセルの「ムーン・リバー・チャチャ」でした。先日、クリント・イーストウドが

 主演している、往年の宇宙飛行士が空に飛び出すという映画を観ました。そ

 の主題歌が「ムーン・リバー」でした。

  先日カレー屋で聞いて気になっていたケニー・バレル、あれはバーニー・ケセルではなか

 ったか、という疑問が湧いてきました。この次に行ったら、もうカッコ着けずに

 尋ねてみようと考えています。今のはリル・リチャードのスペシャリティ・セッションであの前

 進ビートを叩き出したアール・パーマーがドラムズだと言うんで聞いてみましたが、あ

 の前進ビートとは無縁の大人のアール・パーマーが居ました。

 

M16.On The Green Dolphin Street(4’04”)  

-Kaper, Washington-  Universal / Comtemporary 002518615624

 

N  こちらは先の「ムーン・リバー・チャチャ」収録のアルバムとは違いまして、レイ・ブラウン

 がベイス、 シェリー・マンがドラムズを務める『ザ・ポール・ウイナーズ』という盤からです。

 有名な「オン・ザ・グリーン・ドルフィン・ストリート」でした。

  このバーニー・ケセルという人は細やかなフレイズが上手ですね。編曲家になったら

 大成功したんじゃないか、そんな気もします。確かずっと前にケニー・バレルと一

 緒に来日したんじゃなかったかな。公開録音をラジオで聞いたような記憶が残

 っています。

  では細やかなフレイズが次から次へと繰り出される、このナムバを聞きましょう。

  「ミーン・トゥ・ミー」、収録アルバムは、前と同じ『ザ・ポール・ウイナーズ』です。

 

M17.Mean To Me(6’28”)Bunny Kessel

-Yurk, Ahlert-  Universal / Comtemporary 002518615624

 

TM Born Ind Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N   非常に厳しい日程で仕上げた今週の「幻」いかがでしたでしょうか。

 間違いがない事を祈っております。気づかれたら、そっと教えてくださいね、 

 そっとですよ。

  

    今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

   https://30.gigafile.nu/0809-b3dedc7a3986b8d46d1d267e72fa9dc68

   ダウンロード・パスワードは、ありません。

   使用音楽素材図絵は、こちら。

   https://30.gigafile.nu/0809-c08f72a0e3ea2670c09b2eaa52a9aaffc

    ダウンロード・パスワードは、同じく「なし」です。

 

  ちょうど時間となりました。

  こちらは、https://ameblo.jp/djsawada よろしくお願い致します。

  どんなコメントでも受け付けています。どうぞご自由にご投稿下さい。

  ツイターのhttps://twitter.com/hashtag/blues761?f=live も便利です。お好き

  な方でどうぞ。

 

  「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。来年も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、アサー。もう2023年8月のアサーです。

 

 

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