台風接近の前、まだ新幹線が動くうちにと、予定通り昨日18時半の東北新幹線に乗った。前の記事の通り週末イベントが中止になったので、来週予定していた帰省を繰り上げたのだ。
この時間の東北新幹線はいつもの金曜以上に混んでいたが、何とか席を確保して東京までうつらうつら。
しかし少しだけ遅れて20時前に着いた東京駅、その東海道新幹線改札内ががえらい混雑!
週末金曜の帰りの通勤客に、恐らく明日の運休に備えて、先に移動をしている旅行客と思しき人々で、年末年始以上の混み具合だ。
ただでさえ混雑した客の乗降で列車が遅れているところに、どっかの馬鹿が非常停止ボタンを押したとかで、前の新幹線が発車しない状況が続いている様だ。
本当だったら20時過ぎのひかりに乗る予定が、その前の19時35分がまだ発車しておらず、35分遅れているとの表示。それに乗り込んだものの当然座れず、どんどん乗り込む客に通路半ばまで押し込まれてしまった。
前述の通り前の列車が動かないので乗ったまましばらく待ち、結局本来の発車時刻から約50分以上遅れての発車。
しかしようやく動いても品川の手前でまた信号待ちとなかなか進まない。品川、新横浜、静岡という停車のひかりだったので、新横浜を出た後はスムーズではあったが、通路で立ちっぱなしの1時間40分はなかなかにキツかった。
スマホの電池が厳しかったので、いつものように音楽聴きながらゲームなどするのも避けて、文庫本を持参しなかったことを後悔しながらぼんやりと立っていたのだが、俺を挟んでやはり立っている外人さんの友人同士が会話しているんで、ネイティブの英語を堪能して暇つぶしって内容はさっぱりわからなかったが(笑)。
そんなこんなで静岡到着は21時40分。流石に疲れましたな(笑)。
在来に乗って自宅最寄駅に到着したのが22時15分。本当なら3時間少しで到着予定だったが、4時間近くかかった計算だ。
普段はかみさんに迎えにきてもらうのだが、今日はタクシーで帰るからと断っていたのに、そのタクシーがこれまたなかなか来ない(笑)。
最後の最後まで待ってばかりの移動だった。
地元で4年に1回開催の祭も明日は中止らしい。そんな中、今日は休みだった下の娘の勤める店舗は明日の休業連絡が来なかったらしく、えらく憂鬱そうだった(笑)。
そんな娘が作ったカレーで遅い夕食。
日曜に自分で作ったトマト風味カレーを、帰宅が2時と遅くなった一昨日に夜食で同僚とまたカレー、そして今日と、カレーライスが被るのは本当に確率が高いんだよなあ(笑)。
もちろんそんな事情は一切語らず美味しくいただいたのであった。
さて、いよいよこれから台風本格的に接近だな。明日の娘の送りもあるから眠るとするか。
連続の強力な台風、各地の被害が少ないことを祈るばかりであります。
と言うわけで、わかっていたけど今週も地獄続きだった(涙)。
先週土曜のイベント終了後、日曜はうつらうつらで過ごしてしまったが、月曜が0時帰宅後、持ち帰り仕事3時まで、火曜も会社を出たのが日付変わって帰宅は1時、水曜はとうとう2時の帰宅。もうほんとこんなおっさんなのに我ながらようやるわというヘロヘロの毎日だった。
これも今週末土曜のイベント準備のためなのだったが、台風19号が直撃するコース故、中止の可能性が出てきて、先週大変な思いで準備した広告も、クライアントの取り止めの依頼に応えるプラスの処理が加わって忙しさに拍車がかかったのだった。
さっさと中止になればそれだけで済むのだが、それでも実施の可能性もあるので、当日向けての台本を仕上げたり、スタッフマニュアルの細部を整えたり、備品を確認したりと、両方の仕事を進めなければならず、とにかく時間がない中、処理と準備で毎日があっという間だったのだ。
それが今日、いや日付変わったから昨日の水曜、やっと開催中止の正式決定がくだったのだ。
今日は快晴、秋晴れの素晴らしい天気だったが、2日後の土曜はまだ台風が来る前とは言え、予想される荒天の中の実施は危険も伴うし、出演者も観客もたまらんのだから中止は賢明な判断だとは思う。
この2週間連日深夜までかかった準備対応がすべて水の泡となるし、恐らく実施しなかった分、減額の契約変更ということになるのはちょいと悔しいのはある。しかしそれ以上に、精神的なギリギリ感から解放され、何より昨日の木曜と明日の金曜が、この仕事だけで忙殺される地獄の様な事態から解放されたのは正直ホッとしたのも事実なのだ(笑)。
中止決定後、各所にキャンセル連絡したりもあったが、ここ2週間手がつかなかったその他の仕事が進められたのは本当にありがたかった。
もっともこんなに溜め込んでいたのか…と頭を抱える量で、それを追いつかせるために結局帰宅は23時を回っちまうことになったのだけど(笑)。
それでも日付変わる前に帰れたのは、何だか凄く早く帰宅できた気分だったのは確かだ。
日曜に仕込んだ煮物も、久々のアメトーーク!観ながらビールとともについに食い終えたのも嬉しかったぞ(笑)。
さて、そんなわけで休めることになった週末の3連休。今週が仕事で潰れ、今月末の土日がまた仕事なので、ワンチャンスで帰るつもりだった18・19日の土日帰省を、ここぞと早めて今週末帰ることにした。
なんせ来週だと俺が帰省しても、かみさんと下の娘が旅行でいないことはわかっていたから、ちょうど良かったな。
あ、そもそも台風が来るんだった(笑)。
まあ、まだ明日は大丈夫だろう。明日の仕事を早く切り上げ夜には向かおうと思う。
もっとも帰省しても台風で多分どこにも出かけないだろうから、自宅でDVDでも観ながらゆっくりしてくるかなあ。
というわけで何だか気が抜けてぼ〜っとしていたらこの時間。荷造りだけは済ませて眠るとしよう。ああ、昨夜も遅かったからぐっすり眠れそうだぜ(笑)
でも、夕方クリーニング引き取りがてらの買い物で、何故だか思いついてスルメイカ買ってきた。初めてイカをさばいて、大根との煮物を作ったりしたのだった(笑)んまー、書いた通り昨夜はトマト風味カレーを食したのでこれはつまり今日以降分。やってみれば簡単ではあったし、見た目以上に出来はかなり良いのだが、こんなの作ってる間に仕事すればもう少し楽だったか(笑)。
レイトショーに駆け込んだこの映画、結論から言うと、休日出勤のやさぐれ気分も吹っ飛ばす面白さだった!
見えない目撃者(2019年)
監督・脚本:森淳一 脚本:藤井清美 撮影:高木風太 照明:藤井勇 録音:竹内久史 美術:禪洲幸久 編集:瀧田隆一
出演:吉岡里帆、高杉真宙、大倉孝二 、浅香航大 酒向芳、國村隼、渡辺大知、柳俊太郎、松大航也、熊谷美由紀、田口トモロヲ
警察学校を優秀な成績で卒業しながらも、交通事故で同乗していた弟を亡くし、自らも失明した浜本なつめ(吉岡里帆)。
3年後、失意のうちに暮らす彼女が、偶然出くわした「少女誘拐」の現場。様々な状況から誘拐を疑わずに通報するも警察は盲目の彼女の「目撃証言」を訝り、事件として取り合わない。
なつめは誘拐された少女を助けたい一心で探し出した、もう1人の目撃者であるスケボー高校生国崎春馬(高杉真宙)とともに真相を探りだす。
彼女の推理とそれを裏付ける情報に定年間近の木村刑事(田口トモロヲ)と相棒の吉野刑事(大倉孝二)も動きだすのだが…。
このプロットだけで面白そう!と思うでしょ?予備知識ゼロで観たけど、クレジットでもしや…と思ったが、韓国映画のリメイクだったのね。
韓国映画の日本版リメイクは、ブログにレビュー書いていなかったが2014年に中田秀夫の「MONSTERZ モンスターズ」を、2017年に入江悠の「22年目の告白-私が殺人犯です-」などを劇場で観ている。いずれも元の作品観てないので、なんとも言えないが、どれもそこそこ面白かった。
韓国のクライムサスペンスはもうその辺のホラーより容赦ない描写、展開が多くて毎回「ヒェ〜」となるのだが、この映画がどこまで元の映画に沿っているかは知らないが、そんな「容赦なさ」も含めすこぶる付きの面白さだった。
もちろんホラーやサスペンス・スリラーにありがちな「おまえ、一人で行くな〜!」とか「いや、そんなんじゃ気づかれるでしょ!」的なシーンがクライマックス近くにあって、100点満点とは言えないけど(笑)、そのクライマックスに行くまでの語り口が凄くいい。
少女を救いたい一心で、突き進むなつめ。最初は無関心なのにその姿勢に引き込まれるかのように彼女と行動を共にする春馬。
盲目が故に様々な状況に気づき、裏付けをとるなつめの推理と、今時の若者らしい春馬の情報が噛み合って真相に近づく。
言わば盲目の元女性警官と年下の高校生のバディものでもあるが、なつめにしては春馬が自らの過失で失った弟と重なるので恋愛に転ばない関係性も好きなパターン。
この「一般人コンビ」の推理が警察を動かし、一度は連続誘拐〜猟奇殺人が明らかになる(このシーンの“嫌な感じ”は最高!)。
その後の展開では、俺にしては珍しく途中で真犯人がわかってしまうのだが(笑)、まだ犯行が続く可能性と、震撼すべき犯人のバックボーンが明らかになり、予告編でもあったなつめが犯人に追われるピンチと、畳み掛けるサスペンスはなかなかの物。
もちろん元の映画の脚本が面白いのだろうけど、
特にR15の容赦ないゴア描写も効果的。必要なものを見せ、必要ないものを見せない演出に引き込まれた。 森淳一監督作品は不勉強で観ていないが、これまでサスペンスやアクション作品を撮っていないようだけど良い腕前だなあ。
どうやら韓国版は女性に激しい執念を抱いた産婦人科医の男の犯行だったらしいが、本作の翻案は正解だったと思う。
観終わって改めて見たポスターのコピーに「絶対に取り戻す」とあった。
取り戻すのは不明女子高生そのものでもあったが、「自分自身を肯定する」なつめの意思でもあったのだな。
なつめの必死の捜索は、少女の命そのものも取り戻すのはもちろん、行方不明でも親から捜索願さえ出ておらず、故に自分を大事にしない少女たちの「存在価値」をも取り戻すかのようだった。
「会えて良かった」と手を握り合う2人。
事件を通じ、なつめ自身も自己否定をしていた自らを、肯定できるようになるのが気持ちよかった。
他人に無関心だった春馬もなつめと出会い、また変わっていくのもいい。
盲目という難しい役柄だった吉岡里帆も高杉真宙も大好演だったと思う。
2人に引きずられて、変化する定年間際の平刑事の田口トモロヲと、組織の中で職務を全うするだけだった大倉孝二の刑事コンビの好演も付け加えておこう。
ほんと観て損はしない面白さでした!
実はレイトショーに駆け込んだのは、予告編観ての期待と共に、好きだった麻生久美子系の顔がちょっと気になってた吉岡里帆主演というのが大きな理由(笑)。
ええ、そうですとも。どん兵衛のCMで「か、可愛い〜」と悶絶(笑)、やっと名前を覚えたくらいで、普段帰宅も遅いのでドラマでも映画でも吉岡里帆が演技しているところは見たことないというくらいなんだけどね。ほんと良い役柄、良い演技ですっかりお気に入りになってしまったのでした(笑)。
昨年惚れ込んだ「孤狼の血」(これもレビュー書いてなかったな)もそうだったが、東映はじめ、邦画ならではのクライムもの、サスペンス、スリラーも良いのが出てきているなあ。いくつか気になっていたのに見逃しているのがあるので、また追いかけてみよう。
昨夜金曜は日付が変わるまで仕事したのに終わらなんだ。
毎回そうなのだが、帰省後の週はいつも仕事がきつく感じるが、来週のイベント準備に企画書と入札準備に加え、月末および半期決算の処理関係もあって今回は更にだ。もうなんだかなあの毎日で(苦笑)。
それでも今日は少なくとも朝寝坊はできたし、ゆっくり休もうと思えば休んでしまっても良かったのだが、どうにも残した仕事が気になって仕方がない。
休日出勤するのも最近はいい顔をされないこともあり、洗濯やクリーニングを済ませて午後しばらくするまで迷いに迷ったが、来週もキツそうなので処理関係だけ済ませておこうと出社した。
まあ、これが始めてみればこれもあれもで、なかなか終わらない。
休憩でタバコを吸いに外に出るたびに、秋祭りでざわめく街の雰囲気が強まっていく。
ああ、来年はこの雰囲気を味わうことないのだなあ…など太鼓や笛の音を聴きながら思った。
いつまでも続くようで、確実に変化している毎日。
そう言えば、たまたまだが今週は静岡の時の先輩から珍しく近況を尋ねる電話もあった。
来春戻って来る前に、打ち合わせで静岡に来ることもあるだろうからまた飲もうと言われた。
俺の後任の東北赴任もどうやら遅れるようで、よもや来ないということもないだろうが、これから先、業務を取り回しながらの引き継ぎもちょっと苦労しそうな気もする。
来月はきついがそれもあっという間だろう。
どうなることやらと考えるのも今は無駄なので、まずは目の前のことに集中!
と、イエローモンキーやバックホーンなどを景気良く鳴らしながら(笑)なんとか予定の19時過ぎに仕事を終わらせた。
露店でお好み焼きでも買って帰ろうかと思っていたのだが、会社を出た途端、やはり休みの気分を味わいたくて、時間のあるレイトショーに駆け込んだのだった。(観た映画のことはまた別に)
こうして思いつきでレイトショーに行くことも減るだろな。全然日常でなかったこちらでの生活が、5年ですっかり日常になってしまったものだと改めて思う(笑)。
さて、今宵も夜更かし、明日も寝坊して、まだあと1日ある休みも「好きなことだけ」して過ごしてやるのである。
充電完了したのはいいけど、10月の地獄月間準備で、昨日一日でもはや使い切った感もありますが、しばらく前にGYAO!で観て非常にお得だったこの一本をご紹介!
ウォーム・ボディーズ(2013)
Warm Bodies
脚本・監督: ジョナサン・レヴィン 製作: ブルーナ・パパンドレア、デヴィッド・ホバーマン、トッド・リーバーマン 製作総指揮: ローリー・ウェブ、コーリ・シェパード・スターン 、ニコラス・スターン 原作: アイザック・マリオン『ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語』 撮影: ハビエル・アギーレサロベ 編集:ナンシー・リチャードソン 音楽: マルコ・ベルトラミ 、バック・サンダース 音楽監修:アレクサンドラ・パットサヴァス
出演: ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー、ロブ・コードリー、デイヴ・フランコ、アナリー・ティプトン、コリー・ハードリクト、ジョン・マルコヴィッチ
「こいつの映画レビュー、マカロニウエスタンとゾンビばっかだな」と呆れられそうですが(笑)、実際下書き溜まってるのそんなんばっかなんで、なんか申し訳ないです(汗)。
でもこれ面白かったんですよ〜。言わば「ゾンビ・ミーツ・ガール」のゾンビ版青春ラブコメみたいな感じで。
って、ゾンビものは多数見てるけどラブコメはほとんど観たことないんだけど(笑)、普段ゾンビものは避けて通る女子にもおススメの一本ですぞ。
お話はゾンビと人類が敵対している近未来というよくある設定。
ゾンビの青年(ニコラス・ホルト)は、仲間と共に食糧(=生きた人間ね)を探しによろよろと街に向かう。離れた場所でゾンビの侵入を防ぐために厳重に壁を築いている人間たちも、物資調達に同じ街に遠征している。
建物内で遭遇した彼らは当然のごとくゾンビは人を襲い、人間はゾンビを倒しまくる激闘となり、ゾンビ青年は男性を襲いその脳を食べる。
あ、いかん、女子が退いているのが眼に浮かぶぞ(笑)。もう少し我慢してくだされ(笑)。
脳を食べるとその人の記憶を共有するっているのがこの映画の面白いところで、青年は食べた男のガールフレンドとの記憶を知ることで、何かが変わっていくのだ。
戦いの中、ゾンビ青年は自分にショットガンを向けたジュリー(テリーサ・パーマー)に出逢う。彼女こそがさっきの男性の記憶の中の美少女だ。その瞬間、彼は彼女に心を奪われてしまう。
そして、彼は他のゾンビに襲われる彼女を救い出し、戸惑う彼女を先導して密かに自分たちの居住区である空港に連れ帰ってしまう。
彼はかつての記憶なのか、隠れ家である飛行機内にレコードなどお気に入りの物を飾っていたりする。
生前はどんな生活をしていたかはわからないし、言葉も話せず、うーうー言うだけのゾンビなのだが、知性もあり、他の中年ゾンビとも意思疎通をし、互いの無事を安心し合うなんていう友情に近い感情を持っていることも描写される。
ただ、どうして自分がゾンビになり、こうして「食べ物」を探し彷徨っているのかわからない。
自分がこうしてゾンビとして存在している意味を「生ける屍」として、ぼんやりと考えているだけだったのだ。それでもこんな「ゾンビ側の意思」を描いたという意味では画期的な視点だとも言える。
その彼がジュリーに出会ってから変わる。もちろん彼女に対しては「食欲」も湧かない。怯えきったジュリーを、ひたすら壊れ物を扱うように大切にする姿がいじましいのだ。
しかし助けてもらったとは言え、ゾンビだらけの居住区に連れてこられたジュリーはたまったもんじゃない(笑)。
ゾンビの彼を恐れ、襲ってこないとわかってからも彼を頑なにはねつけていたのだが、徐々に彼が自分に向ける無償の好意に気づき、純粋とも言える優しさに心を開いていく。
言葉が通じなくとも、彼の意思を理解するジュリー。彼が自分たちを襲うゾンビと違うことを確信し、名前のない彼に「R」という名前をつける。
Rとジュリーはやがて想いを寄せ合うようなる。
ゾンビと人間という「線」を越えた二人は、2人を隔てる壁を打ち壊そうとするが……というお話。
こりゃ完全にR=ロミオとジュリー=ジュリエットの物語ですわな。
主人公Rは「死霊のいけにえ」のバブが進化したかのように、ゾンビにしては知性も優しさも、「愛」も含めた感情があるのがポイント。
その他大勢として屠られるのみの数多のゾンビ映画と違い、この設定は大きく、ゾンビながら主役を張るだけのことはあるのだ(笑)。
ゾンビ版壁ドン(笑)
なんせ主役はゾンビとは言え、ご覧の通りかなりのイケメンだ(笑)。でなきゃゾンビのラブロマンスもなかなか成立しないわなあ。
おお、そうかニコラス・ホルトと言えば「マッドマックス 怒りのデスロード」のウォーボーイズの彼ではないか!あの時はとてもイケメンには見えなかったが、あんなルックスでも女子に好かれてたしなあ。やっぱりイケメンだったんだな、こんちくしょうめ(笑)。
まあ、仮に俺みたいなくたびれた中年親父のゾンビだったら、いくらRのように危害も加えず、知性も優しさも、純粋な愛さえあったとしても、相手の女性は絶対隙を見て、容赦なく俺の頭カチ割るだろうしなあ。クソ〜やっぱりイケメンは得だよな〜とか思っているうちに物語は進むのだ(笑)。
因みにこの映画のゾンビたちは、自分の存在に絶望すると人間の皮を破って骸骨となり、ただただ食欲のために人を襲う悪鬼と化すのだが、Rと彼の周りのゾンビはそんな奴らを恐れ、忌み嫌っているのも面白い設定だ。
ジュリーを愛し、彼女と触れあったことで、前述の悪鬼ガイコツとは逆に、徐々にRは人間らしい感情を、そして言葉までも取り戻していく。自らの変化に驚く彼がまたいじましいのだ。
Rの変化に伴い、彼の友人の中年ゾンビ他の仲間のゾンビも「感情」や「意思」を取り戻していくところもいい感じだ。
ジュリーが、Rと仲間のゾンビが変わり始めていることを知らせに、冒頭と逆にRを人間の居住区に連れていく際に、生きている人間らしいメイクを施すのが微笑ましい。
ウォーキングデッドのシーズン1で、ゾンビの大群の中を突っ切るために、ゾンビの死体を切り刻み、その屍肉を身体になすりつけて脱出する凄まじいシーンがあったことを思い出したが、逆の方がやはりいいよなあ…ってゾンビにはなりたくないけど(笑)。
ジュリーの父親である軍のリーダー(ジョン・マルコビッチ!)は当然Rを受け入れず、すったもんだの末、彼らを追ってきたゾンビの成れの果てのガイコツ悪鬼が人間を襲ってくる。これをRの仲間の普通のゾンビたちがこぞって対抗、人間を助け、共通の敵を駆逐していくクライマックス。
Rを信じられなかったリーダーも、Rたちの姿にゾンビの変化を理解する。
なんたってRの止まっていた心臓も脈打つようになり、次第に体も題名通り暖かくなっていくのだから。
複数形となってる理由は、前述の中年ゾンビ他の行動を共にする「良いゾンビ」たちにもRの変化が波及していくからなのだろう。
Rとジュリーの愛がきっかけで、ゾンビが人に戻り始め、ゾンビと人間を隔てる壁は文字通り崩れていく希望の光が差すラスト。
この辺の視線の温かさは良くて、ほんとほんわかした気持ちにもなるのだが…
考えてみると、みんなゾンビだった頃は人を食っちゃっているんだよね…ってのが、ふと思い出されるとちょっと複雑かも(笑)。
Rなんて最初にジュリーの彼氏を食べちゃってるし(笑)。その前にジュリーに一目惚れしている描写もあるし、彼氏の「想い」を引き継いでのRの健闘はほんと健気なのだが、意地悪な見方をすれば、彼氏を殺して想い出まで奪っちゃった訳なんで、彼氏が可哀想でもあるのだな(笑)。
まあ、これがなかったら、Rはジュリーを食らって冒頭10分で物語が終わってしまうところだったので、この際、目をつぶってイケメンゾンビのラブコメとして楽しんでください(笑)
「サンゲリア」のようなぬちょぬちょグログロは無いのでご安心あれ!(笑)
まあ本能の赴くままの悪鬼ゾンビとは対照的に、愛を得て目標を持つことで、「生ける屍」も生き生きとし始めるなんて、何やらちょいと意味深。
忙しさにかまけて心を亡くし、起きて日々の業務をこなし、疲れて眠るだけ…なんて、ある意味ゾンビみたいなもの。もう少し「人間らしく」生きていこうよってなメッセージも見え隠れするのだ。
そんな訳でグロいシーンは殆どなく、音楽の使い方もなかなか美味しい「ゾンビだって人間だ」の一本。ぜひぜひ良家子女の皆様もお試しあれ!