カストラート 究極の歌声 | 【声の調律師】が教える”音大卒じゃなくてもコンクール上位になれる『発声』の秘密”

【声の調律師】が教える”音大卒じゃなくてもコンクール上位になれる『発声』の秘密”

元・『高音の出ないこもり声』がたった2年ちょっとで数々のコンクール受賞を果たし、ペルー大統領夫人の御前で演奏させて頂けるまでになった【世界で通用する芯のある豊かな声】の作り方をご紹介

皆様、カストラートをご存知でしょうか?声楽の歴史に不可欠な歌手達でした。


最近、もっぱらバロック音楽に興味を抱き、ヴィヴァルディの音楽に陶酔しております。以前から好きな『agitata da due venti』は歌いたくて譜読みをしています。


よく調べもせずに譜読みしていたら、テノールの友人(バロック愛好家)から『あの曲はカストラートのために作られた曲だからね』と言われてハッとした。


カストラートは、去勢されたボーイソプラノのことです。現在は禁止されていることなのでカストラートはいません。


カストラートは、教会に女性が入って歌うことが許されなかったということから生まれた(作り出された)のです。ボーイソプラノの音色と技術を極力残すため、去勢をして変声させずに体だけは成人男性の強靭な筋肉や大きい肺を持つという究極の歌手。


一攫千金や口減らしのために息子を去勢してカストラート歌手にしようとした親がたくさんいたとか。しかし、当時の技術では感染症になったり、ホルモンバランスが崩れて長く生きられなかった子供たちも少なくなかったそうです。


声楽のダークな歴史かもしれませんが、大きな犠牲と共に声楽を大きく発展させ、その強靭且つ芸術的な歌を今日もコントラアルトやメゾソプラノが歌い継いでいます。犠牲が大きかった分、その技術や音楽を継承していくことが大切だと思います。


当時の声楽の発声はどんなものだったのか?カストラートのスターの歌声は一体どれほど心臓に突き刺さるような魅力のあるものだったのだろう。今日では知ることはできません。YouTubeに、世界最後のカストラートの歌声(恐らく蓄音機で録音したもの)が残されていますが、音質は当然質が悪く、しかも歌手本人の衰退期の歌声ということなので、参考として聴けますがそれ以上を求めることはできません。


しかし、この歌声を聴いた時にはゾッとしました。いい意味です。作られた歌声ではなく、生々しい音色だったのです。男性でも女性でも出せないあの音色。だからこそカストラートの全盛期があり、大変な憧れの的だったのだと思います。それが分かりました。


私が今歌いたいと思って勉強を始めた『agitata da due venti』は、確かに細いソプラノには無理かもしれない。上はシ♭で中低音が多く、且つ最低音が下のソ。この音はソプラノが出しても出なかったり聴こえない音でしょうね。だからアルトやメゾが歌い継いでいると。スミ・ジョーさんが歌っているのはすごい!あ、モンセラート・カヴァリエさんも歌ってる!カヴァリエさんは太いソプラノだからできるんだな。私も音は間違いなく全部出るので問題は転がす技術(笑)頑張ろう。腹筋との戦いや。。。